
メイト・リマックがポルシェ911でシロンを追跡した前代未聞の事件
テレメトリーシステムを駆使、さらには「ガソリン満タンで」911を出動させるなど「準備万端」
数億円もの価値を誇るハイパーカーにキーを挿したまま放置したらどうなるのか?
ブガッティ・リマック(Bugatti Rimac)のCEOであるメイト・リマック(Mate Rimac)氏が、まさに映画のような実話を自ら体験することとなり、クロアチアにある同社の施設から、同氏の愛車であるブガッティ「シロン(Chiron)」が白昼堂々と盗み出されるという前代未聞の盗難事件が発生したことが明らかに。
ここでは同氏が語る、「事件の発覚から、ポルシェ911に飛び乗って追跡を開始した自身の行動、そして最新のテレメトリー技術が果たした役割」に至るまで、この衝撃的なエピソードについて見てみましょう。
この記事の要約
- ブガッティ・リマックCEOであるメイト・リマック氏の愛車「シロン」が、クロアチアの同社敷地内から何者かに持ち去られる盗難事件が発生
- 車内にキーを放置する習慣を突かれたものの、シロンの「リアルタイム・テレメトリーシステム」を活用して犯人の位置や速度を追跡
- リマック氏自らガソリン満タンのポルシェ911で出撃し、国境を越えた大追跡の末、オーストリア警察の手によって犯人が逮捕される
ブガッティCEOが所有するシロン盗難劇の概要
事件の舞台となったのは、クロアチア・ザグレブ近郊にあるリマック・キャンパス(本社工場)。
リマックCEOは、従業員がテストや移動をスムーズに行えるよう、普段から車内にキーを置きっぱなしにする運用を長年続けていたそうですが、「求人に応募する」目的にて施設内に立ち入った地元の男(36歳)が「キーが挿さったままのシロン」を発見し、誘惑に耐えかねた男がそのままシロンに乗り込み、アクセルを踏み込んで走り去ってしまったというのが事の発端です。
従業員が社内のグループチャットで「誰かシロンを乗っていった?」と確認したことで盗難が発覚したといい、警察へと即座に通報するとともに、リマックCEO自らによる大追跡劇がスタートしたというわけですね。
追跡劇のメカニズム
(盗難がわかるまで)約1時間のハンディキャップを負ったリマックCEOではありますが、手元にあったのは「ガソリン満タンのポルシェ911と、ブガッティが誇る先進のテレメトリーシステム」。
ブガッティのテレメトリー(遠隔通信)機能は、車両の現在位置、走行速度、残燃料、エンジンの状態などをリアルタイムで本部に送信し続ける高度な追跡装置としても機能するもので、グループチャットを介して警察へ位置情報が共有され、これにより逃走経路が克明に割り出されることとなります。
犯人はクロアチアを脱出し、スロベニアを経てオーストリアへと国境を越えて逃走したそうですが、8.0L W16クアッドターボエンジンの強烈な燃料消費により途中で給油(しかも無銭飲食ならぬ無銭給油)を挟んだものの、リアルタイムデータを受け取っていたオーストリア警察によって御用となった、というのが結末です。
なお、今回盗難に遭ったブガッティ シロンの主要スペックおよび事件のタイムラインは以下の通り。
| 項目 | 詳細・スペック |
| 対象車両 | ブガッティ シロン(メイト・リマック氏の個人所有車) |
| パワートレイン | 8.0L W16 クアッドターボエンジン(最高出力1,500 PS) |
| 追跡に使用された車両 | ポルシェ 911(ガソリン満タン状態) |
| 追跡ルート | クロアチア(発生) → スロベニア → オーストリア(身柄確保) |
| キーテクノロジー | リアルタイム・テレメトリーシステム(遠隔位置・速度・燃料監視) |
| 被害状況 | フロントバンパーに軽微な傷(全損等の事故は回避) |
競合比較・市場での位置付け
ハイパーカーにおけるコネクテッド技術や盗難対策は「一般的な乗用車とは一線を画する高度なシステム」が構築されている場合がほとんどで・・・。
| ブランド / 車種 | 盗難対策・セキュリティ技術の特徴 |
| ブガッティ(シロン / トゥールビヨン) | 本国エンジニアがリアルタイムで車体データを常時監視する高度テレメトリー |
| コネクテッド標準高級車 | スマホアプリによる位置検索やドアロック遠隔操作、エンジン遮断など |
| 旧世代スーパーカー | イモビライザーや社外製GPSトラッカー依存(追跡性能に限界あり) |
今回の事件では、遠隔でのエンジン停止(イモビライザー操作)機能こそ作動させなかったものの、ブガッティのテレメトリーが巨大な「超高額追跡装置」として完璧に機能したことで、3カ国に及ぶ広域逃走劇をわずか数時間で終わらせる決定打となったというわけですね。
補足情報
事態の結末やリマックCEOの対応からは、同氏の人柄や今後のセキュリティ体制に関する興味深い事実が判明しています。
- フロントバンパーの軽微な損傷とCEOの神対応:追跡劇の最中にシロンはフロントバンパーを少し擦る損害を受けたものの、リマック氏は「怪我人が出なかっただけで十分だ」とコメント。犯人の厳しい境遇を知り個人として被害届を出さない意向を示しており、しかし盗難罪は公訴対象のため刑事手続きが進められている
- 「キーの挿しっぱなし」運用の即座廃止:これまで「クロアチアは非常に安全だから」とキーを放置していたリマック氏ではあるが、流石に今回の事件を受けて「二度と車内にキーを放置しない」と管理体制の変更を宣言
- 監視カメラに映ったあっけない瞬間:公開された防犯カメラ映像には、タバコを吸いながら敷地内を徘徊していた男が、偶然鍵を見つけてそのまま走り去るという驚くほど「自然かつ偶然」な盗難の瞬間が収められている
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結論
ブガッティCEOの愛車シロンが盗難に遭い、ポルシェ911で追跡したという今回の事件は、まるでハリウッド映画のような大騒動となっており、しかし1,500馬力のモンスターマシンが大事故を起こすことなく無事に回収されたことはまさに「奇跡的(最悪の事態にもなりえた)」。
ブガッティの誇るテレメトリー技術の真価が図らずも実証された、歴史に残る前代未聞のハプニングと言えそうですね。
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参照:materimac(Instagram)











