
Image:Maserati
| そのスタイリングは一気に「近代的」に |
マセラティは苦境にあっても反撃の手を緩めない
美しいシルエットと五感に訴えかける官能的なエキゾーストノート。数あるラグジュアリー・グランドツアラー(GT)の中でも圧倒的な色気を放ち続けるマセラティの象徴がさらなる磨きをかけて新登場。
マセラティが2027年モデルとなる新型「グラントゥーリズモ(GranTurismo)」およびオープンセクションを担う「グランカブリオ(GranCabrio)」のアップデート版を発表し、今回の改良では年次変更の枠に留まらず、スーパーカー「MC20」直系の3.0リッターV6ツインターボ「ネットゥーノ(Nettuno)」エンジンの出力を高めると同時に(もちろんガソリンモデルのみ)、エクステリアデザインの細部を大胆にシェイプアップ。
さらに昨今の電動化トレンドの変曲点にあっても超高性能EV「フォルゴーレ(Folgore)」をカタログに並べ続けるというブランドの強い意思が込められた内容となっています。※オフィシャルフォトではグリーン系がガソリンモデル、ブルー系がフォルゴーレ
ここではその美しさと牙を研ぎ澄ました最新イタリアンGTの進化、そしてそのディテールを見てみましょう。

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この記事の要点
- 2027年モデルが世界初公開: イタリアの至宝マセラティを代表するグランドツアラー「グラントゥーリズモ」およびオープンモデルの「グランカブリオ」の大幅アップデートが発表
- V6「ネットゥーノ」エンジンがパワーアップ: フラッグシップの「トロフェオ(Trofeo)」は、最高出力が驚異の582馬力まで引き上げられ、さらなる超高速域へと突入
- 一目でわかるエクステリアの刷新: フロントバンパー、グリル、前後ランプ類の意匠を刷新。特にトロフェオは、空力と冷却を極限まで高めるアグレッシブなカーボンパーツと専用鍛造ホイールを装備
- トリプルモーターEV「フォルゴーレ」も健在: 3つのモーターから751馬力を叩き出すピュアEVモデルも航続距離を最大401kmへと僅かに伸ばし、独自の銅製バッジを纏って継続
- コクピットのデジタル意匠も洗練: レーシングスピリットを刺激する新形状のステアリングホイールに加え、伝統のアナログ時計を模したデジタルクロックや、3画面のインフォテインメント・グラフィックが最新仕様へアップデート

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ひと目で確信するディテールの進化と、アグレッシブな「トロフェオ」の肉体美
2027年モデルのビジュアルにおける変化は「一目瞭然」で、 すべての基本となるフロントマスクには、より洗練されたパネルラインと新設計のバンパー、そして新たな表情を生み出すグリルとヘッドライト/テールライトが採用されることに。
全3グレードの構成となる中で最もドラマチックな変貌を遂げたのが、高性能版である「トロフェオ(Trofeo)」ですが、より過激なフロント&リアバンパー、露出したカーボンファイバーパーツ、そして足元を引き締める専用の「ペガソ(Pegaso)」鍛造ホイールがこのマシンの凶暴なポテンシャルを無言で主張するかのよう。
もちろん、この新しいフロントバンパーは攻撃的なルックスの演出(視覚効果)を狙ったものではなく、エンジンベイへの冷却効率を劇的に高め、超高速域での空力バランス(エアロダイナミクス)を最適化するための”機能美”です。

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レーシングDNAを注入したインテリアのアクセント
今回公式としてはインテリアの画像が公開されていないものの、プレスリリースによれば「ドアを開けた瞬間に乗る者を魅了するグランドツアラーとしての気品はそのままに、ドライバーズシートに座ると、明確な”走りのメッセージ”が伝わってくる」。
新たに採用されたステアリングホイールは、トップとボトム(上下)がフラットに成形された、近年のレーシングカーを彷彿とさせるコンテンポラリーな形状へと変更されたといい、ダッシュボード中央でマセラティの伝統を象徴するスマートな時計はデジタル仕様を継続するものの、その内部グラフィックが最新世代へと刷新されることに。
車内に配置された計3つのデジタルディスプレイのGUI(グラフィック・ユーザー・インターフェース)も一新され、より視認性が高く洗練されたコクピットへと進化を遂げている、とのこと。
2027年モデル マセラティ・グラントゥーリズモ/グランカブリオ スペック比較
2027年モデルはお馴染みのガソリン(ICE)仕様であるベースグレードと「トロフェオ」、そしてピュアEV「フォルゴーレ」の3バリエーションで展開され、それぞれのスペックは以下の通り。

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- ベースモデル(ガソリン仕様)
- エンジン:3.0リッター V6 ツインターボ「Nettuno」
- 最高出力:483 hp / 最大トルク:600 Nm
- 最高速度:302 km/h(クーペ) / 300 km/h(カブリオ)
- トロフェオ(ICEフラッグシップ)
- エンジン:3.0リッター V6 ツインターボ「Nettuno」(高出力チューン)
- 最高出力:582 hp / 最大トルク:620 Nm
- 最高速度:320 km/h(クーペ) / 316 km/h(カブリオ)
- フォルゴーレ(ピュアEV仕様)
- パワートレイン:3モーター(トリプルモーターAWD)
- 最高出力:751 hp / 最大トルク:1,349 Nm
- バッテリー容量:92.5 kWh
- 最高速度:325 km/h(クーペ) / 290 km/h(カブリオ)
- 航続距離:最大401 km(249マイル) ※従来比+32km向上

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市場でのポジショニング:GT市場でのリバウンドを狙うマセラティの勝負手
ラグジュアリーGTセグメントにおいては、ポルシェ911ターボや、アストンマーティン・ヴァンテージ/DB12といった強力なライバルがひしめき合っており、その中でマセラティはいまひとつ存在感をアピールできずにグローバルでの販売台数において苦戦を強いられているというのが現在の状況です。
しかし今回のフェイスリフトでは、ライバルたちにないマセラティ最大の強みである「日常を彩る圧倒的なエレガンス」と「F1由来のプレコンプレッション(副室燃焼)技術を持つネットゥーノV6」を強化したものということもあって「販売テコ入れの特効薬になる」のでは、とも期待されているわけですね。
さらに、今回は「グリーン・ジュピター・マット」「ブルー・デニム」「ブロンズ・ルチド」など、イタリアの洗練された美意識を体現する7色の新しいエクステリアカラーが追加されており、マセラティらしいイタリアンエレガンスを強調するとともに、個性を重んじる世界中のコレクターや富裕層の好みに対してより深くアプローチできる体制を整えています。

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マセラティが今あえて「ガソリン」と「EV」を等価で並べる理由
「高級GTカーの未来」や「EVスポーツカーの価値」について問いかけられることが多い昨今ではありますが、マセラティのこの2027年モデルの構成は、非常に示唆に富む「気付き」をぼくらに与えてくれます。
1. リアルな長距離グランドツアラーとしての現実解
スペック表が示す通り、EVモデルの「フォルゴーレ」は、3モーターによる1,349Nmという異次元のトルクと751馬力を誇り、直線加速ではガソリン車を圧倒する存在。
しかし、その航続距離は今回のアップデートで32km改善されたものの、最大で「401km」に留まります。
大陸を横断するような本物のロング・ロードトリップ(グランドツーリング)を愛する伝統的なオーナーにとって、地方の充電インフラを気にしながら走るEVはまだ100%の自由を意味しておらず、だからこそマセラティは、内燃機関(ICE)モデルの出力を引き上げ、長距離をストレスなく、かつ官能的なサウンドと共に駆け抜ける「GTの本質」をガソリン車に託し続けているのかもしれません。

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2. ブランドアイデンティティの継承
一方、EV版であるフォルゴーレには独自の「(エレクトリックモーターのコイルを表しているであろう)カッパーのバッジ」や「発光するサイドエアインテーク」といった未来的なディテールが与えられており、マセラティが決して電動化の技術競争から脱落していないことを証明しています。
しかし同時に、伝統の「ネットゥーノV6」を磨き続けることでブランドのコアである「モータースポーツの血統」を死守するという「両輪のラグジュアリー」を体現するのが今回のフェイスリフトでもあり、これこそが”現時点における”真のブランド価値の定義(マセラティのマセラティたるゆえん)と言えそうですね。
結論
マセラティの新型「グラントゥーリズモ」および「グランカブリオ」2027年モデルは、美しきイタリアンGTのDNAを現代に正しく継承し、さらに高い次元へと引き上げた傑作ともいえるもの。
582馬力へと牙を剥いた「トロフェオの獰猛な美しさと圧倒的なパフォーマンス」そして航続距離を伸ばし「テクノロジーの先端を走るフォルゴーレ」。
効率性やSUV一辺倒になりがちな現代の自動車シーンにおいて、ここまで「スタイル」と「走るエモーション」に拘り抜いた2ドアツアラーの存在は、それ自体が極めて貴重かつ贅沢であるといえるのかもしれません。
新意匠のフラットトップ&ボトムステアリングを握り、新色「ブルー・デニム」や「ブロンズ」をまとうボディにて海岸線を、あるいは大陸のハイウェイを駆け抜ける。マセラティが提示したこの最新の回答は、トレンドに流されることなく「自らの美学」を貫き通す大人のドライバーにこそ深く、そして強く共感されるものだと思います。
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