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テスラCEO、イーロン・マスクがついに6年越しの疑問「2万5000ドルの安価なEVはいつ発売されるのか」に応える。「それは馬鹿げているし、そんなクルマは登場しない」

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| テスラは中国勢との正面からの競争を避け、自社の強みを生かせる分野の強化に注力 |

テスラは「一見してコロコロ方針が変わるように見えても」継続して自社独自の考え方を貫いてきた

さて、テスラは数日前に2024年第3四半期の決算発表を行っていますが、その中での利益の改善、販売の増加予想を好感し株価が「11年ぶりの」大幅上昇を見せています。

ただしそこではいくつかの「がっかりな」発言もあり、そのひとつが「25,000ドルの安価なEVプロジェクトが完全に終了したこと」そして「ロードスターの発売がまたしても遅れる」こと。

加えて(これまで否定的であった)空飛ぶクルマについても言及されていますが、ロードスター、そして空飛ぶクルマについては多くが語られなかったようですね。

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テスラが「25,000ドルのEV」に言及したのは6年前である

なお、テスラCEO、イーロン・マスク氏がこの「25,000ドルのEV」にはじめて言及したのは2018年で、その際には「バッテリー技術の向上と製造コストの削減が実現すれば、3年以内に2,000ドルの電気自動車を発売出来る」と述べ、その後2020年の「バッテリーデー」でも再び同様の発言を行っています。

しかし、最初の約束から6年が経過した今でも、その価格帯のテスラ車は登場しておらず、しかし中国車の猛攻にさらされるいま、この低価格EVは一つの救世主だとも見られていて、多くの投資家が期待をかけていたわけですね。

そしてその期待はメディアにとっても同様で、イーロン・マスクCEOはその到来についての質問を(うまく)かわしつつ、「まだ開発中で、その車両は自動運転が可能であり、(自走して乗客を拾うことで)所有者に収益をもたらすだろう」とも語っていたのが昨年まで。

ただ、今年に入り、イーロン・マスクは低価格モデルの話題を完全に避け、代わりに既存モデルの廉価版(おそらくはモデル3とモデルYの低コスト版)を作ることを示唆し始めることとなりますが、メディアがそれを報じるとイーロン・マスクCEOはその報道を否定し、さらに今週のテスラの最新の収支報告では、マス市場向けに手頃な価格のクルマを提供することは「馬鹿げている」し「無意味だ」と述べ、今回ついに「廉価版EV」の計画が完全に消滅したことを示しています。

テスラは「アメリカで最も安価なEV」を提供することを目指してきたが

収支報告会議では、イーロン・マスクCEOに「2万5000ドルの(通常の、そして非ロボタクシーとなる)車両はいつ発売されるのか」という質問が直接投げかけられていますが、これに対してイーロン・マスクCEOは(口ごもりながらも)「我々は未来が自動運転であることを非常に明確にしてきたと思う。つまりサイバーキャブが未来を作り、一般市場向けとしての25,000ドルのクルマは作らない」と答え、これまでに慎重に避けてきた、しかし何度も問われてきた質問に対する最終回等がなされています。

「基本的に、通常の(ロボタクシーではない)2,5000ドルモデルを作ることは無意味です。馬鹿げています。私たちが信じることとは完全に矛盾しています。」

ここで明らかになったのは、テスラが安価なクルマを作らず、その競争力の源を自動運転に置くということで、今回の株価上昇については、「テスラが価格競争に参加して体力を削るようなことをせず、別の収益源、かつ現在強みを持っている自動運転にその未来を見出している」という姿勢を評価したものだとも考えられます。

なお、テスラの自動運転については様々な見方がなされており、リコールが多数報じられることで否定的な捉えられ方をされることも少なくはなく、しかしイーロン・マスクCEOは「事故をゼロにする」と言ったことは一度もないのが真実であり、さらに繰り返し主張しているのは「テスラの自動運転は、人間が運転するよりも安全である(事故をゼロにすることはできないが、減らすことは出来る)」ということ。

実際のところ、下のグラフのように「テスラの自動運転(あるいはADAS)を利用した場合の、事故が発生するまでの距離」は年々長く(つまり長い距離を事故を起こさずに走れる)なっており、その間隔は「人が運転するよりも」ずっと長いことがわかり、これは大きく評価されてもいい部分ではないかとも考えています。

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