| やはり新車販売をEVのみとするのは性急すぎる |
さて、ちょっと前には世界的な寒波が到来して様々なハプニングが発生していますが、アメリカでは一部「電気代が需要によって変動する」料金プランが導入されており、寒波のためにエアコンを使用する人が多くなると「需要が高い」ということで、電気代も(同じ使用量であっても)上昇する模様。
具体的には、(このプランの場合、テキサス州だと)通常だと1メガワットあたりの電気料金が50ドルであるのに対し、今回の寒波でによって9,000ドル/1メガワットにまで上昇してしまい、つまりは1790倍にも価格が上がったということになります。
「定額制」と「変動制」を選べるようだが
こういった電気料金は州によって(管理する電力会社が異なるので)差異があり、かつ定額制と変動制についても自由に選べる模様。
ただし変動制を選ぶと上記のように今回「大変な事態」に陥ってしまうということですが、今回の例だと「1ヶ月の電気代が170万円」に達する例もあって「まさに異常事態」です。
そして影響を受けるのが「EVの充電」であり、たとえば今回のピーク料金をもとに試算すると日産リーフ(40kWh)のバッテリーをフル充電するには360ドル(3万8000円くらい)、アウディe-tronだと855ドル(9万円くらい)、テスラ(100kWh)だと900ドル(9万5000円くらい)くらいかかるという計算に。
おおよそのEVは「一回の満充電で、ガソリン車と同じくらいの距離を走れる」ように設定しているので、これらの充電にともなう価格はガソリン車でいう「満タン給油一回あたりの価格」だと考えればいかに今回の電力高騰が異常であるかがわかります。
アメリカのEV普及率は1.7%
なお、アメリカにおける現時点でのEV普及率は1.7%だと報じられていますが、もしこれが50%くらいになるとやはり電力が逼迫するのかもしれず、そのあたりの計算があれば一度見てみたいものだとも思います。
こういった例を見ても、現在加速する「ガソリン車禁止、新車販売を全車EVに」という流れはあまりに危険なのかもしれませんね。
お決まりの「アイシング」も発生
そこで北米ではお決まりの「アイシング」もいつにも増して多発。
アイシングとは、EV用充電器の前にガソリン車を停めてEVの充電をブロックする行為を指しますが、これは以前から北米で問題となっていたもの(他の国でもチョコチョコとは聞かれるが、北米では組織的にこれを行う場合もある)。※ガソリンエンジンをICE=インターナル・コンバッション・エンジンと表現することから来ている
今回はカナダはアルバート州でのアイシングが問題となっており、画像を見るとテスラ用スーパーチャージャー(充電器)の前にずらりとガソリン車が並んでおり、テスラオーナーが充電できなかったという例が報告されています。
この例については「詳細不明」だとされていますが、もしかするとEVが電気を使用することで「変動制電気料金が上昇する」ことを防ごうとしたのかもしれず(この程度で何かが変わるとは思えませんが)、さらに平時のアイシングも同様の理由なのかもしれません(いままでなぜアイシングという行為が存在するのか不明だった)。
Parking violations as all charging spots were blocked at the #Tesla supercharger at @TownofCanmore. No spot for Tesla EVs to charge. Had to wait 30 mins before could find a charging spot. Action needed: @RCMPAlberta @DriveTeslaca pic.twitter.com/sSS0JdTK4Y
— Anshuman Chhabra (@anshumanchhabra) February 18, 2021
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