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ポルシェにおいて986/996→987/997→981/991はどう変わったのか

2015/08/22

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水冷ポルシェは986(ボクスター)/996(カレラ)世代からはじまったわけですが、その後にモデルチェンジで987(ボクスター)/997(カレラ)へ。

これら三世代とも実際に所有したぼくの経験からすると、986/996→987/997ではさほど大きな変化はないように感じます。
それでも当然進化しているわけで、どこが変わったかというと「足回り」が一番大きいだろう、とぼくは思うのですね。

986/996世代は比較的硬めの足回りで、比較的衝撃を拾うものでした。
ゴツゴツした印象もあり、「いかにもスポーツカー」という感じ。
タイヤサイズは16インチ~18インチで、当然これに見合った範囲でのサスペンションとシャシーであり、スポーツカー然としたものですね。
よって、段差を超えるときはいつも体に力が入り、身構えるようにして身体を強張らせていたものです。
※以前に乗っていたポルシェ986ボクスターのインプレッション等はこちら

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987/997になるとこの足回りが変化し、まずタイヤサイズが17インチ~20インチに。
これによって大きく乗り心地が変わり、鋭い衝撃を拾うことはほぼ無くなりました。
それでも硬い足回りであることには変わりなく、姿勢変化を抑えるためかけっこう強めの設定ですね。
可変レシオ採用のステアリングもこの世代からの装備です。

それでも「987/997は986/996のマイナーチェンジ版」と言われるように大きくは変わらず、実際のところキャリーオーバーの部品も多かったようです。
内装もちょっとオシャレになりましたが、それでも同価格帯の車と比べるとまだまだ見劣りする状況。
なおPASMが登場したのもこの世代で、これによってダンピングが一気に高められ、一枚岩のような乗り心地になったのも特徴。
ただこれでポルシェは何かを掴んだのか、スプリングレートよりもバネレートを高める方向に動き始めたようです。
※以前に乗っていたポルシェ997カレラのインプレッション等はこちら

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そのためか、その後に登場する981/991はダンピングレートが比較的高く、しかしスプリングレートがさほど高くないので、「しっとりした」乗り味に。
これは正直なところ欧州のセダンよりも上質な乗り味と言え、さらに大径化したタイヤ、延長されたホイールベースと相まって抜群の安定性を持つに至っています。
とくに991においてはもうRRであることがわからないレベルにまで安定性が高くなっており、まず通常の環境では不安を感じることはない、と言えるでしょう。

段差を越えるときもスムーズで、986/996世代では段差越えの際に身構えたり、ある種の段差恐怖症になってしまったのが嘘のようです。

素直な感想としては「え?これがポルシェ?」と言えるほどの劇的な変化で、最初に試乗した時にはかなり驚きました。
おそらくは急激に拡大するスポーツカー市場において、より幅広い顧客を獲得するための作であったのだと思います。

デザイン的にも大きく変わり、安定感を重視した横基調のデザイン、大きなサイドスカート、ギリギリまで出っ張ったタイヤ、そして今までの歴史を覆すかのようなウエッジシェイプ採用など、数え上げればキリがないほどのトピックを持つのもこの世代。

実際にリフトアップして裏を覗くと、それまでの世代とはかなり異なるパーツを使用しており、986/996→987/997がマイナーチェンジだとすると、987/997→981/991はフルモデルチェンジ、と言っても良いでしょうね。

内装についてもこれまでのポルシェにははにオシャレさを持っており、ようやく「価格並」の品質を持つに至ったとも考えています。

加えて、フェラーリV8モデル、ランボルギーニV10モデルがここ10年で価格がほぼ倍になってしまったことを考えると、ポルシェはなんと「価格据え置き」とも言えるプライシングであり、ポルシェのコストパフォーマンスは相対的にも高まっていると言ってよいでしょうね(もちろん絶対的にも)。

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