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テスラが「25,000ドルの」EV実現のため、製造原価を半減させる手法の実現にたどり着くとの報道。なんらかの技術的ブレイクスルーがあったもよう

テスラ

| テスラは「追ってくるものがいれば、常にその先に」 |

テスラはほかメーカーに比較して「車種が極端に少ない」という特殊性があり、これによって製造開発段階におけるアドバンテージを獲得している

さて、先日はテスラが「革命的な」車体の製造方法を検討している最中だと報じられていますが、今回はさらに詳細が報じられることに。

これは「テスラの計画に詳しい5人の人物」のコメントとして報道されているもので、けっこう信憑性が高いようにも感じられます。

なお、この5名とも「メディアに情報を提供することが許されていない立場」ということで匿名での情報提供となっているものの、いずれもテスラが車体の製造コストを半減させることができる可能性が高いと述べています。

テスラはどうやって車体の製造コストを引き下げるのか

そしてこの製造コスト半減の方法についてですが、既報の通り「アンダーボディ全体を一体成型する」という手法。

なお、これについて、少し前には米国のエンジニアリング会社、ケアソフト・グローバルのテリー・ウォイチョウスキーCEOが「従来の自動車の設計と製造の方法を変えるだろう。業界にとって大きな意味を持つが、非常に困難な作業だ。鋳造は非常に難しく、特に大型で複雑なものほど難しい」と述べたことも報じられており、”理論上は有用ではあるが、実行するのは著しく難しい”典型だと言えそうです。

ただしテスラとしては、これを実現することで利益を上げながら手頃な価格のEVを急速に数百万台規模にて生産することが可能となるため、「なんとしても」これを実現したいはず。

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実際のところテスラはすでにギガキャストにてある程度のレベルまでこの手法を確立しており、この分野に関しては第一人者だと捉えることも可能です(トヨタはこの手法について”芸術”とまで表現している)。

そして今回報じられている方法は「クルマの大きなサブアセンブリを同時に作ってから、それらをつなぎ合わせる」というもので、EVの足回りのほとんどをギガキャスト化することになると報じられています。

製造のみではなく開発コストも大きく低減可能

さらにこの新しい製造技術により、テスラは新車をゼロから開発するのに通常の3~4年ではなく、18~24カ月程度で行うことが可能になるとされ、上述の5人によれば、テスラの(25,000ドルの)エントリーEVがこの技術の恩恵を受ける可能性があり、さらにテスラはこの技術に関して非常に進んだ段階にあり、早ければ今月中にもこのアイデアを進めるかどうかの決断を下す可能性があると語っています。

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ただ、この技術に関するテスラのブレークスルーの中心は、”大きな部品を作るための巨大な金型をどのように設計し、テストするか”。

この課題を解決するため、テスラはアメリカ、イギリス、ドイツ、日本から鋳造の専門家が招集されることとなったそうですが、ここでそのテストの方法について様々な検討がなされたもよう。

いったん大型の金属試験型を作ってしまうと、設計過程で機械加工を微調整する場合には10万ドルものコストがかかる可能性があるそうですが(鋳造部品が大きくなればなるほど金型も大きくなる)、テスラはこれを回避するために3Dプリンターで工業用の砂からテスト鋳型を作る企業に協力を依頼しているとも報じられ、この方法を使った設計検証サイクルを用いれば、金属型の試作品を作った場合の”最長1年”に比較し、わずか2~3カ月で調整が完了するとも報じられています。

加えてテスラは「新しい技術(によって製造された車体が)が衝突安全性の基準を満たさないという別の潜在的な欠点も克服したとされ、これは特に、鋳造品の製造に使用されるアルミニウム合金とに関連していて、特殊な合金、そして溶融合金の冷却プロセスの微調整、生産後の熱処理プロセスによって、エンジニアたちはこの課題を回避したことにも言及されています。

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テスラのエントリーレベルEVは小型でオーバーハングも最小限であるため、こうした新しい生産技術の出発点として最適でもあり(いきなり大型のクルマの車体から始めるよりはずっとリスクが低い)、しかしテスラがアンダーボディを一体鋳造する場合、どのようなギガプレスを使用するかなど、まだ解決しなければならない問題も山積している状態。

しかし、テスラは一つひとつの障害を徐々に克服しつつあり、競合他社が追いついてくるのと同時に、テスラは再び競合他社をリードする態勢を整えつつあるのかもしれません。

現在ギガキャストについてはトヨタ、そしてGeelyが導入を表明していますが、フォードも同様の技術を導入すると見え、フォード自ら次世代電動ピックアップである「プロジェクトT3」では”これまでにない効率性”を備えた組立工場で生産され、「これまでのトラック計画に比べて複雑さは数分の一」になるとコメント。

ただしいずれのケースも実現するまでにまだ数年を擁するとも考えられ、これらがようやく(現在のテスラと同規模の)ギガキャストを導入した頃には、テスラはもう製造技術に関する基準を書き換えてします、他社が導入したばかりの技術を「時代遅れに:している可能性もありそうですね。

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