
| もしこれがガソリンエンジンを積んで発売されたなら、アキュラのポジションは今と大きく変わることになりそうだ |
ただし方針を変更したホンダなら「ありうるかもしれない」
「ただのデザインスタディ(展示用のコンセプトカー)だから、市販化の期待はしないでほしい」
2026年8月の「モントレー・カー・ウィーク」でアキュラが新型コンセプトクーペ「Nexera Vision(ネクセラ・ビジョン)」を発表した際、当初はこのような説明がなされていましたが、しかし自動車メディア『MotorTrend』の取材に対し、アキュラのデザイン部門トップだけでなく、アメリカホンダのCEOまでもが「市販化への強い意欲」を公言したというのが今回のニュース。
しかも、世界的なEVシフトの中で「あえてエンジンを積みたい」という驚きの本音まで飛び出しており、かつての名車NSXの影、そしてブランド再編を進めるアキュラの最新戦略とともに、「Nexera」市販化へのリアルな可能性について考えてみましょう。
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アキュラが突如として次世代デザインコンセプト「NEXERA Vision(ネクセラ・ヴィジョン」を公開。デザイナーはマツダ出身、フロントにはAcuraの「A」
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【この記事の要約】
- 「デザインスタディ」から一転、市販化の可能性:モントレー・カー・ウィークで公開されたアキュラ(Acura)の美しき2ドアクーペ「Nexera(ネクセラ)Vision」について、アキュラおよびホンダ経営陣が市販化に前向きな発言を行う
- ホンダ米国CEOがエンジン車(ICE)熱望:アメリカホンダの藤村英二CEOが「個人的には内燃機関(エンジン)を積んで作りたい」と語り、顧客のニーズに応じてハイブリッド(HEV)やEVでの市販化を検討する姿勢を示す
- PHEV撤退とハイブリッド主軸への転換:アキュラは「PHEV(プラグインハイブリッド)は市場で通用しない」として見送り、次世代RDXをはじめとするハイブリッドモデルおよび純ガソリン車を軸にブランド再編を推進中

「スポーツカーを作りたいか?」デザイン最高責任者の答えは「Yes」
アキュラでチーフデザイナーおよびクリエイティブディレクターを務める土田康剛(つちだ やすたけ)氏は、メディアから「このネクセラのようなスポーツカーを実際に市販化したいか?」と問われ、迷うことなく「Yes」と答えたといい、さらに熱くこれについて語ったのがアメリカホンダの社長兼CEOである藤村英二氏。
「個人的には、このクルマをエンジン搭載車(ICE)として実現させたいと思っています。もちろん、最終的にはお客様がエンジン、ハイブリッド、EVのどれを望むか次第ですが、私はこのクルマを作り上げたいのです」
自動車メーカー、とくにホンダの最高幹部がコンセプトカーの市販化やパワートレインの具体的な好みにまで踏み込んで言及するのは極めて異例でもあり、つまりはそれだけ熱意を持つとともに、メディアの力を借りて「世論を動かしたい」と考えているのかもしれませんね。

「PHEVは市場で機能しない」アキュラが下した現実的決断
今回の経営陣の発言の背景には、アキュラが進める大規模なブランド再編戦略があり、オートモビル・ストラテジー担当副社長のギャリー・ロビンソン氏は、「PHEV(プラグインハイブリッド)は現在の市場ではうまくいかない」と断言。
充電の手間や重量増加の割にユーザーメリットが薄いPHEVを避け、通常のストロングハイブリッド(HEV)や純ガソリン車、そして長期的なEVへと注力する方針を明確にしています。
また、ホンダグループ全体でも急進的なEVシフトを一時見直し、一部のEV開発計画を凍結・延期したという経緯があり、こうした動きが「Nexeraに内燃機関を搭載して発売する」という選択肢を現実味のあるものへと押し上げているというわけですね。
NSXの不振というトラウマを乗り越えられるか?
もちろん、市販化へのハードルは決して低くはなく、アキュラ(ホンダ)には、第2世代「NSX」という苦い経験があり、NSXは3モーターハイブリッド(SH-AWD)という画期的な技術を詰め込んだスーパーカーではありましたが、高額な価格設定や競合(フェラーリやポルシェ)とのブランド力勝負に苦戦して十分な販売台数を確保できないまま生産終了となっています。
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現在、クーペ市場全体が縮小傾向にある中、今後3〜4年でブランドイメージの刷新とインセンティブ(値引き)の削減を目指すアキュラにとって、Nexeraの市販化は慎重に利益を計算しなければならない「挑戦」となり、優先順位としては「けして高くない」とも考えられ、もしネクセラを市販化しようとなれば、それは「NSXとして」というエクスキューズが(最低限)必要なのかもしれません(NSXを差し置いて、ホンダ / アキュラがブランニュースポーツカーを発売することはファンからも許されないであろう)。

アキュラ Nexera Vision コンセプト 注目スペック
アキュラが公表した「Nexera Vision Concept」の主要スペックと先進機能をまとめてみると・・・。
| 項目 | 特徴・詳細 |
| ボディタイプ | 2ドア 2シーター ミッドシップ風フラッグシップクーペ |
| ドア機構 | アキュラ史上初の「デュアルヒンジ・バタフライドア」 |
| エクステリア素材 | フォージドカーボン(フロントエアチャンネル、リヤディフューザー等) |
| ホイール/ブレーキ | 22インチ・センターロックホイール + Brembo製カーボンセラミックブレーキ |
| 空力・照明 | アクティブリヤスポイラー + ボディ透過型「ファントムライティング」 |
| 想定パワートレイン | ガソリンターボエンジン(V6等) / ハイブリッド / EV(市販化時検討) |
今後の量産車へ受け継がれる「ファントムライティング」
Nexeraの最も特徴的なデザイン要素が「消灯時はボディパネルと同化し、点灯時のみボディ越しに浮かび上がる”ファントムライティング(Phantom Lighting)”」。
アキュラのブランドマーク「A」をモチーフにしたこの超薄型ヘッドライト&テールランプのシグネチャーは、将来的に登場する量産モデル(まずは次世代RDX ハイブリッド)に順次採用されることが公式に発表されています。

競合比較と市場での位置付け
仮にNexeraが「V6ガソリンターボ」または「V6ハイブリッド」の本格スポーツクーペとして市販化された場合(NSXとしてでも、そうでなくとも)、市場でどのような立ち位置になるのかを考えてみると・・・。
ライバル想定モデルとの比較
- レクサス LC500 / LC500h
- 特徴: V8自然吸気またはV6ハイブリッドを積むラグジュアリークーペ。高級感とGT(グランドツアラー)性能に寄ったキャラクター
- Nexeraの位置付け: より軽量でスパルタンな乗り味、ミッドシップカーのようなアグレッシブな空力デザインで「走りの純粋さ」をアピール
- 日産 GT-R(次世代/R36)
- 特徴: 日本を代表するハイパフォーマンスAWDスポーツ
- Nexeraの位置付け: アキュラ伝統の高度なトルクベクタリング技術(SH-AWD)を進化させ、ガソリンエンジンの官能性と全天候型の圧倒的な速さを両立
- シボレー コルベット(C8)
- 特徴: ミッドシップレイアウトを採用し、圧倒的なコスパを誇る米国のスーパースポーツ
- Nexeraの位置付け: コルベットに対抗しうる、北米アキュラブランドの新たなフラッグシップアイコン

アキュラ40周年の歴史とスポーツカーの系譜
アキュラは1986年にホンダが北米で設立したプレミアムブランドであり、2026年はブランド設立40周年という重要な節目の年です。
- 初代NSX(1990年)
- オールアルミモノコックボディとV6 VTECエンジンを搭載し「日常で乗れるスーパーカー」として世界に衝撃を与えた伝説のモデル
- インテグラ Type R / RSX
- 高回転型NAエンジンと軽量ボディで北米の走り屋やチューニングカーカルチャーを牽引したスポーツコンパクト
- 2代目NSX(2016年)
- V6ツインターボ+3モーターSH-AWDを搭載した先進の電動スーパースポーツ。
Nexera(ネクセラ)という名称は、まさに「Next Era(次の時代)」を意味しており、40周年の節目に「次の40年を引っ張るスポーツカーの象徴」として考案されていて、それだけに「単なるコンセプトカー」で終わってほしくないというところでもありますね。

結論
当初は「単なるデザインの提示」として発表されたアキュラ Nexera Vision。
しかしその美しすぎるスタイリング、そしてホンダ・アキュラ経営陣の「エンジンを積んだ本物のスポーツカーとして市販化したい」という熱い情熱により、実現への期待が一気に高まったというのが現在地。
純粋なガソリンエンジンや高効率ハイブリッドのサウンドを響かせるリアルスポーツクーペとして、数年後にショールームに並ぶ日が来るのかどうか——アキュラとホンダの次なる一手に世界中の注目が集まっているというところだと思います。
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参照:MotorTrend, Acura











