>ブガッティ

ブガッティ・トゥールビヨンに積まれるV16エンジンの「超絶レスポンス」爆音POV動画が話題に。さらには同社CEOが率いるブガッティ軍団が目撃される

ブガッティ・トゥールビヨンのメーターと走行風景

| 超大排気量V16がスーパーバイクのエンジンのように吹き上がる奇跡 |

この排気量とシリンダー数にして「恐るべきレスポンス」である

米国ペブルビーチにて、ブガッティの最新ハイパーカー「トゥールビヨン エキップ・ピュール・サン(Tourbillon Équipe Pur Sang)」の運転席(POV)から撮影された衝撃的な映像が話題を呼ぶことに。

巨大な8.3リットルV16自然吸気エンジンを搭載しているにもかかわらず、アクセルを踏み込んだ瞬間のエンジンレスポンスはまさに「スーパーバイク」のそれ。

超大排気量マルチシリンダー特有の重厚な回転フィールを予想させつつも、実際には排気量の小さく高回転型なパフォーマンスエンジンのごとく一瞬で吹け上がるレスポンスの鋭さを見せており、サウンドのみならず、そのレスポンスが注目を集めているというわけですね。

先日もブガッティCEOであるメイト・リマック(Mate Rimac)氏自らがトゥールビヨン エキップ・ピュール・サン仕様を駆り、エンジンを空ぶかしして楽しむ動画が共有されたばかりですが、今回のPOV動画ではドライバーのすぐ背後で咆哮を上げるV16のダイナミックなレスポンスがより克明に収められています。

この記事の要約

  • 巨大な8.3L NA V16が異次元の吹き上がり:ペブルビーチで撮影されたドライバー目線のPOV動画にて、8.3リットルV16自然吸気エンジンが”大排気量とは思えない”驚異的なレスポンスで高回転まで一気に吹き上がる様子が捉えられる※エキップ・ピュール・サン(Équipe Pur Sang)」仕様
  • CEO自らステアリングを握り走行する:ブガッティCEOのメイト・リマック氏自らが先導し、警察にエスコートされるブガッティのコンボイも目撃される
  • 1,800馬力のモンスターに約3,600万円の特別オプション:3基のモーターと組み合わせシステム出力1,800馬力を発揮。専用8本出しマフラーなどを備える「エキップ・ピュール・サン」パッケージの価格は約240,000ドル(約3,600万円)と報じられている

ブガッティ・トゥールビヨンの概要とスペック

ブガッティ・トゥールビヨンは、長年採用されてきたW16クワッドターボに別れを告げ、コスワースと共同開発した完全新設計の8.3リットルV16自然吸気エンジンを搭載していますが、これにフロント2基・リア1基の計3基の電気モーターを組み合わせることにより、システム総合出力が1,800馬力にも達します。

今回POV動画が撮影された個体に装着されていた「エキップ・ピュール・サン(Équipe Pur Sang:純血チーム)」パッケージは、ブガッティのレーシング伝統に敬意を表した特別仕様で、エクステリアの専用刻印や調整可能なスモールリヤウイング、そして最大の特徴である「8本出し」エキゾーストチップなど標準モデルを上回るアグレッシブな造形が与えられており、オプション価格はリーク情報によれば約240,000ドル(約3,600万円)。

項目スペック・詳細
エンジン8.3L V16 自然吸気(NA)
モーターフロント2基+リア1基(計3基)
最高出力1,800 hp(エンジン 1,000 hp + モーター 800 hp)
0-100km/h 加速約2.0秒
最高速度445 km/h(スピードキー使用時)
「Équipe Pur Sang」オプション価格約240,000ドル(約3,600万円)
「Équipe Pur Sang」専用装備8本出しマフラー、専用リヤウイング、専用ホイール、外装刻印など
ブガッティが凶悪な「8本出し」テールパイプを持つトゥールビヨン、”エキップ・ピュール・サン”を公開。1920〜1930年代のレーシングカーへのオマージュか
Bugatti
ブガッティが公式に「エキップ・ピュールサン」の仕様を公開。かつてのブガッティ公式レーシングチームのDNAを反映、モータースポーツの歴史を視覚的に表現
ブガッティが公式にトゥールビヨン「エキップ・ピュールサン」の仕様を公開。かつての公式レーシングチームのDNAを反映、モータースポーツの歴史を視覚的に表現

Image:Bugatti | 物理的な構造も変更され、その「特別感」は折り紙付き | そしておそらく、このレキップ・ピュールサン装着車両の価値は長期にわたり「非常に高いレベルで」推移するだろう さて ...

続きを見る

なぜ大排気量8.3L V16がスーパーバイクのように吹け上がるのか?

巨大なエンジンのピストンやクランクシャフトは質量が大きいため、通常は回転上昇(吹け上がり)が重くなるのが機械的な常識で、にもかかわらずトゥールビヨンがレーシングバイク並みの鋭いレスポンスを実現できている背景には、いくつかの技術的革新が存在します。

  • 自然吸気(NA)への回帰:先代シロンまでのターボチャージャーを廃したことで、ターボラグ(過給遅れ)が一切存在せず、アクセル開度に対してダイレクトにスロットルが反応する(NA専用設計)
  • 軽量化と超高回転設計:エンジン内部の可動部品に最新のチタン材や軽量合金を採用。最高回転数は9,000rpmという超高回転仕様に仕上がっている。さらに内部の摩擦抵抗を極限まで取り去っているのだと思われる
  • 電気モーターのトルクアシスト:超低回転域や踏み込みの瞬間にエレクトリックモーターが即座にトルクを補填(トルクベクタリング/トルクフィリング)することで、エンジン単体のレスポンスを視覚的・感覚的にさらに鋭く感じさせている可能性

機械式の超複雑なアナログ時計(トゥールビヨン)から名付けられた通り、内燃機関の頂点とも言えるこのV16ユニットは、電動化時代における「走る芸術品」としての存在感を放っていますが、この職人が組み立てるという「機械式」タコメーターの動きも圧巻だと思います。

【デジタルへの反逆】ブガッティ「トゥールビヨン」のアナログメーターはこうやって作られる。スイス製高級時計の技を注いだ「走る工芸品」の全貌【動画】
Life in the FAST LANE
【デジタルへの反逆】ブガッティ「トゥールビヨン」のアナログメーターはこうやって作られる。スイス製高級時計の技を注いだ「走る工芸品」の全貌【動画】
【デジタルへの反逆】ブガッティ「トゥールビヨン」のアナログメーターはこうやって作られる。スイス製高級時計の技を注いだ「走る工芸品」の全貌【動画】

| ブガッティは「100年以上」輝きを失わないために「あえて」アナログを選んでいる | 現代のスーパーカーが液晶画面の多機能さを競う中、ブガッティの最新ハイパーカー「トゥールビヨン」があえて「アナログ ...

続きを見る

総額数十億円。白バイにエスコートされた伝説的なブガッティのコンボイが目撃される

そしてもうひとつの「SNS上で瞬く間に拡散され、世界中のハイパーカーファンを騒がせている一つの動画」がこの「警察の白バイ(オートバイ部隊)による厳重な警護のもと、10台以上のブガッティが街を優雅かつ力強く巡航するコンボイ(車列)の姿」。

この特別な車列は、先日閉幕した世界最高峰の自動車イベント「モントレー・カー・ウィーク(Monterey Car Week)」の会場付近で目撃されたものだといい、車列には「ヴェイロン(Veyron)」「シロン(Chiron)」、そしてW16エンジン時代の最後を飾るロードスター「ミストラル(Mistral)」など、自動車史に刻まれる名車たちがズラリと名を連ねています。

そして何より観客の視線を釘付けにしたのは、この豪華な隊列の「先頭」と「最後尾」を飾る特別なマシン、そしてそのドライバーたち。

先頭はCEO率いる「トゥールビヨン」、最後尾はデザイン責任者のワンオフ「ヴェイロン」

先頭車:メイト・リマックCEOが駆る「トゥールビヨン エキップ・ピュール・サン」

車列の先頭に君臨するのは、新世代のフラッグシップ「トゥールビヨン」で、ステアリングホイールを握るのは、ブガッティのCEOであるメイト・リマック(Mate Rimac)氏その人です。

この車両には、標準のトゥールビヨンにさらなる特別感を与える「エキップ・ピュール・サン(Équipe Pur Sang)」パッケージが組み込まれているようで(上のPOV動画の個体と同一と見られる)、特にリアエンドから覗く「8本出し」のエキゾーストシステムは一目でこのパッケージと判別できる圧倒的な存在感を放つことに。

最後尾:デザイン最高責任者フランク・ハイル氏の愛車「Veyron Le Directeur」

この超豪華な車列の殿(しんがり)を務めたのは、ブガッティのデザイン最高責任者であるフランク・ハイル(Frank Heyl)氏のビスポーク(完全オーダーメイド)仕上げを持つ「ヴェイロン」。

フランク氏自身がカスタマイズを手掛けたこのワンオフ車両は、心安らぐ深みのあるメタリックグリーンを纏っており、2011年に発表され伝説となった陶磁器ブランドとのコラボモデル「L'Or Blanc(ロル・ブラン)」にインスパイアされた繊細なグラフィックワークが施され、車列の最後を優美に締めくくることとなっています。

トップ自らがハンドルを握るブガッティの新時代

自動車メーカーのCEOが自社の世界初公開レベルのハイパーカーに乗り、公道を一般ファンや警察と共に走るという光景は、従来の超高級車ブランドでは極めて異例のことで、しかしこの背景にはCEOであるメイト・リマック氏のパーソナリティ、そして新時代を迎えたブガッティの戦略があるものと考えられ・・・。

  • 既存の価値観にとらわれないメイト・リマックのキャラクター:リマック氏は元々、電動ハイパーカー「Rimac Nevera」を作り上げたEVのパイオニア。その彼がブガッティのトップに就任した際、あえて時代の逆を行く「自然吸気V12/V16エンジン」の価値を見抜き、トゥールビヨンのV16 NA+ハイブリッドというパワートレインを主導するなど、「誰も思いつかないような」方法を考える
  • オーナーやファンとの圧倒的な距離の近さ:モントレー・カー・ウィークのようなイベントで自らハンドルを握り、SNSでその様子が拡散されることを楽しむオープンな姿勢は、新時代のハイパーカーブランドとして世界中の若者やコレクターから絶大な支持を集めている
  • ブガッティという「会社」、そして「オーナー」との関係性:ブガッティはそのオーナーを「家族」として捉え、同じ視線をもって活動することで「オーナーとともに」歩む戦略
「10年前は誰も知らなかった」リマック。なぜそれが今ではブガッティを傘下に納め、EV業界のキープレイヤーへと発展したのか
「10年前は誰も知らなかった」リマック。なぜそれが今ではブガッティを傘下に納め、EV業界のキープレイヤーへと発展したのか

Image:Rimac | 10年前はまったくの無名だったリマック | なぜリマックがここまで高く評価されるのか 10年前、クロアチアの自動車メーカー「リマック(Rimac)」を知っていた人はほとんど ...

続きを見る

白バイ隊員に先導されながら、CEO自らがエキゾーストノートを響かせて街を走るというパフォーマンスは、単なる「A地点からB地点への」移動ではなく、ブガッティというブランドが持つ「走るアート作品」としての世界観を完璧に表現した一幕と言えそうです。

【意外すぎる愛車】ブガッティCEOメイト・リマックが自分のクルマとして新たに選んだのはゴルフR32。将来のレストモッド計画も示唆
【意外すぎる愛車】ブガッティCEOメイト・リマックが自分のクルマとして新たに選んだのはゴルフR32。将来のレストモッド計画も示唆

Image:Mate Rimac(Instagram) | 「CEOの愛車がコレ!?」ハイパーカーブランドのトップが乗るのはVWゴルフR32 | メイト・リマック氏のキャリアは「改造」とともに始まって ...

続きを見る

結論

環境規制や電動化の波により、世界中の自動車メーカーがエンジンのダウンサイジングを進める中、ブガッティはあえて8.3リッターの巨大なV16自然吸気エンジンを新開発するという挑戦を選んでいます。

スーパーバイクのように一瞬で吹け上がる圧倒的なレスポンス、そして脳がとろけるかのような官能的なNAサウンド、さらに「8本出しマフラー」という常識破りのエキップ・ピュール・サン仕様。

デジタル化が進む現代だからこそ、五感を揺さぶる機械美と圧倒的パフォーマンスを備えるトゥールビヨンが「世界中のスーパーカーファンを魅了した」のが今回の一連の動画であり、納車が進めば「驚きの仕様を持つ」トゥールビヨンがまたもやネット上を騒がせることになるのかもしれません。

ブガッティ・トゥールビヨン(サイド)
ブガッティ・トゥールビヨンはいかにして「芸術作品」へと昇華させられるのか?これまでの自動車産業の常識を書き換える「オートモーティブ・クチュール」とは【動画】

| ブガッティ・トゥールビヨンは「100年後もその輝きを保ち続ける」ことを前提に製造される | 究極の一台を求めるオーナーへ。ブガッティが到達した「個別の美学」 世界最高のハイパーカーブランド、ブガッ ...

続きを見る

合わせて読みたい、ブガッティ関連投稿

ブガッティが凶悪な「8本出し」テールパイプを持つトゥールビヨン、”エキップ・ピュール・サン”を公開。1920〜1930年代のレーシングカーへのオマージュか
ブガッティが凶悪な「8本出し」テールパイプを持つトゥールビヨン、”エキップ・ピュール・サン”を公開。1920〜1930年代のレーシングカーへのオマージュか

Image:Bugatti | この「ピュール・サン」は「純血」を意味し、由緒ある仕様なのだと思われる | どうやら1920年代〜1930年代に同様のテールパイプを持つブガッティのレーシングカーが存在 ...

続きを見る

ブガッティ・トゥールビヨンはもともと「W16」の予定だった。ただしコスワースの「W16は高回転自然吸気に向きません。V16で行きましょう」の一声でV16に決定【動画】
ブガッティ・トゥールビヨンはもともと「W16」の予定だった。ただしコスワースの「W16は高回転自然吸気に向きません。V16で行きましょう」の一声でV16に決定【動画】

Bugatti | 結果的にこのV16エンジンはブガッティにとって「正解」であったのだと思われる | そしてこのV16エンジンはほかのどの自動車メーカーであっても真似はできないであろう さて、ブガッテ ...

続きを見る

ブガッティ トゥールビヨンのリア
ブガッティ・トゥールビヨンはなぜターボを使用せずV16自然吸気+ハイブリッドを採用?その真意とは

ブガッティ、伝統のW16ターボから脱却。選んだのは「V16自然吸気×ハイブリッド」 ブガッティ・リマックCEO「ターボは有効な解決策ではない」 ブガッティは新型ハイパーカー「Tourbillon(トゥ ...

続きを見る

参照:jeromedesadeleer, lexsirs, scootsupercars

->ブガッティ
-, , , , ,