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テスラが「2022年第4四半期は過去最高の納車台数になった」と発表!売り上げと利益も予想を上回り株価は4.3%急騰するも先行きの不安感は拭えない?

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| ここ最近、イーロン・マスクCEOは「比較的おとなしく」しており、株価を気にしているものと思われる |

テスラの需要予測はあまりに強気だとする見方も

さて、テスラが2022年第4四半期(2022/10-2022/12)の決算を発表し、売上高と利益が市場予想を上回ったことが明らかに。

なお、前日にはネバダ州に工場を設置するために36億ドルの投資が発表されていますが、これら好材料の割に今一つ株価が上がっていないな、という印象です。

参考までに、テスラの株価はイーロン・マスクCEOのツイッター買収以降大きく下落しており、イーロン・マスクCEOは投資家から大きく非難されているというのが現在の状況(ツイッターにかかりっきりで、テスラの経営に十分な時間を割くことができていないとも指摘されている)。

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さらにはツイッター上での「ふざけた」発言がテスラの価値を下げているという指摘があったのですが、ここ最近は「テスラに集中」というツイートが見られ、さらにはテスラの拡大や展開に関する”真面目な”ツイートも多く、市場の声や株価を「意外と」気にかけているということも理解でき、いろいろなことが正常化しつつあるのかもしれません。

テスラの四半期ベースでは納車台数が過去最高に

そして今回の2022年第4四半期決算における最大のトピックは「納車台数が四半期ベースで最高(405,278台)になり、売上高が市場予想を上回った」こと。

2022年第4四半期における売上高は243億2000万ドルにのぼって事前予想の241億6000万ドルを超え、さらに純利益は前年同期の23億2000万ドルを大きく超えて36億9000万ドルにまで達しており、1株あたり利益も市場予想の1.13ドルを上回って1.19ドルへ。

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ただし全ての数値が良かったわけではなく、自動車事業の利益率は25.9%という、ここ2年間で最も低い水準にとどまっており、これは同時期に主要市場にて行った値引きが大きな理由だと伝えられています。

ちなみにテスラはCAFE規制によって定められたCO2排出量を超え、そのぶんの罰金を支払わねばならない自動車メーカーへと「カーボンフリーぶんのクレジット」を販売しており、規制を超えたCO2を排出する自動車メーカーはこのクレジットを購入することで全体のCO2排出量を減らすことができ、あわせて罰金も減らすことが可能です。

ちょっと前までは、この「クレジットの販売」がテスラにとって大きな収益になっていたと言われ、しかし現在では多くの自動車メーカーが電動化車両(ハイブリッド、プラグインハイブリッド、EV)を発売しており、このクレジットの売上が減ってしまったであろうことも利益率が下がった一因なのかもしれません。

「金利上昇が大きな懸念」

なお、アメリカではインフレを抑制するために金利が大きく引き上げられており、これによって自動車の購入意欲が大きく削がれているという報道も見られます。

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実際にイーロン・マスクCEOは(昨年末に)急激な金利に引き上げがテスラの販売に影響を与えたともコメントしており、しかし今回の発表では「大幅な値下げによって、テスラへの需要が大きく喚起された」とも。

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具体的には、値下げが行われた1月には(月半ばでの値下げであったにもかかわらず)生産台数の2倍の受注があったともコメントしており、2023年の販売台数は「ここ最近のような混乱がなければ」200万台に達する可能性があるという予想についても言及しています。

この発表を受け、テスラの株価は時間外取引にて4.3%急騰していますが、そこまで大きく上がっていないのは、この状況においても「世界経済そのものの先行きが明るいとは言えないこと」「テスラの需要予測があまりに強気であること」を反映しているからなのかもしれません。

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参照:Reuters, InsideEVs

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