| ブガッティはその生産能力、そしてパーソナリゼーションの限界を常に押し広げている |
W16ミストラル、ボリードのコンフィギュレーションは近日中に開始予定
さて、ブガッティが「設立以来、(2022年は)17年の歴史の間でもっとも多くのクルマを生産し納車した」と発表。
その台数は80台を超えるといい、その中には400台めとなるシロン(500台限定生産)、シロン・スーパースポーツ、チェントディエチ全10台、シロンスポーツ等が含まれており、ブガッティによれば、2022年は台数のみではなく「もっとも多くのバリエーションを組み立てた年になった」。
なお、ブガッティは2018年にディーヴォを皮切りにコーチビルドの可能性を切り開き、その後にラ・ヴォワチュール・ノワール、そしてチェントディエチが続いていますが、2023年以降にはシロンの残り100台に加え、さらなるコーチビルド車両である「ボリード」「W16ミストラル」の生産を行う予定であることにも触れています。
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ブガッティはその生産技術にも磨きをかける
そしてブガッティと言えば「すべてのクルマがオーダーメイド」であるため、様々な顧客による様々な要望を受け、はじめての技術にもチャレンジすることでその可能性を広げており、これまでには「塗装だけで1年半」をかけたディーヴォや・・・。
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光の反射を表現した「バギュ・ド・ルミエール」ペイントもシロンに再現できるようになっています。
もちろん今後も顧客の「無理難題」に積極的に取り組むものと思われ、こうやってブガッティ自身もどんどん成長してゆくのでしょうね。※ブガッティは、こういった特殊な要望に応えるためのプログラム「シュールムジュール」を発足させている
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現在、新車で注文できるブガッティは「1台もない」
ブガッティはまだまだ2-3年をかけて現行世代のハイパーカーを生産することになりますが、シロンはすでに500台の枠をすべて販売しており、もちろんW16ミストラル、ボリードについてもすべて受注枠が埋まっていて、つまり今新車で購入できるブガッティは「ゼロ」。
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ブガッティ「先行き不透明な現在の状況でも、全く受注は衰えない。むしろ逆」。実際にブガッティでは2025年の生産分まですべて「完売」、やはり超高級品は不況に強い
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要は(ランボルギーニやフェラーリも同じですが)販売すべきクルマがない状態が2022年から続いており、よってブガッティは「オーナーシップに重点をおいた活動を行う」とともに、(新車が手にはいらないので)日に日に高まってゆくブガッティの中古車に対するニーズに対応することに力を注いでいるといい、たとえばオーナーシップだと様々なツーリングの開催や・・・。
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ブガッティが60台以上集まり、創業者の実家など「聖地巡礼の旅」に出る!地元には「ブガッティ・アルザス協会」「ブガッティ・アルザス騎士団」が存在している
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中古車販売だと、メンテナンスコストのパッケージ化を図って購入者の不安を取り除く「パスポール・トランキリテ」の展開も。
なお、このパスポール・トランキリテの導入と同時に認定中古車の販売も強化しており、ブガッティの基準に沿った110もの点検項目をクリアした車両のみを販売するなど、様々な方面にわたって展開を行ってきたようですね。
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「維持費がいくらかかるのか不安」というオーナー向けに、ブガッティが"心の安らぎを与える"「平穏(トランキリティ)パッケージ」設定!これでもうヴェイロン、シロンの維持は怖くない・・・ハズ
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ブガッティ・オトモビルCEOであるクリストフ・ピオション氏は、2022年を振り返り「卓越したデザインと性能のトップレベルで競争する他の一流国際高級ブランドと同様に、ブガッティも2022年に様々な課題に直面しました。しかし、才能、情熱、献身という点で比類ないチームとともに、ブガッティは再びそうした課題に正面から取り組み、エキサイティングな機会を生み出し、実現してきたのです」とコメントしています。
2023年のブガッティには「明るい未来」が待ち受ける
そしてブガッティは2023年についても言及し、ディーラーネットワークを強化することで新たな(新デザイン採用の)ディーラーがオープンすること、設立1周年を迎えた「ブガッティ・リマック」についても触れていて、後者については「メイト・リマックのリーダーシップのもと、ハイパースポーツカーのトップメーカーとしてのブガッティの地位は、2023年以降もますます開花していくことでしょう。ブガッティは、世界の進化とともに、真の自動車性能、デザイン、テクノロジー、そして最高のクラフツマンシップの頂点に立ち続けるよう努力します。”比較されるようであれば、それはもはやブガッティではない”。このビジョンは、今日も変わらず真実であり、2023年後半にはこれがさらに明らかなるでしょう」と述べているので、2023年後半には、おそらく何らかのニューモデル(おそらくはシロンの後継モデル)が発表されるのかもしれません。
なお、相変わらず不透明なのは「ブガッティ」と「ブガッティ・リマック」との関係性で、新会社ブガッティ・リマックが設立された後にもブガッティは別途存続していて、どういった業務の棲み分けを行うのかはちょっとナゾ。
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参照:Bugatti