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「いま、富裕層は誰もがEVを拒否している」と発言したベントレーがなぜか「世界初、ラグジュアリー・アーバンSUV(EV)を発表する」と予告。納車を開始する2026年にはまたEV人気が高まると予測

「いま、富裕層は誰もがEVを拒否している」と発言したベントレーがなぜか「世界初、ラグジュアリー・アーバンSUV(EV)を発表する」と予告。納車を開始する2026年にはまたEV人気が高まると予測

Image:Beltley

| たしかに現在の「EV敬遠」がずっと継続するとは考えられないが |

実際のところ、先の状況は誰にも読めない

さて、メルセデスAMGが「AMG専用設計を持つ、ハイパフォーマンス・エレクトリックSUV」のティーザー画像を公開したところですが、奇しくも同日にベントレーが「自動車史上初のラグジュアリー・アーバンSUV」とされるEVの(メルセデスAMGとよく似た)ティーザー画像をリリース。

なお、ベントレーは2020、EV(電気自動車)への熱狂が最高潮に達していた中「Beyond100」なる戦略計画を発表し、この中で”2030年までに完全電動化を目指す”と宣言しています。

しかしその後、EV市場は急速に人々の関心から離れてしまい、この状況を考慮しベントレーは今年初めに「完全電動化は2033年まで延期」と発表。

そして今回、さらにその計画を先送りにした「Beyond100+」と題された新しい経営計画が発表され、ここでは「目標をさらに先送りにし、完全電動化の時期は2035年まで先に伸ばす」ことが明確に示されることに。

ベントレー
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なのになぜベントレーは今EVを?

実際のところ、ベントレーは「もはや富裕層の誰もEV2関心を持たなくなった」ともコメントしていますが、この期におよんでEVを発表するというのはちょっとナゾ。

ただしベントレーは上述の「Beyond 100」を協力に推し進めており、ガソリン車用の生産設備をEV用に転換したり、従業員についても「EV開発要員へと」コンバートしているので、今回発表することになるEVについては「もう後にもどれないくらい」開発が進んでいたのかもしれません(本来であれば、EV熱が冷める前に発表されていたはずだったと思うが、ベントレー属するフォルクスワーゲングループのソフト上開発会社、カリアッドのEV用制御ソフトの開発遅れによって発売が延期に次ぐ延期となった)。

とにもかくにもベントレーは「ベントレー初のEV」としてラグジュアリーSUVを発表することとなりますが、発売時期は2026年、そしてサイズはベンテイガよりもコンパクト(全長5メートル以下)だとされ、つまりは都市部でも使えるサイズを持つもよう。

さらにベントレーはこのEVが「非常に優れたアジリティ」を提供し、ラグジュアリーでありながら機動性に優れていると述べ、プラットフォームの詳細は公開されていないものの、ポルシェやアウディが「マカン・エレクトリック」や「アウディQ6 e-tron」用に使用しているPPEプラットフォームを使用する可能性が高いと予想されています。

ベントレーはかく語る

そしてこの「ラグジュアリー・アーバンSUV」につき、ベントレーの最高経営責任者(CEO)であるフランク=シュテファン・ヴァリザー博士、製造部門のアンドレアス・レー博士、研究開発部門のマティアス・ラベ博士は、「真のベントレー」でなければならないと強調しており、それはグランドツアラーとしての資質、すなわち優れた航続距離と高速充電を意味すると述べ、具体的な数字はまだ公開されていませんが、ベントレーは(車体重量とハンドリング、航続距離との)絶妙なバランスを取ろうとしていることが伝えられています。

「非常に速く充電できるのであれば、大きなバッテリーは必要ありません。その場合、EVはより良いハンドリング性能を発揮できます。しかし、航続距離が不十分であれば、GTカーとしては使えません。。ベントレー体験の一部として感情的な反応が大切であり、サウンドは完全に合成されたものではなく、他社の真似でもありません。ベントレーは”今誰もやっていないこと”を開発中です。」

Beyond100+ - 2

なお、興味深いのは、このEVが実際に路上を走る2026頃には(ベントレーが)「はEV需要の減少がある程度回復すると見込んでいる」とコメントしていることで、とくに2027年からは欧州の排出ガス規制が厳しくなるため、クリーンな車に対する需要は急増すると予想しているのだそう。

つまりベントレーは技術の進歩やインフラの発展がもたらされ、社会情勢的にはEUの汚染物質に対する見解が厳しくなる中で「満を持して」市場へとEVを投入する計画を持っており、このEVの投入以降、2035年までは「新しいPHEV(プラグイン・ハイブリッド車)またはBEVを毎年登場させる」予定であるともコメントしています。

その他、ベントレーは新しい工場の建設を進めていること(2025年9月に稼働予定)、今後はさらに”クラフトマンシップ”がベントレー体験の重要な部分となること(新しいEVはベントレーの最高の技術を結集したものになる)、さらに新しいエンジニアリング施設や組立ライン、ローンチセンターなどを開発中で、これらは品質向上に役立つことについても言及していますが、もっとも興味深いのは「2035年までの間に、”興味深い内燃機関搭載車”が復活する可能性を示唆しており、もしかすると、低ボリュームのW12エンジンを搭載車が登場する可能性もありそうですね。

参考までにですが、ベントレーCEOはつい最近交代しており、直近での様々な方針変更は新CEO、フランク=ステファン・ヴァリザー氏の意向によるものだと考えられます。

Beyond100+ - 3

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