| しかもその一般人は「発表されていない」サイバートラックの特殊な構造すら見抜いていた |
electrekによると、テスラ・サイバートラックの製造コストは「とんでもなく安い」という意見が話題となっている、とのこと。
サイバートラックのコストの安さを指摘したのは、自信で購入したモデル3が故障した案件でその名が(テスラ・コミュニティで)知られるよになったサンディ・マンロー氏。
同氏は製造に関するエキスパートだと報じられていますが、この「安さ」は主にボディ外板と車体構造に由来すると指摘しているようですね。
テスラ・サイバートラックは特殊な構造を持っているらしい
まず、テスラ・サイバートラックのボディシェルは、発表時に報じられたとおり、イーロン・マスク氏が経営する航空宇宙産業会社「スペースX」の外装に使用されるのと同じステンレススティール(高い硬度を持つ30X)が採用され、これは冷間圧延製法によって作られるもの。
そしてこのボディは外骨格として機能しながら車体の強度を担保するとサンディ・マンロー氏は指摘しています。
つまり、テスラ・サイバートラックは外板とモノコックとが一体化したような構造を採用すると思われ、わかりやすく言えば「箱」の中にモーターやインバーター、バッテリー、そしてシートやダッシュボードを組み付け、外側にタイヤを取り付けたようなイメージ。
通常の車だとモノコックシャシーがあって、それにモーターやバッテリー、インバーターや内装パーツを組み付け、そこからさらにボディ外版を取り付けることになります。
つまりテスラ・サイバートラックは「すでにモノコックとボディ外板が一体化しているため」別々に製造したり組み付ける必要がなく、これはつまりパーツの工作機械が少なく済み、設計コストが低く、制作に関わるロボットや人も少なく、作業スペースも少なく、かつ作業速度も早く、パーツの在庫も少なくていい等、メリットだらけ。
さらにテスラ・サイバートラックはボディに塗装を施さないと報じられており、これもまたコストが低く収まる理由の一つです。
サイバートラックの製造コストはフォードF-150の1/7
そしてサンディ・マンロー氏によると、サイバートラックを5万台製造するために必要なコスト(材料や製造コストのほか、工作機械や設計費用も含む)は約3000万ドル以内に収まり、しかし(綱引きでその相手に駆り出された)フォードF-150の場合は21000万ドルもかかっているとも指摘。
Cybertruck pulls F-150 uphill pic.twitter.com/OfaqUkrDI3
— Elon Musk (@elonmusk) November 24, 2019
ちなみにEVはガソリン車とは異なり、複雑な構造を持つエンジンはもちろん給排気系、トランスミッション、デフ等を持たないためにパーツ点数が30%ほど少なく、そして組み立てにかかるコスト(時間や人的労力)も同様に少ないとされています。
さらにサプライヤーから仕入れるパーツやコンポーネントも少ないということになるので、完成までにかかる時間や「動線」も短いわけですね。
そこへ加えてサイバートラックは「更に簡素な構造を持っている」ということになり、それらを考慮すると「製造コストはフォードF-150の1/7」というのはけっこう的を射ているのかも。
この”見積もり”にはテスラもびっくり
そしてテスラCEO、イーロン・マスク氏はこのサンディ・マンロー氏のコスト試算に対し、「マンローのエンジニアリング的分析は実に正確だ」とコメント。
ちなみにサイバートラックの構造(上述のような箱=外板が車体構造を担保する)についてテスラはなにも公開しておらず、つまりサンディ・マンロー氏は画像なり動画なりを見ただけで「サイバートラックの革新的な構造」を見抜き、かつ製造コストまでも正確に見積もったということに。
テスラ・サイバートラックが売れまくっている!発表後48時間で14万6000台の予約を集め、ブレードランナー/ガンダムのメカデザイナーも絶賛
サイバートラックはモデル3にも劣らないほどのペースで予約を集めていると報じられますが、実際に製造が開始され納車されるようになると、さらなる利益をテスラにもたらすのは間違いなさそうですね。
ただ、サイバートラックはこのままでは「登録が難しい」国もあるようで、それに対応するにはいくばくかの製造コストがプラスされることになりそうです。
独認証機関「テスラ・サイバートラックは欧州で登録できない。タイヤを小さくし、ライトを大きくし、カドを丸くし、衝撃を吸収できるバンパーを装着しないと」
VIA:electrek