2023年1-7月の北米EV市場はテスラが圧倒し、なんとそのシェア6割にまで。なおEV市全体は67％拡大し、構成比率は7.2％に

｜　なんだかんだでテスラは販売を伸ばし、着実に既存自動車メーカーに対する優位性を固めつつある　｜

ここから既存自動車メーカーも追ってくるだろうが、テスラのように「利益」を出すことは難しいだろう

さて、その未来に関して意見が真っ二つに分かれるテスラ。

あるアナリストは「テスラが自動車業界のメインストリームになる？そんな話はありえないでしょう。20年後にテスラが存在するとは思えない」。

またあるアナリストは「現在の様々な困難な状況に対応できる自動車メーカーはテスラ以外には考えられない。他のすべての自動車メーカーはテスラを真似していますよね。つまり新しい世界においてテスラはすでにリーダーであり、そのほかはフォロワーにしか過ぎません」。

要は専門家であっても意見が真っ二つに割れている状況ですが、今回テスラが「アメリカのEV市場にて、ほぼ6割のシェアを獲得するに至った」との報道がなされています。

テスラは新規登録台数と市場シェアで米国内のEVレースをリード

今回発表された、2023年7月までの販売データによると、テスラはこの7ヶ月間、米国における新規登録台数が前年同期比50％増の39万377台となり、米国のEV市場で59.5％のシェアを獲得するに至っています。

なお2位にはシボレーがつけており、1月から7月までのEV新規登録台数は約4万台でシェアは6％。

3位にはフォードが食い込んで1〜7月におけるEV新規登録台数は3万3955台、シェアは5.2％となっています。

参考までに、4位はヒョンデで28,189台/シェア4.3％、5位はBMWの23,116台/シェア3.5％という結果ですが、注目すべきは全米で同期間に販売されたEV全体では67％増加して655,986台にのぼり、全パワートレーンを合計した新車販売の7.2％にのぼったこと。

つまりテスラは「EV新車販売全体の67％増」に対して50％増なので、市場の拡大に追いついていないということになりますが、それでもテスラがシェアを伸ばしたということは、その他に大きく伸びたところはなく、しかし新規参入組が増えたために「テスラ以外」がしのぎを削っているということになるのかもしれません。※この統計の「EV」にはPHEVも含まれているようだ

もっとも売れたテスラは「モデルY」

なお、もっとも販売台数が多かった車種はご推察の通り「モデルY」であり、前年同期比2倍以上の236,041台、そして次に売れたモデル3は21％増の131,381台。

一方でモデルSは51％減の8,439台、モデルXは14％減の14,462台だったそうですが、これらについては大きく値下げを行っているため、今後は販売を回復させる可能性もありそうです。

なお、シボレーの販売台数のほとんど（発売開始がなされたばかりで、25台のみが売れたシルバラードEV以外）はボルトEVとボルトEUVだとされ、しかしこれらはまもなく販売が終了するため、今後のシボレーのシェアは縮小することも考えられ、しかし逆にシルバラードEVが人気化してボルトの販売を超えるという状況も期待できます。

フォードでもっとも売れたのはF-150ライトニングの11,883台であり、これは安定して納車を行っているリビアンのR1T（7,611台）を超える数字であり、フォードのブランド力を示す一つの例かもしれません。

ヒョンデはコナ・エレクトリックやアイオニック5/アイオニック6といったラインアップを持ち、しかしこれは韓国もしくは東欧生産であるために米国内では購入時の税制優遇処置を受けることはできず、しかしそれでもこれだけのシェアを誇るのは「そうとうに立派」だと考えて良いかと思います。

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参照：Automotive News