
Image:swatch
| 18K金11gを贅沢に使用した「資産価値の高い」1本 |
質問の中には「愛」を語らねばならないものも
2022年の登場以来、時計界に数々の旋風を巻き起こしてきたオメガ×スウォッチのコラボレーション「MoonSwatch(ムーンスウォッチ)」。
その歴史上「最もスペクタクルで、最も知的、そして間違いなく前代未聞の限定モデル」が加わることに。
それが、1969年7月21日のアポロ11号による人類初の月面着陸を称えるリミテッドエディション「MISSION TO THE MOON 1969(型番:SSX01B700)」で、今回の新作はカラーバリエーションの追加にとどまらず、なんとムーンスウォッチ史上初めて「本物の(メッキではなく無垢の)18Kゴールド」を外装パーツに採用しています。
しかも、その価格設定と製造プロセス(そして購入方法)には、時計コレクターなら思わず身を乗り出すような驚くべき「仕掛け」が施されており、「高級時計のロマンを手の届く価格で」という両ブランドの遊び心が極限に達した、この特別なタイムピースの全貌を見てみましょう。

Image:swatch
【この記事の要約(3つのポイント)】
- 本物の18K「ムーンシャインゴールド」を初採用:文字盤や針、リューズに合計11グラムもの18Kゴールドを贅沢に使用。しかも1960〜70年代のオメガのヴィンテージ純正パーツを再溶解して作られたという、歴史的なロマンが詰まった逸品。
- 素材価値が定価を上回る奇跡の「1969年価格」:現代の金相場ではなく、アポロ11号が月面着陸した「1969年当時の金価格」をベースに値付け。現在の金高騰の状況から見ると、時計の定価(102,300円)よりも含まれる金の価値の方が高いという驚愕の価格設定に。
- 世界限定1,969本、超難関のクイズ申請「ESTA」が必要:購入にはスウォッチ独自の電子申請システム「ESTA」からの応募が必須。全32問に及ぶ長い質問や歴史クイズに合格する必要がある、コレクター泣かせの超限定モデル。

Image:swatch
詳細:1969年のオメガ純正パーツを再溶解!現代の金相場を無視した「奇跡の値付け」
この「MISSION TO THE MOON 1969」が時計ファンの間で異常なまでの熱狂を生んでいる理由は大きく分けて2つあり・・・。
1. 1969年当時のオメガ製パーツを溶かして作った「11gの金」
文字盤、針、リューズ、そしてクロノグラフのプッシュボタンには、オメガ独自の18K合金である「Moonshine(ムーンシャイン)ゴールド」が使用されているのですが、 驚くべきはこの金が「どこから来たか」。
スウォッチは、1960年代から70年代当時のオメガのヴィンテージ純正スペアパーツを集め(オメガは現在スウォッチグループ傘下である)、自社の鋳造所で再溶解してこのゴールドを生み出しており、さらに、1つの時計に使用されているゴールドの総重量は「11グラム」。
これはもちろん「アポロ11号」に引っ掛けた小粋な「シャレ」というわけですね。

Image:swatch
2. 時計の定価より「金」の方が高い!?驚愕の逆ザヤ現象
現在の金相場(2026年時点)は歴史的な高騰を続けており、18Kゴールド11グラムの純粋な素材価値だけでもかなりの金額(約17万〜19万円相当)に達します。しかし、スウォッチとオメガが出した答えは風変わりなもので・・・。
「1969年当時、18金11グラムは11ドル(当時の為替で約48スイスフラン=CHF)だった。ならば、この時計もインフレや現代の金相場を無視し、1969年当時の金価格をベースに販売しよう」
このユーモア溢れる決断により、スウォッチとしてのベース価格に当時の金価値を足した日本国内の定価は102,300円(500CHF)に設定され、つまり、「中に含まれる貴金属(金)よりも、時計そのものを買った方が安い」という、前代未聞の価格破壊(逆ザヤ状態)が起きているというわけですね。

Image:swatch
車種概要、性能・デザイン・スペックなどの特徴
ベースとなる42mmのケースにはお馴染みのマットブラックの「バイオセラミック(Bioceramic)」が採用され、これがゴールド文字盤との美しいコントラストを描くこととなり、ストラップには従来のベルクロ(マジックテープ)ではなくゴールドのロゴと裏地(月の表面を模したテクスチャ)が施された特別なブラックラバーストラップが奢られることで装着感と高級感が大幅に向上しています。

Image:swatch
【スペック表】MISSION TO THE MOON 1969
| 項目 | 仕様・詳細 |
| 型番(リファレンス) | SSX01B700 |
| ケース素材 | マットブラック バイオセラミック(Bioceramic) |
| ケースサイズ | 直径:42.00 mm / 厚さ:13.25 mm |
| ゴールド使用部位 | 文字盤、針、リューズ、プッシュボタン(18K ムーンシャインゴールド) |
| ゴールド重量 | 11グラム(1960〜70年代のオメガ純正パーツを再溶解) |
| ムーブメント | クオーツ(クロノグラフ機能付き) |
| 防水性能 | 3気圧防水 |
| ストラップ | ゴールドプリント・ゴールドライニング付き ブラックラバーストラップ |
| ケースバック仕様 | 着陸日(1969年7月21日)と宇宙飛行士の足跡が刻まれたゴールドの月 |
| 限定数量 | 世界限定 1,969本(すべてシリアルナンバー入り) |
| メーカー希望小売価格 | 102,300円(500スイスフラン) |

Image:swatch
転売ヤーを阻止する「ESTA」という超難関の試験
これほどの条件が揃った限定モデルとなれば、当然世界中のバイヤーやコレクターが殺到することになり、しかし今回の販売方法は「先着順」でも「単純なボタン一発の抽選」でもなく、スウォッチは独自の電子申請システム「ESTA(Electronic Swatch Timepiece Application)」を導入することに。
ちなみにこれは米国が導入する電子渡航認証システム「ESTA(Electronic System for Travel Authorization)」へのオマージュというかパロディで、この中に用意される32個の質問もまた(米国の)ESTAを連想させるもの。
よって、購入を希望するユーザーはアポロ11号や月面着陸の歴史、両ブランドに関する全32問の超ロングなクイズや質問に回答しなければならず(1969年当時のプレミアムな金無垢スピードマスターに関する設問も)、一部自由回答では「愛」を語る必要がある場面も出現します。
これにら正しく合格した熱狂的なファンだけが、購入の権利を得られる仕組みにとなっていて、この試みは「本当に時計を愛するファンに届けるための素晴らしいフィルター」として時計コミュニティでも非常に高く評価されており、いったいどういった人が「当選するのか」、それはネット上で行われる当選報告を待つよりほかはありません。

Image:swatch
結論:手に入れられたら奇跡。時計史に刻まれる「10万円の家宝」
通常のムーンスウォッチ(約4万円)に比べれば、価格は2.5倍ほどに跳ね上がっていますが、しかし1969年のオメガのDNAを宿した18Kゴールドが11グラムも詰まっており、さらに世界にたった1,969本しか存在しないという希少性を考えれば、むしろ安すぎると言わざるを得ないのがこの1本。
スウォッチとオメガが仕掛けたこの「壮大な歴史のロマン」は、単なるお祭り騒ぎを超え、高級時計が持つ「物語の価値」をぼくらに再認識させてくれるもので、もしクイズを勝ち抜き(Chat GPTあるいはGeminiなどのAIに対応させれば全問正解も難しくはない)、このシリアルナンバー入りの「MISSION TO THE MOON 1969」を手にする権利を得たならば、それは現代の金相場以上の「一生モノの価値(ロマン)を腕に巻く」という特権にもつながります。
アポロ11号が月に足跡を残したあの日の興奮が50年以上の時を超えて、今再びぼくらの物欲を激しく刺激しているということになりますが、まずは中央ヨーロッパ夏時間の7月21日23時59分まで受け付けている「ESTA」への応募を行わないことには始まらず、しかし挑戦する価値は十分にある、とも考えています。
合わせて読みたい、スウォッチ関連投稿
-
-
8月に続き9月も登場。「たった1日しか販売されないムーンスウォッチ「ミッション・トゥ・アースフェイズ ムーンシャインゴールド」第二弾、今回はポップコーンがモチーフに
Image:Swatch | スウォッチはあの手この手で「ムーンスウォッチ」を盛り上げる | 今後まだまだ「限定商法」が続くことは間違いなさそう さて、スウォッチが先月の第一作目に続き「MISSION ...
続きを見る
-
-
1965年3月1日、はじめてオメガ・スピードマスターが月へ行く。そしていま60周年を記念しバイオセラミック・ムーンスウォッチ 1965が新発売
Image:Swatch | この「バイオセラミック・ムーンスウォッチ 1965」はシリーズ中でもっともクラシカルな仕様を持っている | さらには「サブダイヤルに特徴あり」 さて、オメガ・スピードマス ...
続きを見る
-
-
バイオセラミック ムーンスウォッチ用「替えストラップ」が限定ながらもオンラインにて販売開始。あの「出っ張り」が気になる人には朗報
Image:Swatch | スウォッチはけっこう細かく消費者の「隠れた要望」へと対応している | このラバーストラップを装着することで「スリムな」ルックスに さて、スウォッチがオメガ・スピードマスタ ...
続きを見る
参照:Swatch











