
Image:Smart
| なお、新しいスマートは中国市場ではかなりの人気を誇っている |
残念ながら日本市場での発売予定はなく、現状だと中国と欧州にて展開がなされる
さて、先日中国を訪問して驚いたのが「けっこう(新しい)スマートが走っている」ということ。
スマートはもともとスウォッチが企画したマイクロカーですが、そこへメルセデス・ベンツが参加することとなり、しかしその後スウォッチが手を引いたためにメルセデス・ベンツがこれを引き受けてプロジェクトを進行させ、いくつかのモデルを発売しています。
ただしその後、中国の吉利汽車の創業者、李書福氏がメルセデス・ベンツの最大株主となったのですが、ここでなんらかの調整が行われた結果、スマートの発行済株式における過半数が吉利汽車へと渡り、その後は吉利汽車傘下のブランドとして機能しているわけですね。
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しかしながらスマートはメルセデス・ベンツの手を完全に離れたわけではないと見え、というのも同社のチーフデザイナーであるゴードン・ワグナー氏が(インスタグラムなど)自身のSNSにて新型車の予告を行うことがあるためで、いまだこのあたりの関係性は「ナゾが多い」ところであるとも認識しています。
「新生」スマートは魅力的なクルマを発売している
そして吉利汽車参加となった新生スマートは次々と新しいクルマを発表しており、それらはみな、以前の「For Two」「For Four」とは全く関連性のない新設計のEVなのですが(しかもサイズが大きく、以前のスマートと切り離して考える必要がある)、今回アナウンスされたのが「スマート #5 ブラバス」。
これは#5の最上位モデルという位置づけで、驚異的なテクノロジーを搭載し、100kWhのバッテリーパックによりWLTP航続距離は540kmを誇るうえ、0-100km/hがBMW M3よりも速いという「ちょっとしたモンスター」。
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セグメントとしては「ミッドサイズSUV」、そして価格は欧州市場向けで60,900ユーロ(現在の為替レートでは約1,000万円)という高額なクルマではあるものの、その価格に見合う「646馬力」という出力を持っており、ブラバスらしい21インチモノブロックホイール、レッドのブレーキキャリパーにアクセント、もちろん「Brabus」バッジを備えます。
インテリアもまた「ハイテクかつラグジュアリー」で、10.3インチのデジタルメーターと13インチのデュアルディスプレイを中心に構成され、ステアリングホイールはアルカンターラ巻き、さらにはBrabusのイルミネーションロゴが発光するという演出も。
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シートはマイクロファイバーとダイナミカ(高品質スエード調素材)張りですが、レッドステッチに加え(前席には)シートヒーターとベンチレーション、後席にはヒーターが搭載されています。
このほか、パノラミックガラスルーフ、マイクロファイバー製ヘッドライナー、スポーツペダルなども採用され、レッドカラーのシートベルト、256色対応のアンビエントライト、2,000ワット以上の出力を誇るSennheiser Signatureの20スピーカーオーディオシステムも装備されるなど、もうこれはぼくらの知るスマートとは完全なる別の、そして高級な車であることもわかります。
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現時点でスマートは詳細なスペックを公表していませんが、このスマート#5 ブラバスには100kWhのバッテリーパックが搭載され、AWD(全輪駆動)システムを通じて合計646馬力を発生させること、これによって0-100km/h加速はわずか3.8秒、WLTP航続距離は540kmに達することがアナウンスされており、さらに「Brabusモード」では擬似エンジンサウンドを発することにも言及されています。
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