
| テスラオーナーはアプリでこのロック板を解除して充電スペースに駐車することに |
しかし、そこまでしないと問題が解決できない状況は非常に悲しい
さて、42HOWのツイートと動画によると、テスラが中国にて、テスラオーナーが「充電ブロック=アイシングを回避」するための無線ソフトウェアアップデートを開始した、とのこと。
この場合における「アイシング」とは、ガソリン車(ICE=ガソリンエンジン)オーナーがEV用の充電スペースへと意図的に駐車し、EVが充電できないようにする行為を指しており、とくに米国では大きな問題になっていると報じられています。
中国でもアイシングが問題に?
なお、今回の報道を見るに、中国でも結構な問題となってたようで、これはちょっと意外です。
というのも、アメリカでのアイシングは、ガソリン車愛好家が電気自動車に反対したり、「需要によって電気料金が変化する」契約が多いとされる状況において、EVが大量に電力を使用した場合に「家庭用電気料金が高騰する」ことに反感を持つ人々が電気自動車を攻撃するケースが多いため。
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国や地域によっては、EV充電スペースにガソリン車が停まっていると「レッカー移動」をさせることが可能ではあるものの、多くの国ではそういった対応を取っておらず、よってEVオーナーはアイシングに対しては「指をくわえて見るだけ」となってしまうことに。
ただ、中国ではそういった風潮が特に報じられているわけではなく、よって今回のように「対策」をほどこすまでに状況が深刻化していたのか、と驚いているわけですね。
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いったいどうやってアイシングを防止?
そこで今回報じられているテスラの新機能ですが、これはテスラのオーナーが専用のスマートフォンアプリを使用し(テスラの)スーパーチャージャーステーションにあるフロアロックを解除することができるもので、これによって(ふだんはフロアロックが上がっているので)テスラオーナー以外は充電スペースに駐車することができなくなります。
なお、以前からもこのシステムは存在していたそうですが、これまではテスラオーナーがフロアロックを解除するためには、特別なQRコードをスキャンして、認証を受ける必要があるなど非常に「煩雑」で、しかし今回はこういった作業が不要となり、自分の携帯電話を通じ、簡単な2ステップのプロセスを踏むだけでシステムを解除することができるようになったようですね。

正直、ぼくもEVに乗っていた頃にはこういったアイシングに悩まされたことが多々あり、よって今回の対策については大賛成。
ただし「ここまでやらないと問題を解決できないのか」という虚しさも残り、ここは世間においてのEVに対する理解、ガソリン車オーナーのマナー向上を期待したいところです。
なお、日本の場合は「いやがらせ」のためのアイシングではなく、「そこがEV用充電スペースだと知らずに」停めたり、たいていの場合EV要充電スペースは商業施設において「最も便利な場所」に設置されているので、そのスペースが空いていると「思わず」停めてしまうのかもしれません。
ただ、このアイシングが解決したとしても、EVオーナー同士で「ケーブルを差し替えたり」といった問題も報じられており、そのほかにも解決すべき問題が山積していて、これらの抜本的な解決がないままにEVが増えてしまうとカオス状態となってしまいそうです。