| テスラ、リマックもうかうかしていられない |
カリフォルニアのエレクトリックカーメーカー、「カルマ」がロサンゼルス(LA)オートショーにて、「SC2コンセプト」を発表。
「カルマ」についてはちょっと説明が必要で、もとはというとアストンマーティン等でデザイナーを務めたヘンリク・フィスカー氏が設立した「フィスカー」がその前身です。
そして2011年、フィスカーは「カルマ(というクルマ)」を発売するも、品質に問題があって販売が低迷し、2013年に販売を終了させた後にフィスカーも破綻。
その後2014年に中国の万向集団がフィスカーを生産設備ごと買い上げ、これを「カルマ」と社名変更したのが今回紹介するSC2を発表した会社となります。
参考までに、ヘンリク・フィスカー氏はこれまた別にEVカンパニー「フィスカー・オートモーティブ」を設立して別のEV「Eモーション」を発表しており、ここがちょっとややこしいところです。
コンテナでも引っ張れそうな強烈なトルク
今回発表されたSC2コンセプトは非常に美しいルックスを持つクルマで、そのスタイルは「ロングノーズ・ショートデッキ」。
ドアはスーパーカーっぽいディヘドラルドア(バタフライドア)を採用し、ドアを開いた内側(車体側)にラゲッジ収納スペースがあるというユニークなパッケージングを持っています。
このSC12はピュアエレクトリックカーなので動力源はもちろん「モーター」となり、SC2ではこれを前後に搭載。
驚くべきはその出力で、1,100馬力というパワーも驚きですが、14,000Nmという規格外のトルクにもびっくり。
おかげで0−100km/h加速は1.9秒をマークし、これはテスラ・ロードスターと同じタイムであり、リマックC_Twoの1.85秒にわずか0.05秒遅れるのみ。
それでいて一回の満充電あたりの走行可能距離は563kmだと紹介されており、実際に発売されればゲームチェンジャーとなる可能性も秘めています。
カルマによると、SC2は「カルマの未来を象徴するクルマであり、その技術の高さはもちろん、将来のデザイン言語を示している」とのことで、「トルクベクタリングギアボックス」に加え、「ウルトラソニック・ダイナミック・リジェネレーティブ・パネル」なる革新技術も採用されている模様。
バッテリー(120kWh)は「I型」で、これを車体中央にマウントすることでロールセンターを適正化し、サスペンションはプッシュロッド、ブレーキにはカーボンセラミックディスクを採用。
こういったところを見るに、「加速だけ」ではなくハンドリング含む、ドライビングダイナミクスにも注力したクルマだと考えて良さそうですね。
なお、車両へのエントリーは顔認証や指紋認証を採用し、バイオメトリックシート/ステアリングホイールを採用するほか、3Dオーディオ、電気的にガラスの透明度を調整できるエレクトロクロマティックガラス等のハイテク装備も満載で、このあたりはさすが「中華系」といったところですね。
「カルマ」はほかにもこんなクルマをリリースしている
なお、カルマは現在「レヴェーロ」を2017年から発売しており、これは以前のフィスカーが「カルマ」として販売していたクルマを手直ししたもの。
よって現在の組織体制となったカルマによる設計ではなく、カルマは早い段階で「完全自社設計」のクルマへと切り替えたいのかもしれません。
中国資本にて再建中の「カルマ」。レヴェーロGTがP-51マスタング戦闘機のカラーを身にまといゴールドラッシュ・ラリーを走る
加えてカルマは2018年に「SC1 ヴィジョン・コンセプト」を発表していますが、このデザインや細部を見る限り、これが今回の「SC2」へと繋がったのだと思われます。
「カルマ」がガルウイングドアの新型コンセプト「SC1」、そしてピニンファリーナデザインのクーペ、さらに市販モデル「レヴェロGT」を発表
VIA:KARMA