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フェラーリにて16年勤めたマーケティング責任者が電撃更迭、初のEV「ルーチェ」炎上と株価下落の責任を追求か

フェラーリのエンブレム
Life in the FAST LANE.

| フェラーリはルーチェの炎上を「気にしていないようで」けっこう気にしていたのかもしれない |

それにしてもフェラーリの成長に貢献したこの人物を「切る」ことになろうとは

フェラーリが満を持して投入した初のEV「ルーチェ」。

同社初の「5人乗り・5ドアのリフトバックセダン」という、これまでのスーパーカーの常識を覆すパッケージングで登場したことも記憶に新しく、アップルの元デザイナーであるジョニー・アイブ氏率いる「LoveFrom」との協業による先進的なデザイン、そして4モーター1,035馬力という圧倒的なスペックを誇ります。

しかし、この革新性こそが、フェラーリのアイデンティティである「官能的なエンジンサウンド」と「美しい伝統のプロポーション」を愛する世界中のコレクターやエンスージアストの逆鱗に触れる結果となったのもまた事実であり、前社長のルカ・ディ・モンテゼーモロ氏さえも「私の考えを言えば、それはフェラーリを傷つける。伝説を破壊するリスクがあるということだ」と、異例の苦言を呈するほどの騒動に発展しています。

フェラーリのEV、ルーチェのエクステリア〜リア
フェラーリ初のEV「ルーチェ」のデザインに対して”元身内”、かつて同社CEOを努めたモンテゼーモロが「中国人もコピーしない」「跳ね馬のバッジを外すべき」と酷評

Image:Ferrari | ただしルーチェの発表によってフェラーリは一気に「これまでリーチしなかった層にその名を轟かせる」ことになる | さらにイタリア副首相までもがルーチェに対して批判的な発言を ...

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この記事の要約

  • 初のEV「ルーチェ(Luce)」発表後の猛反発:伝統的なV8/V12サウンドを持たない未来的な5人乗りリフトバックセダンに対し、熱狂的なファン(ティフォシ)や既存のVIP顧客から「フェラーリのDNA破壊」と非難が集中
  • 株価が1日で8%暴落:EV市場の冷え込みと重なり、市場はフェラーリの電動化戦略に強い懸念を示し、株価の急落を招くことに
  • 16年君任の重鎮が更迭、後任はBMWから:マーケティング最高責任者(CMCO)のエンリコ・ガリエラ氏が退任。後任にはBMWイタリアの元トップ、マッシミリアーノ・ディ・シルヴェストリ氏が7月1日付で就任
フェラーリのEV、ルーチェのエクステリア〜俯瞰図

Image:Ferrari

フェラーリのEV、ルーチェ(レッド)のエクステリア〜リア
フェラーリ「ルーチェ・ショック」余波収まらず。CEOやデザイナーをパロディ化したディープフェイク動画も登場、著名評論家は「F430に追突されたジャガーI-PACE」

Image:Ferrari | 史上、ここまで酷評されたフェラーリは記憶にない | 良くも悪くも、それだけフェラーリに対する人々の期待が高く、愛情が強いということであろう 自動車界の頂点に君臨するフェ ...

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フェラーリはこの機に大改革を実施か

そしてフェラーリが誇るブランドの象徴「跳ね馬」の歴史において、最大の転換期とも言える激震が走っているというのが最新のニュースであり、2026年5月に発表された同社初の100%電気自動車(BEV)「ルーチェ(Luce、開発コード:F222)」の不評を受けてか、フェラーリは16年間にわたり同社のマーケティングおよび商用部門を率いてきた重鎮、エンリコ・ガリエラ(Enrico Galliera)氏の退任を発表することに。

公式には「以前から話し合われていた新たなキャリアへの挑戦」とされているものの、ルーチェの発表直後に起きた前代未聞の株価暴落と顧客からのバックラッシュ(猛反発)のタイミングを考えれば、事実上の「更迭」であることが業界内で確実視されています(ただ、後任の着任が直近であることから、ずいぶん前から後任を探していた可能性がある。フェラーリは前CEOが急逝したのち、新CEOを慎重に探すために「空白期間」を許容したことがあり、よって後任をあわてて着任させる企業ではない)。

マーケティング責任者の更迭と、BMWからの実力派招聘

いずれにせよ、フェラーリが組織の刷新に動いたのは事実であり、退任するガリエラ氏の後任として、2026年7月1日付でマッシミリアーノ・ディ・シルヴェストリ(Massimiliano Di Silvestre)氏を新たなチーフ・マーケティング&コマーシャル・オフィサー(CMCO)に任命することについても同時に発表。

ディ・シルヴェストリ氏は、直前までBMWグループ・イタリアの社長兼CEOを務めていた人物で、プレミアムおよびラグジュアリーセクターにおいて20年以上の国際的なキャリアを持ち、複雑な組織のマネジメントやビジネスの変革において高い実績を誇ります。

フェラーリのCEOであるベネデット・ヴィーニャ氏は「彼の国際的な経験とリーダーシップは、フェラーリの次なる成長フェーズを牽引する重要な原動力になる」と期待を寄せていて、この「プレミアムおよびラグジュアリーに強い人物」をセレクトしたあたり、フェラーリの新しい方向性が見えようというものですね。

なお、フェラーリの社外取締役はシャネルやディオールの役員が兼任していることでも知られますが、今回「ラグジュアリー業界ではなく、自動車業界からの抜擢」というところにも注目すべきであり、やはりフェラーリは「自社の製品はラグジュアリーアイテムではなく”自動車”である」と再認識したのかもしれません。

フェラーリ デイトナ SP3のリア(シャルル・ルクレール所有)
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フェラーリ
フェラーリの取締役名簿を見て驚いた・・・。サンローラン、グッチ、シャネルなどハイブランド業界、アップルといったテック業界の大物で占められる

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【考察】高級EV市場の冷え込みと「抱き合わせ販売」の噂が火に油

なぜ、これほどまでにルーチェに対する反発が強かったのか? その理由は主に2つあると考えられ・・・。

  1. ハイパフォーマンスEV市場の深刻な低迷:現在、世界のEV市場、特にプレミアム〜スーパーカークラスの電気自動車の需要は「どん底」と言えるほど冷え込んでいて、多くのメーカーが電動化スケジュールを見直す中、フェラーリは数年前から進めていたコミットメント(約束)を撤回できず、最悪のタイミングでのローンチとなってしまうことに。これが市場に嫌気され、株価の1日8%下落という事態を招いたのだと分析されている
  2. 限定モデルとの「抱き合わせ」疑惑:もう一つの要因は、フェラーリの厳格な車両割り当て(アロケーション)システムを巡る噂であり、一部メディアや顧客の間で、「ルーチェ(EV)を購入しなければ、今後登場する超限定の限定シリーズ(ハイパーカーなど)の購入権が得られないのではないか」という憶測が流れたことが反発を招く

前任のガリエラ氏は直前の発表会で「将来の機会のために顧客にルーチェの購入を強要することは巨大な間違いだ」と否定していましたが、高級EVの残価(リセールバリュー)下落が世界的に懸念される中、既存のVIP顧客が「無理やり買わされるのではないか」と強い不信感を抱いたことは否定できず、そして「限定フェラーリを誰に売るか」を判断していたとされ、そしてそれが公に知られていたエンリコ・ガリエラ氏を退任させることで「販売方法を巡る黒い噂」を払拭したかったのかもしれません。

「スポーツカーにハイブリッド」の是非論争は時間とともに解決する?ボクがこの論争は「スポーツカーにATってどうなの」論争と同じだと思うワケ
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フェラーリが「ルーチェ」の購入強要疑惑に対しついにコメント。「様々な報道がなされていますが、それらは誤りです。顧客への圧力はブランドを傷つけます」

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結論:新体制フェラーリが挑む「伝統」と「電動化」の針の穴を通す舵取り

フェラーリほどの超一流ブランドであっても、内燃機関(V8/V12)の感情的な魅力から「静かで重い電気自動車への移行は容易ではない」ことが証明されたのが今回の一連の出来事です。

新マーケティングトップに就任するディ・シルヴェストリ氏は、BMWで「iシリーズ」などの電動化、そして同社最高峰の「Mブランド」のラグジュアリー戦略を両立させてきた実力派だといい、同氏に課せられたミッションは、激怒したティフォシやVIP顧客の信頼を回復しつつ、乗り出し1億円を超えるであろう超高級EV「ルーチェ」を「義務」ではなく「誰もが憧れる真のフェラーリ」として市場に浸透させること。

自動車の歴史が始まって以来の難局に、跳ね馬がどう立ち向かうのか。世界中の自動車業界がその手腕に注目している、というのが現在の状況です。

フェラーリのEV、ルーチェのエクステリア〜フロント正面
フェラーリの株価は初のEV「ルーチェ」発表後に5.26%下落。それだけ変化を受け入れられる人が少ないということに。批判するのは簡単だが認めることを人はなかなかできない

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参照:Ferrari

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