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トヨタが「消費者から不正にお金をだまし取った」として89億円の支払いを命じられる。「必須」と嘘を付き不要な保険を付与するなどの手法で販売額を水増し

2023/11/23

トヨタ

| 「まさかあのトヨタが」という驚きを禁じえない |

なお、日系メディアは様々な事情のためか本件についてはほとんど報じていない

さて、米国トヨタがローン(もしくはリース)にて車両を販売する際、不正に消費者からお金をだまし取っていたとして、6000万ドル(現在の為替レートにて約89億円)の和解金を支払うよう命じられたとの報道。

「世界で最も売れている自動車メーカー」であるトヨタがこういった行為を働いていたというのは非常にショッキングな事実ですが、簡単に言うと、ローンを組む際に「本来は不要なパッケージ」を勝手に組み込んで金額を吊り上げたり、それをキャンセルさせなかったり、キャンセルしても返金しなかったりというもので、米消費者金融保護局(CFPB)のロヒト・チョプラ局長によれば「トヨタの融資部門は、返金を違法に保留し、不要なサービスを解約するために障壁を設け、信用情報を悪化させた」と述べ、「アメリカ人の自動車ローン支払いの負担が増大していることを鑑みるに、我々は顧客を騙す大手自動車金融業者を引き続き追及してゆかねばならない」とも。

いったいトヨタは何をやったのか

そこでこの「手口」を見てみると、まずは「不要なオプションの販売」。

このオプションは車両に取り付けるパーツではなく保険のようなもので、たとえばGuaranteed Asset Protection (GAP)とCredit Life and Accidental Health (CLAH)というものがあるのだそう。

前者だと、自動車が盗難や損傷にあった場合、消費者が自動車ローンで支払うべき金額と保険金の差額をカバーするもので、後者は、顧客が死亡または身体障害者となった場合の残債をカバーするものだと説明されています。

そしてこれらオプションは「勝手に」支払総額の中に組み込まれているケースがあったり、ディーラーが「必須」であるとウソをついて購入させ、消費者があとでそれが不要であると気づいてもキャンセル出来なかったり返金できなかったりした、とのこと。

米消費者金融保護局によると、消費者が(このオプションの組み込みで)負担した費用は平均してローン1件につき700ドルから2500ドルにものぼり、増加したローン額に対し、より多くの金融手数料を徴収することでトヨタの利益を増加させたとしています。

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トヨタは消費者に「キャンセルさせないように」対応を計画

そして次はキャンセルに関する問題で、消費者がこのオプションをキャンセルしようとすると(もともとキャンセルできる性格の商品であるようだ)キャンセルを思いとどまらせるべく「リテンション・ホットライン」に誘導され、ここでは「顧客が3回キャンセルを申し出るまで」ホットラインの担当者が商品の宣伝を続けるという規則があり、3回のキャンセルが申し出られた後、ようやく顧客は書面を通じ解約を請求できるようになると報じられています。

さらには「お金を返さない」という問題も報じられていて、トヨタは(オプションがキャンセルされることで)月々の返済額を下げたり、顧客に返金する代わりに、返金額をローンの元本に充当していたとされ、この場合、返金されるのは、販売またはリース契約期間が終了したときのみとなり、トヨタとしては「現金の支出を極力避けていた」ということになりそうです。

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さらにトヨタは虚偽の報告も

このほか、還付金の計算を本来とは異なる方法で(消費者が不利になるよう)計算したり、リース期間が終了し顧客が車両を返却しても適切に処理しなかったり虚偽の報告を行ったりという例があったと報告されており、なかなかに根が深い事件なのかもしれません。

なお、6,000万ドルの和解金のうち、3,200万ドルはオプション(バンドル商品)の返金を受けられなかった顧客に支払われ、保険を解約しようとしたもののうまくゆかなかった消費者には990万ドルが支払われるほか、虚偽の情報操作によって影響を受けた消費者には600万ドル以上、解約時に正確な返金を受けられなかった消費者には5万2000ドルが支払われ、残りの1200万ドルは民事罰だと報じられています。

ちなみに本件は日系のメディアではほとんど報じられていないようですが、それはおそらく「忖度」の問題なのかもしれません。

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参照:CARBUZZ

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