
| ブガッティ・トゥールビヨンは「100年後もその輝きを保ち続ける」ことを前提に製造される |
究極の一台を求めるオーナーへ。ブガッティが到達した「個別の美学」
世界最高のハイパーカーブランド、ブガッティ。
彼らが新たに世に送り出した「トゥールビヨン(Tourbillon)」はハイパーカーとしての最高速を競うフェーズを終え、「芸術作品」の領域へと足を踏み入れています。
今回新しく公開されたドキュメンタリーシリーズ「A New Era」最新エピソードでは、ブガッティのCMF(カラー、マテリアル、フィニッシュ)チームがどのようにして顧客の夢を形にする「オートモーティブ・クチュール(自動車の仕立て)」を実現しているかが明かされており、ここでその内容を見てみましょう。
この記事の要約(ポイント)
- 「オートモーティブ・クチュール」という新概念: 限界のないカスタマイズを追求
- 京都の伝統工芸を採用: 日本の和紙と金属糸を用いたハンドメイド織物が内装に
- 本物の素材へのこだわり: 本革、アルミ、本物の「クリスタルガラス」のみを使用
- ファッション業界との融合: 高級メゾン御用達のメーカーと提携し、未だかつてない素材を開発

Image:Bugatti
ブガッティのCMF(カラー、マテリアル、フィニッシュ)とは?
ブガッティにおけるCMFとは、クルマの内装や外装における「視覚」と「触覚」のすべてを決定する重要なプロセスで、デザインの一部を超越した「究極の野心の現れ」。
モルスハイム(ブガッティ本社)のアトリエとベルリンのデザインスタジオでは、サビーヌ・コンソリーニ氏率いるCMFチームが「塗料へのダイヤモンドの混入から、顧客一人ひとりのためだけに開発される専用のテキスタイルまで」あらゆる「不可能」を「可能」へと変えるべき、日夜挑戦を繰り返しています。

Image:Bugatti
車種概要、性能・デザイン・スペックなどの特徴
トゥールビヨンの最大の特徴は、デジタル化が進む現代において、あえて「アナログの極致」を目指した点にあり、その理由は「100年後も輝き続けることを目的としているから。
つまるところ、デジタルを中心とした最新技術を追求すると、すぐにその技術は「更新されて」しまい、しかし高級機械式腕時計に採用される機構「トゥールビヨン」のように、工業製品としてのメカニカルな技術は「時代を超越し」その価値を維持できるという考え方に基づいています。

トゥールビヨン 主要スペック・特徴
| 項目 | 内容 |
| コンセプト | オートモーティブ・クチュール(仕立ての芸術) |
| 主要素材 | 新開発ソフトレザー、削り出しアルミニウム、単体形成ガラス |
| 特筆テキスタイル | 京都産ハンドメイド織物(和紙・金属糸使用)、EBモノグラム織物 |
| 計器類 | スイス時計職人との共同開発によるアナログ・インストルメント・パネル |
| カスタマイズ | パターンの定義から素材開発まで、完全なオーダーメイドが可能 |

「本物」を追求する素材の哲学
ブガッティの哲学は明確で、「目にそう見えているものは、その素材そのものでなくてはならない(フェイクであってはならない)」ということ。
- レザー: 従来よりも圧倒的に柔らかい質感を実現する、新しい鞣し(なめし)工程を採用
- アルミニウム: センターコンソールや操作スイッチ、そして時計の世界にインスパイアされたインストルメントクラスターに採用
- ガラス: センターコンソールには、単一のパーツから成る成形ガラスを使用。透明だけでなく、様々な色彩のシェードを開発

もはや「クルマ」ではない、資産価値としての存在
もちろんパガーニやケーニグセグといった超高級ハイパーカーメーカーも優れたカスタマイズを提供していますが、しかし、ブガッティが今回提示した「京都の伝統工芸」や「ファッション業界のテキスタイル」の導入はこれまでの自動車業界の常識を覆すもの。
特に京都産のハンドメイド織物は、和紙の短冊と金属糸を織り交ぜることで驚くべき奥行きと柔らかさを実現しており、これは装飾にとどまらず、オーナーの文化的な背景や審美眼を反映させる「シュール・ムジュール(特注)」の極みと言えそうです。

Image:Bugatti
自分だけの一台が、歴史の一部になる
ブガッティのデザインディレクター、フランク・へイル氏はこう語り・・・。
「トゥールビヨンは、ブガッティにおけるパーソナライゼーションの意味を一変させました。顧客が自分だけのために作られた何かを携えてスタジオを去る時、それこそがブガッティの真の存在意義となるのです。」

トゥールビヨンは時が経っても色褪せないアナログの美しさ、そして現代の最先端技術、そして世界中の伝統工芸が融合した結晶であり、ハイパーカーという存在を超え、次世代へと受け継がれるべき「文化財」としての価値を纏った存在です。
最近の自動車デザインは、大型ディスプレイを配置する「デジタル重視」に偏りがちで、しかしブガッティはあえて「触感」や「素材の深み」というアナログな価値へと回帰することに。
ぼくらが毎日触れるスマートフォンやパソコンが数年で古くなる一方、トゥールビヨンのように「本物の素材」で作られたものは100年後もその美しさを保ち続けるものと思われますが、つまるところ、これからのプレミアムカー選びは「ステータス」よりも「永遠の美」への投資であるという視点にて行われるようになるのかもしれません。
ブガッティが「オートモビル・クチュール」を紹介する動画はこちら
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参照:Bugatti











