>テスラ(TESLA)

テスラが36億ドルを投資してネバダに2つの生産設備を建設すると発表!ひとつは新型バッテリー「4680」製造用、そしてもうひとつは「セミ」製造用

テスラが36億ドルを投資してネバダに2つの生産設備を建設すると発表!ひとつは新型バッテリー「4680」製造用、そしてもうひとつは「セミ」製造用

| テスラはどこまでも生産設備を拡大する計画を持っているが、そのぶんだけ「需要を作り出せるのか」には不安が残る |

もちろん、イーロン・マスクCEOは需要まで見越しての行動なのだと思われる

さて、テスラは昨年12月にセミ(トラック)の納車を開始したところですが、今回「36億ドルの投資を行い、セミ製造用の工場を含む製造拠点を2つ、ネバダに開設すると発表。

この2つのうち、言うまでもなくひとつはセミの製造を行い、そしてもうひとつは新型「4680」バッテリーの生産を行うもので、後者については年間150万台分の供給が可能だとされ、現時点ではテスラの需要を満たすには十分な量だと考えられます。

なお、これら2つの工場を建設することで新しく3,000人の雇用を生み出すことができるいい、年間5万台という生産目標を掲げたセミの製造にはずみがつくことになりそうです。

「4680バッテリー」はEVの新たなる可能性を切り開く

なお、この4680バッテリーは「既存のバッテリーに比較すると密度が5倍高く、6倍のパワーを持ち、満充電あたりの航続距離が16%伸びる」という画期的な性質を持っていて、「46ミリの直径、80ミリの高さ」を持つことからこの命名がなされています。

ちなみに「高さ」は自由に変更できるので、フロアを薄く作ることが可能となるためスポーツカーにも向いており、BMWやリマックもこの「46ミリ」バッテリーの採用について言及していますね。

リマックが最新の「46ミリバッテリーセル」を使用しバッテリーパック内の容積率を75%にまで改善することを目指すとの報道。なおテスラは64%、ポルシェは63%
リマックが最新の「46ミリバッテリーセル」を使用しバッテリーパック内の容積率を75%にまで改善することを目指すとの報道。なおテスラは64%、ポルシェは63%

| リマックも相当に進んでいるが、やはりテスラもかなり進んでいる | まだまだバッテリーは改良の余地を大きく残しているようだ さて、リマックがバッテリーパックのエネルギー密度を高めるため、より大きな直 ...

続きを見る

そしてなによりも大きな特徴は「この4680バッテリーの採用にてコストを引き下げることが可能になる」ということで、テスラは4680バッテリーを使用した電気自動車の製造を本格化させることでさらなる利益の伸長、そして値下げも可能になると見られています。

テスラとLGとが新型バッテリー工場を建設し「バッテリー需要逼迫」に備える

テスラ・モデルY
テスラがモデルYに廉価版を追加とのウワサ。「4680」新型バッテリーを搭載して生産コストを引き下げてキアやヒョンデ、フォードなどのライバルに対抗か

| ただし廉価版を追加したとしてもテスラの「1台あたり利益」はさらに上昇する可能性がある テスラは常に生産効率向上、コスト引き下げを考えている さて、受注減少が報じられているテスラですが、「近日中にモ ...

続きを見る

参考までに、テスラは今後サプライチェーン問題に状況を左右されないよう、製品が完成するまでの動線を短くすることを検討しており、4680バッテリーについては韓国そして日本においても生産を行う計画を発表しています(これらは中国・上海ギガファクトリーに輸送され、ネバダで作られたバッテリーはギガ・テキサスやセミの工場で使用されることになるものと考えられる)。

テスラとLGとが新型バッテリー工場を建設し「バッテリー需要逼迫」に備える
テスラとLGとが新型バッテリー工場を建設し「バッテリー需要逼迫」に備えるとの報道。なおGMは「リチウムメタル」バッテリー開発開始、トヨタは「ソリッドステート」実用化を目指すなど各社各様

| テスラは次世代バッテリーよりもリチウムイオンバッテリーの可能性を追求するようだ | さて、韓国LG化学がアメリカそして欧州にて、テスラ向けのバッテリーを製造する工場を建設すると複数メディアが報じて ...

続きを見る

テスラ「セミ」の生産はギガテキサスで行われると考えられていたが

テスラ・セミについては、当初ギガファクトリー近くの施設にて少量生産が開始され、後にその生産設備がギガ・テキサスに移されると考えられていたものの、今回の発表からするとセミは「ギガ・テキサスとは異なる別の施設で生産される」ことになり、テスラとしてはギガ・テキサスの生産能力を既存モデルにすべて振り分けたかったのかもしれません。

tesla-semi-updated-photos (1)

そしてもちろん、ネバダ州もテスラに協力を行っており(雇用創出と経済活性化が期待できるので)、ネバダ州のジョー・ロンバード知事によれば「ネバダ州は新しいビジネスや産業の拡大のために、開発促進の誘致を行っている」と前置きし、「「リチウムループの解消、物流、エンターテインメント、科学技術への革新と投資、起業家精神の受け入れなど、ネバダ州はパートナーとしての準備が整っている」とも。

テスラの公式ツイッター上にはすでにこの計画が投稿されており、上述の情報に加えて以下がアナウンスされています。※従来のギガテキサス、今回の拡張設備も含め、「ギガファクトリー・ネバダ」と呼んでいるようだ

2014年、私たちはネバダ州に35億ドルを投資し、最初のギガファクトリーを建設することを約束しました。私たちの目標は、年間35GWhのバッテリーセルを生産できる施設を建設することでした。これは、年間約50万台の自動車を製造できる量に相当します。

このレベルの電池生産は、当時の単一工場としては前例がなく、2013年の世界の電池生産の合計を上回る生産量が期待されました。

私たちは、ギガファクトリー・ネバダの建設と稼働のために、他のオンサイト業者とともに、今後10年間で6,500人のフルタイム従業員を雇用する予定でした。

2014年以降、私たちはネバダ州にあわせて62億ドルを投資し、540万平方フィートのギガファクトリーを建設しました。これは、持続可能なエネルギーへの世界の移行を加速させるという私たちのミッションの礎となるものです。この建設工事だけで、17,000人の地元建設業の雇用を創出しました。

現在までに、ギガファクトリー・ネバダのチームは以下の生産に成功し、これらを遂行するために、11,000人以上のチームメンバーを直接雇用しました。

73億個のバッテリーセル(年間37GWh以上)
150万個のバッテリーパック
360万個のドライブユニット
100万個のエネルギーモジュール(合計1,400万キロワット以上)

そして今回、ギガファクトリー・ネバダを成長させ続けるために、私たちはさらに36億ドル以上を投資し、3,000人の新しいチームメンバーと、100GWhの4680セル工場(年間150万台の小型車に相当する電池生産能力)と、初の量産型セミ工場を新たに追加する予定です。セミは、航続距離500マイル、1マイルあたりのエネルギー消費量2KWh以下の完全な電気コンビネーション・トラックです。

テスラチーム、サプライチェーンパートナー、そしてギガファクトリー・ネバダで世界の持続可能なエネルギーへの転換を可能にしてくれた地元コミュニティの皆様に感謝します。

Tesla

合わせて読みたい、テスラ関連投稿

パナソニックが米国・カンザスと日本・和歌山にてテスラ向けのバッテリー製造設備を開設!EV製造は今後バッテリーをいかに安価に、安定的に調達できるかが鍵に
パナソニックが米国・カンザスと日本・和歌山にてテスラ向けのバッテリー製造設備を開設!EV製造は今後バッテリーをいかに安価に、安定的に調達できるかが鍵に

| EVは参入障壁が低いと思われたが、ここへきてバッテリー製造工場をまかなえるだけの資本の有無が勝敗を分けるかも | テスラに日本製のバッテリーが積まれるとなるとちょっと安心 さて、パナソニックが米国 ...

続きを見る

テスラ
テスラ中国のNO.2がテスラ本社のNo.2に昇進し「イーロン・マスクの次に偉い人」に!寝食を忘れて上海工場の立ち上げに従事、世界第一の工場に成長させた人物

| たしかにイーロン・マスクCEOは「アメリカ人に比べて中国人はよく働く」とコメントしていた | できればツイッター、スペースX、ボーリングカンパニーでも経営に関われる人物を探し出してほしいものだ さ ...

続きを見る

テスラ
テスラが「もっとも安価な」2万5000ドルのモデル2(仮称)を2024年に投入との報道!テスラの主力車種の価格帯は下がっているが、逆に利益率は向上する?

| テスラはほかの自動車メーカーとは全く逆の動きを行っている | 自ら市場を創出し、先行者利益を最大化している さて、少し前からウワサとなっている「2万5000ドルの」もっとも安価なテスラの発表が20 ...

続きを見る

参照:TESLA(Twitter)

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Cirqua_Recommend / 1845256

->テスラ(TESLA)
-, , , , ,