| これまでのポルシェ911GT3系、718ケイマンGT4系”MRキット装着車”だと4-5秒の短縮にとどまっている |
現実を直視するならば、たとえMRキットを装着したとしても911GT3RSが現在の王者、メルセデスAMG Oneを下すのは難しい
さて、ポルシェ911GT3 RS「マンタイレーシング」と思われるプロトタイプがニュルブルクリンクを走行する姿が目撃され、その勇姿がYoutubeへと公開されることに。
この「マンタイレーシング」とはドイツ拠点のレーシングファクトリーで、ポルシェを使用しモータースポーツにて大きな成果を挙げたことからポルシェの出資を受け、現在はポルシェの子会社として機能しています。
マンタイレーシングはいわば「ニュルブルクリンクのスペシャリスト」とも言える存在であり、ニュルブルクリンクへのアタックに特化した「MRキット」をポルシェ911GT3系、718ケイマンGT4系を対象に発売しており、これを装着した車両は4-5秒ほどニュルブルクリンクにおけるラップタイムが速くなることも確認されています。
ポルシェ「MRキット」とは?
そこで今回目撃されたのが上述の「MRキット」を組み込んだテスト車両だと見られていて、この911GT3 RS「MR」については少しづつバージョンを変えながら昨年秋ごろから目撃情報が相次いでおり、つまりポルシェは時間をかけながらこのMRキットを開発している、と考えて良さそうですね。
これまで発売されたMRキットについては、フロントスポイラーの変更やカナード(エアロフリック)の装着、リアウイングの(翼、エンドプレート共に)大型化、リアホイールカバー(エアをウイングに当てるように流す効果があるらしい)装着、アンダーボディの変更、ブレーキパッドとサスペンションのアップグレードといった内容を持っています。※これまでのMRキットの価格はだいたい600万円くらい
おそらくはいまテストされている911GT3 RS向けのMRキットもこれまでの内容に準ずるものと思われますが、「シャークフィンが装着」されているところは今までに例がなく、これは911GT3 RS専用の装備ということになるのかもしれません。
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なお、ポルシェはこれまでにもニュルブルクリンクにて様々な記録を打ち立てており、市販車だと「スポーツカー」「SUV」「サルーン」においては”市販車最速”タイムを過去に記録もしくは維持しており、市販車というくくりを撤廃した「レーシングカー」だと”919ハイブリッド”がその記録を保持しています(その前の記録保持者もまたポルシェだった)。
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市販スポーツカー部門においてはポルシェ、ランボルギーニ、メルセデス・ベンツの3者が入れ代わり立ち代わり王座に就いていますが、かつてメルセデスAMG GTブラックシリーズがランキング首位に立った際、ポルシェはこのMRキットを装着しAMG GTブラックシリーズのタイムを更新し「王者」であると主張したことも。
ただしこのMRキットは「ポルシェ純正オプション」ではあるものの、どの地域のどのポルシェセンターでも装着できるわけではなく、これを取り付けることができるのは「限られた地域の指定ポルシェセンターのみ」。
よって多くの人々や団体はこのMRキット装着車について「純正オプションといえど、誰もが選べるわけではないので改造車である」と捉えているようで、これについてはぼくも同じ見解です。
さらにポルシェは先日発表された新型パナメーラについても「”量産”EV最速」だと主張していますが、わざわざ”量産車”と銘打っているのは現在EVでトップタイムを誇るリマック・ネヴェーラにつき「限定生産であり量産車とは呼べない」というポルシェの言い分を表したもの。
ポルシェは現在リマックに多額の出資を行っており、事実上支配権を握るに近い形ではあるものの、それでもリマックを押しのけて「ニュル最速」を宣言しており、とにかく「何が何でも」ニュルブルクリンクのトップでなくてはならないという意思が感じられます。
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しかしながら、たとえポルシェが今回GT3 RSにMRキットを装着したとしても、ノーマル状態で記録したタイム(6:49.328)を現在首位のメルセデスAMG One(6:35.183)を凌駕するところまで短縮することは困難であると思われ、メルセデスAMG Oneを超えるには新型911GT2 RS、そしてこれにMRキットを装着した車両が登場するまで待たねばならないのかもしれません。
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参照:CarSpyMedia