テスラの2025年第1四半期の販売は「予想を遥かに下回り、2022年第4四半期以来最悪」の水準に。さらに状況を悪くしているのは「今後改善の見込みが低いこと」である

｜　いったん定着してしまったイーロン・マスク氏への「悪評」は簡単に消えそうにない　｜

もちろん、テスラの販売低迷はその「悪評」のみによるものではないが

さて、テスラが「予想よりも遥かに悪い」2025年第1四半期の決算を発表。

すでにイーロン・マスク氏の政治的行動によってテスラの販売が打撃を受けていることが報じられていたため、今回の決算が芳しくないことは予想されていましたが、アナリストの推測を基にブルームバーグが算出した「39万台」の販売予測を大幅に下回る336,681のみの納車にとどまり、これは前年同期比の386,810台から見て13％の減少です。

ほぼすべての指標が「テスラの崩壊」を示している

（前年同期比ではなく）四半期ごとの売上比較では「さらに悪い結果」となり、直前の2024年第4四半期には495,570台を納車しているため、2025年第1四半期の納車台数は前四半期比で32%以上の減少ということに。

毎年、第1四半期の売上は前年の第4四半期（Q4）より低くなる傾向があるものの、それでも2025年第1四半期はテスラにとって”2022年第2四半期以来最悪の納車実績”というショッキングな結果に終わっています、※欧州での販売は約43%減少、中国での販売も2桁の減少を記録している

なお、この結果の一因として、テスラが最近、工場の生産ラインを新型「モデルY」の製造に切り替えた（そのため製造期間に欠損が生じた）ことが挙げられ、現在テスラの製品ラインナップは5車種あるものの、「モデルS」「モデルX」「サイバートラック」の販売台数は全体に占める割合がごくわずかであり、この3車種を合わせても12,881台（Q1総納車数の4%未満）。

つまり、「モデルY」の生産が数週間滞ることは、想像以上にテスラの業績に大きな影響を与えたわけですね。※新型「テスラ・ロードスター」の納車は今回も0台

Q1 2025

Production: 362,615
Deliveries: 336,681
Energy storage deployments: 10.4 GWh

Our Q1 Company Update will be streamed live on X on April 22 at 4:30pm CT

→ https://t.co/NN9i3kWsHn

— Tesla (@Tesla) April 2, 2025

イーロン・マスクの政治的姿勢がテスラの購入者に悪影響を及ぼしている

ただ、テスラの2025年第1四半期の低調な業績について語る際、無視できないのが同社CEO、イーロン・マスク氏の存在で、様々な報道によると、イーロン・マスク氏は連邦政府の規制が自分の計画を妨げていることに怒りを覚え、極右政治の世界へと積極的に関与するようになった結果、ドナルド・トランプの再選を支援するために約3億ドル（約450億円）を投じたとされています。

そしてドナルド・トランプ政権誕生後も、イーロン・マスク氏は米国政府機関の大幅な削減を推進する「DOGE部門」を擁護するだけでなく、2025年のドイツ選挙や今週のウィスコンシン州最高裁判所選挙にも影響を与えようとしたと報じられることに。

この結果、多くの人々にとってテスラとマスクの政治的立場を切り離して考えることが不可能になりつつあり、そしてドナルド・トランプ大統領の支持率が低下するにつれ、イーロン・マスクの政治的活動がテスラの販売に悪影響を与えるという現象が生じているのが現在の状況です。

もちろんこれがQ1の販売低迷の唯一の要因ではないものの、全米で反テスラの抗議活動が増加する中、新車の販売が回復する見込みは低いと考えていいのかもしれません。

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