スティーブ・ジョブズは2008年にはアップルカーの構想を練っていた模様。
前上級副社長トニー・フェデル氏がブルームバーグに語ったものですが、2008年頃から頻繁にアップルカーの話が出るようになったそうです。
ただしその頃は具体的ではなく、アップル自体が会社のメインコンテンツをiPhoneだと定めた頃であり、同時期に車に対して注力するのは得策ではない、とも判断していたようですね。
スティーブ・ジョブズは車好きとして知られ、ポルシェ928、ポルシェ911、メルセデス・ベンツSL等に乗っていたことも知られています。
なお「ナンバープレートをつけるのが嫌い」で、カリフォルニア州では購入後一定期間はナンバープレートを取り付けるのを免除(猶予)するという法律を利用し、その期間内に車を乗り換えることでナンバープレートを装着することを回避していたようですね。
同様にアップル社のデザイナー、ジョナサン・アイブも車好きとしては有名で、ちょっと変なカラーリングのブガッティ・ヴェイロンほか多数(クラシックカーも多い)を所有しています。
なおアップルカーの登場は2019年とされ、EVそして自動運転を備えるというところまでは既定路線。
かなり高価になると思われますが、日本や中国などアップル製品の人気が高い国において、そしてそれらの層(比較的若い)において自動車の購買率が低いであろうと思われることにおいて、それを覆すことになるのかどうかは注視すべきところ。
今まで車を買わなかった人が車を買うようになるのか、もしくはそうでないか、というところですね。
とうてい若い世代には購入できないような価格であれば、お金のあるオッサンがアップルカーを購入し、アップル製品にもっとも興味のある若い層が指をくわえてそれを見る、という奇妙な構図が誕生するのかもしれません。
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アップルが”アップルカー(iCar)”と呼ばれる電気自動車プロジェクト、タイタンをより強力に推し進めている模様。
先日はテスラの技術者を引き抜いているとお伝えしましたが、今回はベルリンに開発センターを設立という話が出ています。
ドイツ自動車業界から15-20人程度の幹部を引きぬくことを画策しており、セールス、ソフトウエア、エンジニアリング、ハードウエアのカテゴリにおいて優秀な若い人材も確保したい意向のようですね。
なお生産はマグナシュタイア(以前はポルシェ・ボクスターも生産していたが、ポルシェが自社で生産設備を増強したのでマグナシュタイア社との契約を解除。マグナシュタイアの生産設備は空いた状態に)と言われ、これは「作りたい」マグナシュタイア、「作ってくれるところを探している」アップルとの需要と供給が一致した形とも言えます。※ミニ・カントリーマン(クロスオーバー)を作っていたこともある
なおアップルは販売網を持っておらず、これを解決するためにまずはカーシェアリング、レンタカーでの拡販を狙っているという具体的な話まで出てきているようですね。
なお発売当初は自動運転は備えず、しかし発売後のアップデートでこれを備えるのではないかとも言われています。
NYタイムスによるとアップルは関係者を数十人規模で解雇しており、プロジェクトの見直しを図っている模様。
問題となっているのは自動運転ですが、これを「目玉」にしたかったものの実際は非常に難しいという判断となったようですね。
少し前にアップルカーの開発に携わっており自動運転に関するプロジェクトをけん引してきたエンジニアが中国企業に移ったというニュースがありましたが、これもアップルが自動車関連プロジェクトを見直している影響なのかもしれませんね。
すでにかなりの費用を投じていると思われますがここでプロジェクトを中断したり他社へ売り渡してしまうと大きな損失が出ることになり、現在iphoneの世界的販売が落ち込んでいるアップルとしてはかなり苦しくなるかもしれません(お金だけではなくメンツも失うことになり、テスラからも揶揄されそう)。
なおこれまでの情報ではアップルカーは法人向けにのみ販売され、ライドシェアなどに活用され自動運転によるコミューター的存在をイメージしていたようですが、自動運転が難しいとなると根本からその存在意義を見直す必要がありそうです。
アップルはそもそもこの車に関して開発そのものを認めてはいませんが、「プロジェクト・タイタン」として知られ、電気自動車であること、自動運転機能を備えるであろうことが報じられています。
テスラから多くの人材を引き抜いたことでテスラからは「テスラで使えなかった社員の墓場」とイーロン・マスクCEOに揶揄されていますが、BMWと提携してi3がその車のベースとなる、いや生産はマグナシュタイアが行う、という感じの情報が今まで出てきたところ。
なお現在アップルについてはiphoneをベースにした成長に陰りが見られ、他製品(iPad/Apple Watch)も成長をけん引するには至らず、今までのように潤沢な資金を投入することが難しいと予想され、もしこのプロジェクトがコケればアップルにとっては大きなダメージとなりそうです。
なおアップルカーの販売においては「消費者に対して販売せず(個人での所有を前提としない)」カーシェアリングを行う企業にのみ提供するとも報じられ、これによって販売ディーラー網を構築するコストを削減しようとも考えているようですね。
ただ、VWやトヨタ、GMもライドシェアサービスとの提携を相次いで進めており、ここもアップルにとっては「出遅れた」部分。
総合的に考えると今のところアップルが自動車ビジネスで勝てる要素は少なく、そのブランド力と神通力に陰りが見える現在、アップルそのものの救世主とはなりえないかもしれません。
アップルが「car」を含むドメインを幾つか取得。
apple.auto, apple.car, and apple.cars等ですが、これらはアップルCarPlay関連と見る向きがあるものの、「carplay」の文字は入っておらず、順当に考えてアップル製のEVのものではないかと見られています。
なおアップルカーはBMWが製造する(i3がベース)という話があり、両者協議中とも伝えられましたが続報はありません。
ただ、ドメインを取得したところを見るとじきになんらかの動きがあるのでしょうね。
当然アップルはこれに関して固く口を閉ざしており、アップルが車を発売するという事実もアップルから語られたことはないので全ては憶測というところですね。
アップルCEO、ティム・クックがアップルカーについてコメント。
自動車業界に変革を起こすとのことで、コメントの内容を見る限りでは自動運転と電気自動車というところはキーワードになりそうです。
BMWとなんらかの契約を結んだ、i3がベースになるなどのウワサはありますが、いずれも未確認にとどまり、実際はどうなるのか不明。
おそらくは「かなり高価な」車になることは間違いなく、仮にBMW i3がベースであればそれを越える600-700万円くらいになるのでは、と考えています。
他にも充電用の規格はどうするのか等の疑問はありますが、発売されるとなるとかなり大きなインパクトになりうることは間違いなく、スターバックスの駐車場がiCarであふれることになるかもしれません。
価格の問題で販売数量は伸びないかもしれませんが、世間の関心をEVに向けさせるひとつの起爆剤にはなりそうですね。
なおこれらはウォール・ストリート・ジャーナル主催の技術カンファレンスでの対話の一部で、他にもアップルウォッチやアップル自体の今後のヴィジョンについての一問一答もあったようです。
いままでアップルは自動車開発そのものに対して堅く口を閉ざしてきましたが、その一部がようやく見えてきたようにも思えます。