
これまでのフェラーリ F50の落札記録を「大きく超える」1,700万ドルでの落札に
残念ながら予想の「2,000万ドル」には届かず
フェラーリ(Ferrari)の創立50周年を記念して誕生した伝説のスペチアーレ「F50」。
世界中のコレクターが喉から手が出るほど欲しがるこの歴史的スーパーカーが”オークション史上に残る大記録”を打ち立てたというのが今回のニュース。
今回ブロード・アロー(Broad Arrow)が主催したオークションにおいて、製造から約30年が経過しているにもかかわらず走行距離がわずか106マイル(約170km)という極上の1997年式フェラーリ F50が出品され、これまでの同モデルの落札価格を大きく塗り替える1,700万ドル(約27億円)という驚愕の金額で落札されることに。※それまでの記録は1,450万7,500ドル
新車同様のコンディションを保つ奇跡の1台の概要そしてF1直系のパワートレイン、落札価格を高騰させた貴重な付属品について詳しく見てゆきましょう。

この記事の要約
- 走行距離わずか106マイル(約170km)の1997年式フェラーリ F50が、ブロード・アロー・オークションにてF50モデル史上最高額となる1,700万ドル(約27億円)で落札
- 全349台のうち334番目に製造された個体で、王道の「ロッソ・コルサ」のボディカラーに「ネロ」のレザーインテリアを纏い、新車時に近い完璧な状態を維持
- F1マシン由来の4.7L V12自然吸気エンジンと6速マニュアル・トランスミッションを搭載し、脱着式ハードトップやスケドーニ製バッグセット、純正ドライビングシューズなどの貴重な付属品も完備
1,700万ドルで落札されたフェラーリ F50の概要
フェラーリ F50は、1995年から1997年にかけてわずか349台のみが限定生産された、フェラーリのスペチアーレ(特別限定車)シリーズの最高峰モデルです。
今回新記録を打ち立てた個体は、その生産ラインの終盤に位置する「334番目」に製造された一台となり、ボディカラーはフェラーリの象徴である赤「ロッソ・コルサ(Rosso Corsa)」、インテリアには洗練された黒の「ネロ(Nero)」レザーという仕様。
製造されてから約30年もの歳月が流れているにもかかわらず、走行距離は現代のクルマが数ヶ月で走る距離よりもはるかに短い106マイル(約170km)にとどまっており、ほぼ工場出荷状態そのままの奇跡的な保存状態が保たれているのが最大の特徴です。
特徴・スペック・付属品
F50の最大の魅力は、当時のF1マシン(F92A)に搭載されていたエンジンをベースに開発された4.7リッターV12自然吸気エンジン(DOHC 60バルブ)。
最高出力513馬力を発揮し、6速Hパターン・ゲート式マニュアルトランスミッションを介して後輪を駆動しますが、カーボンモノコックシャシーにエンジンをリジッド(直付け)マウントするF1マシンさながらの構造を採用しており、現代のスーパーカーでは味わえないダイレクトなフィーリングと官能的なエキゾーストノートを奏でます。
-
-
公道を走るF1、フェラーリF50はどうやって誕生したのか?「限られたオーナーがF1体験をできること」「ロードカーの絶対的頂点に君臨すること」が目標として掲げられていた
| F50はフェラーリで最後の「マニュアル・トランスミッションを搭載する限定スーパーカー」である | おそらく今後、ここまで「割り切った」スーパーカー/ハイパーカーは登場しないであろう さて、フェラー ...
続きを見る
今回のオークションで落札価格を跳ね上げたもう一つの要因が”奇跡的に揃った純正付属品の数々”で、脱着式の純正ハードトップや専用のフライトケースはもちろん、スケドーニ(Schedoni)製の専用レザーバッグ一式、さらには純正ドライビングシューズや車載工具キットに至るまで、新車納車時のすべてが完品状態で保管されている、と説明されています。
今回過去最高額を記録したフェラーリ F50の主なスペックおよび車両情報のまとめは以下の通り。
| 項目 | 詳細・スペック |
| モデル名 | フェラーリ F50(Ferrari F50 / 1997年式) |
| 生産台数 / シリアル | 限定349台中の334番目(334th of 349) |
| 走行距離 | 106 マイル(約 170 km) |
| パワートレイン | 4.7L V12 自然吸気(F1エンジン直系) |
| 最高出力 | 513 hp(約 520 PS) |
| トランスミッション | 6速 ゲート式マニュアル(6MT) / RWD |
| 内外装カラー | 外装:ロッソ・コルサ / 内装:ネロ・レザー |
| 主な付属品 | 脱着式ハードトップ、フライトケース、スケドーニ製バッグセット、純正シューズ、工具セット |
| 落札価格 | 1,700 万ドル(約 26 億円 / モデル史上最高額記録) |
競合比較・市場での位置付け
フェラーリの歴代スペチアーレ(F40、F50、エンツォ、ラ フェラーリなど)の中でも、F50のコレクターズアイテムとしての価値は近年特に急上昇していて・・・。
| モデル / 世代 | パワートレイン / 特徴 | クラシック市場における評価・動向 |
| フェラーリ F40 | 2.9L V8 ツインターボ(1,311台生産) | アナログ・スーパースポーツの金字塔。流通数が比較的多く、価格帯は安定 |
| フェラーリ エンツォ | 6.0L V12 NA(399台生産) | 先端技術が投入された新世代V12。高い価値を維持 |
| フェラーリ F50 | 4.7L V12 NA + 6MT(349台生産) | 「F1エンジン ✕ マニュアル ✕ 349台の稀少性」により価値が暴騰中 |
前世代のF40がV8ツインターボであったのに対し、F50は「公道を走るF1」のコンセプトのもと、自然吸気V12エンジンと3ペダルマニュアルトランスミッションを組み合わせた最後のスペチアーレ。
そこへわずか349台という限定台数の少なさも相まって、オークション市場では極めて希少価値の高い存在となっているというわけですね。

-
-
フェラーリが288GTO、F40、F50、エンツォフェラーリ、ラフェラーリ、F80「ビッグシックス」の初期デザインスケッチを公開。市販車ではどう変わったのか
| フェラーリのスーパーカーは文字通り「伝統と革新」の象徴であり、その時代においての「フェラーリ」を体現している | そしてフェラーリのスペシャルモデルは「全て並べてみて」はじめてその考え方を理解でき ...
続きを見る
補足情報
今回のF50の記録的落札は、単なる1台の車の売買にとどまらず、クラシック・スーパーカー市場における重要な示唆を含んでいて・・・。
- 「極小走行距離」と「完備された付属品」が持つ圧倒的プレミアム:単に走行距離が少ないだけでなく、スケドーニ製のバッグや純正シューズといった当時のオプション・付属品が一つも欠けずに揃っている点が「コレクターにとっての価値」を決定づける
- マニュアル transmission(3ペダル)純内燃機関への評価の高まり:ハイブリッド化や自動変速(DCT)が主流となった現代において、F1由来のV12自然吸気エンジンをマニュアルで操るという「純粋なモータースポーツの快感」を体験できるクルマへの需要が世界中で高まっている
- F50の市場評価の歴史的逆転:新車発売当時はF40の影に隠れがちだったF50ではあるものの、現在ではその希少性と「F1パワートレイン」という唯一無二性により、スペチアーレの中でもトップクラスの取引価格を誇る存在へと進化を遂げる
結論
走行距離106マイルの1997年式フェラーリ F50が記録した1,700万ドル(約27億円)という落札額は、同モデルの歴史へと新たな金字塔を打ち立てるもの。
F1譲りの4.7L V12自然吸気エンジン、手動でシフトを刻むエモーショナルな走り、そしてタイムカプセルから取り出したかのような完璧なコンディションは、まさに世界中の自動車愛好家が夢見る至高のコレクターズアイテムであることを証明しています。
-
-
F50は「宗教的体験」?フェラーリが「世界のフェラーリコレクター」を紹介する新シリーズ動画を公開、第一弾は「レースとのつながり重視派」
| 世界的フェラーリコレクターが語る狂気と至高のガレージとは | この記事の要約 • フェラーリF50こそが「至高」: F1直系エンジンと6速MTが生み出す「宗教的」なドライビング体験 • 驚愕のコレ ...
続きを見る
合わせて読みたい、関連投稿
-
-
フェラーリF50の落札記録が「23億円」へと更新される。イエローのF50がここまでの高額にて落札された「あまりにも特別」な理由とは
Life in the FAST LANE. | 最近は「レッド」以外のフェラーリのほうがオークションにて高額落札となることも | やはりそこは「希少性」が強く関係しているのだと思われる 2026年8 ...
続きを見る
-
-
フェラーリF40が評価額を66%超えて落札。コレクター市場では「ハイブリッド拒絶」、ガソリン車・アナログ車の価値が急上昇する理由とは
Life in the FAST LANE. | 「もう二度と手に入らない」芸術品に対して注目が集まる | 今の時代は「ガソリン車が存続する」と思われていた時代とは全く環境は異なる 電動化やハイブリッ ...
続きを見る
-
-
フェラーリ F40はなぜそれまでの命名法則とは異なる「F40」という名称が採用されたのか?「ジャーナリストがフェラーリ・フォーティではどうでしょう」と言ったから
Life in the FAST LANE. | フェラーリの「命名」とジャーナリストとの関係性は無視できない | フェラーリ F40ははぜそれまでのフェラーリの命名法則とは異なるのか フェラーリ F ...
続きを見る
参照:hagerty(Instagram)











