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| 物理的な構造も変更され、その「特別感」は折り紙付き |
そしておそらく、このレキップ・ピュールサン装着車両の価値は長期にわたり「非常に高いレベルで」推移するだろう
さて、先般よりネット上で話題となっていたトゥールビヨンの特別仕様「エキップ・ピュールサン」につき、ついにブガッティがその詳細を「公式」として公開することに。
まず、エキップ・ピュールサンに関し、ブガッティは以下のように説明しています。
「ブガッティの歴史的本拠地モルスハイムと世界中のブガッティパートナーのもとで、最初のトゥールビヨンの顧客が、特別な1対1のカスタマイズセッションを通じ、自身のハイパースポーツカーに個性を刻み始めています。」
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エキップ・ピュールサンは「ブガッティのモータースポーツの歴史を視覚的に強調する仕様」
トゥールビヨンには4つのオプションパターンが存在することが明かされていますが、もちろんそれら以外にも「これまでにないほどの」カスタマイズオプションが用意され、エキップ・ピュールサンもそのうちのひとつ。
そしてブガッティはエキップ・ピュールサンを「トゥールビヨンの比類なきパフォーマンスとブガッティのモータースポーツの歴史を視覚的に強調する仕様」だと表現しています。
「ブガッティの新時代ごとに、私たちは伝統を尊重しつつ、可能性の限界を押し広げることを目指しています。トゥールビヨンは、自然吸気エンジンと電動化の前例のない融合を実現した、まさに"永遠のハイパースポーツカー"です。エキップ・ピュールサンにより、その外観をサーキット仕様へと昇華させ、ブガッティの100年以上にわたる純粋なレーシングスピリットを体現することができます。」
ヘンドリック・マリノフスキー (ブガッティ マネージングディレクター)
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ブガッティ・トゥールビヨンには4つの「基本パターン」が存在。公式コンフィギュレーターからブガッティらしい「シグネチャー」スペックが流出
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この「エキップ・ピュールサン」は英語で「サラブレッド・チーム」を意味し、ブガッティの伝説的なレーシング部門の名に由来するそうで、(フェラーリでいう”スクーデリア・フェラーリ”のようなものだと思われる)実際にこの部門は数々の勝利を収め、ブガッティの名声を確立するために多大なる貢献を行ってきたとのこと。
よってエキップ・ピュールサンは「ラグジュアリー」ではなく「モータースポーツ」を意識したオプションだと解釈でき、なおかつ「ブガッティの伝統」を反映させることに主眼が置かれているため、顧客側の提案による自由度が制限されるのかもしれません。
その一方、ブガッティ自らがそのモータースポーツにおけるDNAを再現するという意味においては「これ以上ない価値」を誇る可能性が高く、これを選ぶオーナーも少なくないのかもしれませんね。
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エキップ・ピュールサンでは、トゥールビヨンの卓越したハンドリングとパフォーマンスを際立たせる一連の特別なデザイン要素が導入されていますが、その概要は以下の通り。
- 専用フロントスプリッターと特別設計のリアウイング(小型エンドプレート付き)によって空力効率を向上
- カーボンファイバー製エンジンカバーインレイを備えたリアセクションには、特注の8本出しエキゾーストシステムと専用リアディフューザーを装備。これにより空力性能がさらに向上し、ダウンフォースを強化すると同時に、よりアグレッシブな外観を演出
- 新開発のディレクショナルホイールが追加され、パフォーマンスとデザインの両面で重要な役割を果たすことに。ホイールはフロント20インチ、リア21インチの異径仕様で、左右非対称デザインが採用され、細く長いスポークがリムの存在感を高めるとともに、リアラジエーターへのエアフローを最大8%向上させて冷却性能を強化
なお、「ブガッティのモータースポーツにおける歴史」はインテリアにも反映され、ダッシュボードとシートのヘッドレストには特別な刺繍が施され、ブガッティのレーシングヘリテージと結びつけられているそうですが、そのほかの仕様は以下の通り。
- ブラックポリッシュ仕上げのインテリアトリムとミディアムカーボンファイバーインテリアパッケージを採用し、ラグジュアリーとパフォーマンスを両立
- パフォーマンスシート(高Gコーナリング時の横方向サポートを強化したシート)を標準装備
- フルアルカンターラ仕上げのキャビンが、スポーティさと洗練された雰囲気を融合
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今回の「エキップ・ピュールサン」の公開にあわせ、ブガッティはそのパーソナリゼーションについて追加での情報をリリースしていて、インテリアだと「メーター」のカスタマイズができるほか、以下の新要素が盛り込まれたのだそう。
- 23種類の新しいエクステリアカラー
- 20種類の新レザーオプション
- 10種類の新アルカンターラオプション
- 7種類の新カーペットカラー
「これらカスタマイズ体験は、他のどの自動車メーカーとも異なります。お客様はブガッティファミリーの一員として迎えられ、115年にわたるブガッティの歴史や技術を熟知したデザイナーや専門家とともに、自分だけのトゥールビヨンを作り上げることができるのです。」
ヘンドリック・マリノフスキー (ブガッティ マネージングディレクター)
ただ、エキップ・ピュールサング仕様であろうとそうでなくとも、固有の仕様を持とうが持つまいが、トゥールビヨンは自動車史における革命的なモデルであることは間違いなく、「V16」という孤高のエンジンを持ち、ハイブリッドシステムとあわせて1,800馬力という圧倒的な出力を発生させつつ、一方では「ノンハイブリッド」であったシロンに比較し軽量化が図られています。
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その核となるのはT800カーボンコンポジット製シャシー、バッテリーを統合したシャシー構造やモータースポーツ由来のクラッシュコンポジットリアディフューザーなどの最先端技術にあるといい、同社が「ブガッティが100年以上にわたり培ってきた技術の結晶であって、単なる現在や未来のためのクルマではなく、”永遠に続く存在”(Pour l'Éternité) として設計されている」とコメントしていること、380万ユーロ(現在の為替レートにて約7億円)という価格にも納得ができようというものですね。
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参照:Bugatti