| 生産能力の向上に比較して販売が追いついていない状況をどう打開するのかに注目が集まる |
さらにテスラはメキシコ、カナダにもギガファクトリーを建設予定
さて、テスラの中国における2022年12月の出荷台数が55,796台となり、前年同月の70,847台より21%少なく、2022年11月(100,291台)に比較しておよそ半減という数字になった、とのこと。※中国乗用車協会(CPCA)発表値であり、これは納車台数ベースではなく出荷台数ベース
この理由としては、2022年12月には生産休止があったこと、そして中国での需要が縮小したと思われることが指摘されており、さらに1月には中国の旧正月による工場休止もあるので、さらに数値が加速して悪化するのかもしれません(ただ、旧正月は毎年のことではある)。
通年だとテスラは大きな成長を見せる
ただ、四半期ベースで見ると、2022年第4四半期だと出荷台数は(輸出含めて)228,000台を記録しており、これは2021年お第4四半期に比較すると28%増という結果です。
加えて、2022年の累計だと710,865台を出荷していて、これは2021年通年に比較すると+50%という数字であり、年間通して見ると「悪くない(テスラの掲げた目標である+50%を達成している)ということに。
なお、テスラの上海ギガファクトリーは現在テスラでもっとも高い生産能力を誇り、拡張によって年間100万台を超えるとも推測されていて、そのため中国における「納車待ち」が非常に短くなっている(モデルによっては世界でもっとも短く、約14日といった場合も)ことも指摘されています。
ちなみにですが、上述のとおり、中国乗用車協会(CPCA)は「工場から出荷された」台数をカウントしていて、納車数でないことには注意を要し、ここで留意すべきは「輸出分もカウントされていること」。
つまり上海ギガファクトリーで生産され、他の国へと輸出される台数もこの数字に入っているのですが、2021年と2021年とで大きく異なるのは「ベルリン工場の稼働」。
2021年の時点ではまだベルリン工場が動いておらず、よって上海工場にて生産した車両を欧州に輸出していいて、しかし2022年後半にはベルリン工場での生産が始まり、そのために輸出の必要が減少しているわけですね。
ただ、ベルリン工場の生産だけで欧州全域の需要をカバーできず、よって今でも中国からの輸出がなされているわけですが、こちらについては昨年比で+69%と大きく伸びており、しかしベルリン工場の稼働がなければ「もっと伸びていた」のは事実かと思います。
そのほかの数値としては、2022年11月までの数字ではあるものの、中国におけるモデル3とモデルYの販売台数は59%増加しており、車種別だとモデル3がマイナス7%、モデルYがプラス121%なので、モデルYの人気が非常に高いということもわかりますが、今後はNIOやシャオペン、BYDその他のライバルの追い上げが非常に厳しく、ここからの戦いは「これまでのように」ゆかないかもしれません。
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参照:InsideEVs