
参照:Automobili Pininfarina
| ピニンファリーナ・バッティスタがついに幕を閉じる:最後の特別モデル「Novantacinque(95)」が登場 |
なお「生産終了」の理由については明かされていない
イタリアの名門カロッツェリア、ピニンファリーナ。
その名を冠した初の市販モデルであり、数々の記録を樹立した電動ハイパーカーとしても注目を集めた「バッティスタ(Battista)」が2025年末をもって生産終了となることが明らかに。
その有終の美を飾るのが*創業95周年記念モデル「バッティスタ・ノヴァンタチンクエ(Battista Novantacinque)」です。
スペック概要:電動ハイパーカーの頂点
そこでまず、このピニンファリーナ・バッティスタのスペックを振り返ってみると以下の通り。
基本的にはリマック・ネヴェーラと多くを共有しており、しかし細部の仕上げがピニンファリーナによって高められている、と捉えるとわかりやすいかもしれません。
項目 | スペック |
---|---|
車名 | ピニンファリーナ・バッティスタ |
価格 | 約2,200,000ドル(約3.4億円) |
パワートレイン | 4モーターEV |
最高出力 | 1,877馬力 |
航続距離 | 約483km |
最高速度 | 350km/h |
生産台数 | 最大150台限定 |
生産地 | イタリア・カンビアーノ(トリノ近郊) |
Novantacinque(95)とは? ピニンファリーナ95周年記念の最終特別仕様車
「Novantacinque(ノヴァンタチンクエ)」はイタリア語で「95」を意味し、ピニンファリーナ創業95周年を記念して制作された一台限りのスペシャルモデルにして最終記念モデルであり、以下の特徴を持っています。
- ボディは新色の「Rosso Gloss(ロッソグロス)」で仕上げられた露出仕様のエクスポーズド・カーボンファイバー。
- レッドとブラックのボディをPura Vision Gold(ピュラビジョンゴールド)のストライプが彩る。
- リアウイング裏面にはゴールドにてピニンファリーナスクリプトと「95」の数字を刻印。
- Nero Torino(ネロトリノ)仕上げのグロスブラックルーフとサイドシルを採用。
参照:Automobili Pininfarina
■ インテリア:ブラック&ゴールドの洗練空間
- シートはブラックレザー&アルカンターラで統一。
- ゴールドステッチと「95」の刺繍がセンタートンネルに配され、ラグジュアリーな印象を演出。
- インテリアのカーボンパネルにもブラックとゴールドを採用し、統一感を強調。
参照:Automobili Pininfarina
他にもあったピニンファリーナ・バッティスタの特別モデルたち
ピニンファリーナはバッティスタをベースに数々の特別モデルを製作してきましたが、過去には以下のような特別モデルも存在します。
● The Dream(ザ ドリーム):マグナス・ウォーカーとのコラボモデル
ポルシェファンとして知られるマグナス・ウォーカーによるブラック×ブルーの特別仕様。
● B95 Gotham(ゴッサム):バットマンに着想を得たルーフレスモデル
ワーナー・ブラザーズと共同開発。ルーフもフロントウィンドウもない大胆なデザイン。
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● Cinquantacinque(チンクアンタ チンクエ):1955年のランチア・フロリダにインスパイア
創業者バッティスタ・ピニンファリーナが手がけたランチア・フロリダを再解釈したレトロモダン仕様。
● Targamerica(タルガメリカ):1台のみが製作された「オープン」モデル
マイケル・ジョーダンが発注した「特別中の特別な」モデル。
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最後の「特別」:ピニンファリーナ・バッティスタ・ノヴァンタチンクエが意味すること
ノヴァンタチンクエは2025年5月、トリノの国立自動車博物館(Museo Nazionale dell’Automobile)にて展示され、その後オーナーへと引き渡されたそうですが、公式な「特別モデル」はこれが最後。
欧米では一般に「最後の一台」が非常に大きな意味を持ち、このバッティスタ・ノヴァンタチンクエもまた、今後にわたり非常に高い価値を誇るものと見られます。
まとめ:バッティスタの終焉とピニンファリーナの未来
- バッティスタの生産は2025年で終了
- 最後の特別モデル「Novantacinque」は創業95周年を記念
- 今後は他社から依頼を受けている新プロジェクトに注力か
- 現時点でバッティスタ以降の「ピニンファリーナ名義」のクルマを発売する計画は公表されていない(以前になされた発表は”なかったこと”にされたのだと思われる)
ピニンファリーナ・バッティスタ・ノヴァンタチンクエを紹介する動画はこちら
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