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テスラが直近の「好調な」業績を発表、株価が11%も上昇する。中国での販売が回復し”改めて”製品やサービスの優秀さが証明された形となる

テスラ

| テスラやアップルといった「革新的な先駆者」はライバルたちの追随を許さない |

いずれは追随者たちの離脱によって再び輝きを取り戻すこととなるであろう

さて、テスラが第3四半期の決算内容を発表し、その場でイーロン・マスクCEOが「利益率が向上した」「来年の販売台数が20-30%増加する」とコメントしたことで株価が急騰し、11%の値上がり(時間外取引)を記録しています。

なお、テスラは連日のようにネガティブな話題が報じられ、むしろポジティブな話題が聞かれないほどなのですが、それでも株価が下がるばかりが上がってゆくという不思議な傾向を持っていて、これは「アップル」と同じようなトレンドだと考えています。

テスラ
テスラを初期から支持してきた多くの投資家が保有株の売却に走る。「テスラの物語はすでに終わった。これまでのような成長は二度と見込めないだろう」

| 一方で「まだまだ上がる」という強気派も存在し、そのためテスラ株は一定のところからは下がらない | ボクとしては「サイバートラックの受け入れられ方があまりにひどかった」ことがテスラ株売却の直接の理由 ...

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なぜテスラ、アップルの株価は下がらないのか

どういうことかというと、アップルはスマートフォンの先駆者であり、一時は圧倒的な市場シェアを誇り、そして中国市場へと進出することでその販売を拡大していますが、その後、欧米はもちろん韓国そして中国のライバルたちによって大きく市場を侵食されることとなったわけですね。

ただしそこからはアップルウォッチはじめ様々な展開を行い、そして「スマートフォンと人々との生活」を統合する様々なソフトやアプリを提供することでぼくらの生活に浸透しその存在感を強めているわけですが、こういった展開によって「いかにライバルが多数登場しようとも」一定のポジションを確保し、踏みとどまるどころか一時的な「反撃」すら見せています。

そしてこれはテスラも同様で、一時は「唯一のEV選択肢」であったものの、今では(スマホ同様に)欧米や韓国、中国のライバルの猛攻にさらされ、中国市場でもシェアを奪われている状況ではありますが、「サイバートラック」「自動運転」「スーパーチャージャー」といった展開をもって一定の規模を維持しています(シェアは減っているが、EV市場が拡大する中でのシェア減少なので、成熟市場でのシェア減少とはわけが違う)。

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そういった理由によって「いかなる猛攻にさらされようとも」アップルそしてテスラの株価が大きく下がることはなく、これは先行者のひとつの特徴であるとも捉えていますが、先行者はもともと「なにもないところから市場を作り出す力」を持っていて、「それが人気があるからといって後から追ってくる追随者たち」とは根本的に異なるのかもしれません(よって先行者は、追ってくるものがあればそれよりも速く逃げることが出来るが、追随者は追うためのスピードを上げることができない)。

そしてあるいは、「先行者は確固たる長期的なビジョンを持ち、それに沿って行動しているが、追随者は単に先行者の製品を真似るだけで思想については理解せず、短期的な視野しか持っていない」と置き換えることも可能です。

結局のところ、どの自動車メーカーもテスラの真似をしてもテスラにはなれない。フォードがテスラの成功体験を再現しようとし、逆に1日で5000億円を失う
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| 他の自動車メーカーがテスラと同じことをしたとしても、結局それは表層だけのことでしかない | 何もないところから始めたテスラと、すでに環境ができあがっている既存自動車メーカーとでは事情がまったく異な ...

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テスラの直近の業績はこんな感じ

そこでテスラの直近の業績についてですが、第3四半期において1株あたりの利益はアナリスト予想の0.58ドルを大きく超えて0.72ドルへ、利益率は17.3%の予想に対して19.8%へ。

一方で売上高は253億7000万ドルの予想に対し251億8000万ドルにとどまるものの、前年同期比の233億5000万ドルを超えたこと、利益率が大幅に改善したこと(車両製造コストが過去最低の3万5100ドルに低下)から「危機を脱した」「現在の本業である自動車製造販売が回復してきた」と好意的に受け取られています。

なお、今回売上高が前年同期比を超え、利益率が向上したのは「中国市場での販売が回復したから」だとされ、これは多数の強力なライバルが登場し、「事実上の敗北宣言」を行った欧米の自動車メーカーとは大きな差異があり、テスラのEVの競争力が改めて示されたと考えて良さそうですね(これもアップルの状況とよく似ている)。

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「当初立てたEVの販売計画達成は無理」と正直に発表したGM。ガソリンエンジンへの継続投資に言及し「EVを買ってください」から「ガソリンもあって選択肢が豊富ですよ」へ
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Image:Chevrolet | ほかの自動車メーカー同様、「EVを買ってください」から「消費者が自由に選べる選択肢を揃える」方向へ | 結局のところ、お金を支払って製品を購入するのは消費者であり、 ...

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実際のところ、今回の会見については多くのアナリストがその内容、そしてテスラの取り組みを高く評価していて、いったん利益確定の後に売却、そして再度テスラ株を仕込んだぼくとしては今後に高い期待を寄せています。

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そろそろテスラ買おうかな(株の話だけど)。まだまだ短期では下がるだろうが、中期的に見ると成長余力のほうが大きそう。ようやくテスラの直近の戦略が見えてきた

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