
このプレリュード タイプRを作るために「丸々1台の」シビック タイプRを分解して使用
あくまでも「ホンダ純正パーツでプレリュード タイプRを作りあげる」ことにこだわる
2023年の発表以来、多くのスポーツカーファンから熱い視線を集めてきた第6世代となる新型「ホンダ・プレリュード」。
流麗なスペシャリティクーペとしての復活は歓喜をもって迎えられたものの、パワートレインがシビック ハイブリッド譲りの200馬力級e:HEVのみと発表された際には「もっと刺激的なパワーが欲しい」という声も聞かれたのもまた事実。
そんなファンの熱狂的な想いを形にしたのが、パーツショップであり人気YouTubeチャンネル「Throtl(スロットル)」で、彼らは出展協力の出光(Idemitsu)とともに、「もしホンダがプレリュード Type Rを作ったらどうなるか?」というシンプルな疑問を突き詰め、至高のワンオフマシンを作り上げることとなっています。
ここで米国ラスベガスで開催のSEMAショーで初披露された「Prelude Type R」について見てみましょう。
この記事の要約
- 人気YouTubeチャンネル「Throtl」が、新型ホンダ・プレリュードにFL5型シビック Type Rのエンジンやトランスミッションを移植した「Prelude Type R」を制作し、SEMAショーにて公開
- 2.0L直列4気筒ターボ(K20C1)エンジン、6速MTだけでなく、バンパーや3本出しマフラー、内装・電装系に至るまでドナー車から流用・緻密にフィッティング
- シビックと同じプラットフォームを採用しているため機械的な適合性は驚くほど高く、「ホンダが本気を出せば実現可能な完成度」として世界中のファンから熱い視線を集めている
カスタムの枠を超えた「Prelude Type R」プロジェクトの概要
「Throtl」の共同創業者であるエヴァン・ベッカーマン(Evan Beckerman)氏らが手掛けたこのプロジェクトは、単に社外パーツを集めて強引に馬力を上げたチューニングカーではなく、コンセプトの核心は「ホンダの純正ファミリー内で完結させること」。
そのため、1台のFL5型シビック Type Rをドナー車両として徹底的にストリップダウンすることにはじまり、心臓部であるエンジンやミッションはもちろん、補機類、電装系、バンパー、リアウイング、内装に至るまでをプレリュードの車体へ移植・一体化させるという、まるでメーカーのプロトタイプ開発のようなアプローチが取られています。
スペックと移植されたシビック Type R(FL5)の主要パーツ一覧
プラットフォームの親和性が高いこともあり、各コンポーネントは驚くほど自然にプレリュードのボディへと収まっていて・・・。
| 項目 | 移植およびカスタムの詳細スペック |
| パワートレイン | シビック Type R(FL5)用 2.0L 直列4気筒 VTECターボ「K20C1」 |
| トランスミッション | 6速マニュアルトランスミッション |
| エクステリア | FL5フロント/リアバンパー加工移植、Seibon製ワンオフカーボンフード(ダクト一体型) |
| 排気・空力系 | シビック Type R象徴の3本出しセンターエキゾースト、ハッチバック開閉に配慮した専用ステー付きリアウイング |
| インテリア | FL5センターコンソール、シークエンスシフト、カーペット流用、ドアパネル・リアシートのレッドアルカンターラ張替え |
| 制御系・電装 | FL5用ECU・ハーネス一式(OBD2診断機を接続するとシビック Type Rとして認識) |
特に秀逸なのはクーリングとエアロダイナミクスのアプローチで、標準のプレリュードバンパー内にFL5用大型インタークーラーを納めた際に「冷却風が不足する」ことが判明したため、最もエレガントな解決策としてFL5のフロントバンパー自体を自然なラインでプレリュードの顔つきへ加工・移植することに。
その結果、ホンダ純正のような統一感ある「Type R」のエアロスタイルが完成しているというわけですね。
ハイブリッドチューニングの限界と「Type R」への回答
今回のビルドにあたり、「なぜ電動化パワートレイン(ハイブリッド)のままパワーアップを図らなかったのか」という疑問もあるかと思いますが、ベッカーマン氏によると、「現代の高度に複雑化・暗号化されたハイブリッドシステムをサードパーティが制御・パワーアップさせるチューニングは非常に困難であり、成功例がほとんど存在しない」から。
そのため、本物の「Type R」バッジに相応しいエモーショナルな走りを実現するには純ガソリンのK20C1ターボエンジンと6速MTをそのまま移植することが最も確実で情熱的な選択肢だったと語っています。
市販化の可能性
今回のThrotlによる見事な完成度は、「ホンダがその気になれば、それほど大きな開発コストをかけずに(シビック・タイプRのパーツを流用して)プレリュード Type Rを作ることができる」という事実を証明するもの。
ベースとなる車体構造や足回りの基本設計がシビックと共通化されているからこそ、これほど完成度の高いパッケージングが実現できたのだとも考えられます。
しかし、実際にホンダがこれを市販化するかどうかには政治的なハードルが存在し、それはフラッグシップスポーツである「シビック Type R」の象徴的な立ち位置を脅かしてしまう可能性があるからで、さらにはプレリュードのキャラクターそのものが「タイプR」とはそぐわないため。
-
-
ホンダ、「プレリュード」にType R化の可能性は?──開発責任者が語る「タイプR化しなかった / タイプRの名称を採用しなかった理由」とは
| ホンダ・プレリュード、Type R仕様を見送った理由とは? | プレリュードと「タイプR」とはキャラクター的にマッチしない ホンダが発表した新型「プレリュード(Prelude)」がスポーティクーペ ...
続きを見る
とはいえ、もし市販されれば世界中のスポーツカーファンから絶大な支持を受けることは間違いないのかもしれません。
結論
ThrotlがSEMAで発表した「Prelude Type R」は、クルマ好きが新型プレリュードに抱いていた夢を完璧な形で現実のものとした傑作です。
FL5シビック Type Rの情熱的なパワートレインと、プレリュードの美しく流麗なクーペフォルムが融合したこのマシンは、世界中のホンダファンやクルマ好きの心を揺さぶり続ける存在となり、Throtlには多数のオーダーが舞い込むことになるのかもしれませんね。
合わせて読みたい、ホンダ関連投稿
-
-
もしホンダが新型プレリュードをベースに「(2ドアクーペの)インテグラ」を復活させたら?「コレジャナイ」感が解消され、インテグラ・タイプRへの期待も高まる
| 現行インテグラは「コレジャナイ」感満載である | プレリュードとインテグラ、その意外な接点 ホンダ(アキュラ)が2022年に復活させたインテグラは、往年のDC2世代を知るファンにとって「ちょっと違 ...
続きを見る
-
-
新型プレリュード「タイプR」は市販化ナシ。豪州ホンダCEO明確に否定、「数百億円相当の投資が必要となり、到底回収はできない」
| そもそもシビック・タイプRとの棲み分けも難しいであろう | それでもホンダには「タイプR」を期待してしまうのが人情ではあるが 26年ぶりの復活を遂げ、世界中のファンを沸かせたホンダの2ドアクーペ「 ...
続きを見る
-
-
さすがタイプRの足回りだな・・・。新型ホンダ・プレリュードが「ムーステスト」で見せた凄まじい走りっぷり、そのシャシーバランスがスゴかった【動画】
| 「なんちゃって」だと揶揄されることが多いホンダ プレリュードだが | 実はその「走り」はなかなかのものである 「直線での加速が遅すぎ」と話題になったホンダ プレリュード。 さらには「FFハイブリッ ...
続きを見る
参照:throtl











