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一体誰が買うのかわからない中華系エレクトリックスポーツ「Qiantu K50」が米で発売に。「オーバークロックモード」でパワーアップも可能

2019/04/20

さすがにこのクルマに買う理由を見出すのは難しい

中国系新興エレクトリックスポーツカー「Qiantu K50」がついにアメリカで発売されることになり、ニューヨークモーターショーにて公開。

なおナンバープレートには「Mullen」の文字がありますが、これは開発に当たりカリフォルニア拠点のMullen Technologiesの協力を得たためとのことで、北米ではもしかすると「Mullen」ブランドを名乗るのかも(アメリカ人にとって”Qiantu”は覚えにくそう)。

このルックスで販売を成功させるのは難しいだろう

このQiantu K50はアルミニウム製のシャシーを採用し、ボディはカーボンファイバー製。
モーターは前後にマウントされて合計407馬力を発生しますが、「オーバークロックモード」を使用することで435馬力にまで増強可能だとされています。

なお、デュアルモーターというところから分かる通り駆動方式は4WDで、4輪トルクベクタリング機能を持っている、とのこと。

現時点でバッテリー容量や、一回の充電あたり走行可能距離については不明ではあるものの、バッテリーについては独自の温度管理技術を持っており、水冷システムによってクーリングを管理するほか、「ヒーティングシステム」によって寒冷時でもその温度を適切に保てるようです。

Qiantu K50のインテリアはこうなっている

そしてこちらはQiantu K50の内装。
アルカンターラをメインに使用したスポーティーなもので、シートには(バッテリー同様)ヒーターやクーリング機能を内蔵している、とのこと。

ステアリングコラム上にはメーターと兼用のディスプレイが見られ、センターコンソールにはテスラばりの巨大なタッチ式インフォテイメントシステムがあり、これによって様々な機能を調整できるようですね(そのため、物理スイッチは少ない)。

ルーフにはソーラーパネルを搭載し、これはバッテリーの充電ではなく主に室内の温度調整に用いられるそうで、とくに車内の気温上昇を防ぐための電力を供給する、とのこと。

現時点では価格についてのアナウンスはなく、しかし納車は2020年とされています。

なかなか中華系新興メーカーが成功するのは難しい

現在のところ、このQiantuのほか、テックルールズやファラデー・フューチャー、ルシード・モータースほか続々と中華系EVスタートアップが登場していますが、いずれも発売が難しかったり利益を出すのが難しい模様。

これは中国のビジネスモデルが原因とも言われ、というのも「将来の利益のために、目先の赤字は無視してガンガン投資をする」という”焼銭”ビジネスが影響しているとされ、ちょっと前に流行った中国のシェアサイクルはこの端的な例。

そもそもどうやって黒字化するのかというビジョンがないままに投資がなされ、CEOも投資家から黒字化のための手法を問われた際にも「今そんなことを聞かれても困る。現在はまずシェアを確保することが先だ」と答え、挙句の果てに事業から撤退した大手も。※投資ブームがこういった傾向をさらに後押し

その意味で中国のスタートアップは「起業を目的に」なにかを始め、具体的な計画もなくお金を注ぎ込みまくるという傾向があるようで(もちろん全てではない)、この先も色々出てきては消えゆくことになりそうです。※中国ではさらに「起業ブーム」ということもある

なお、中国の新興メーカーも様々な方法を模索していて、知名度を向上させるためにNIOのように「世界最速」を狙ったり、テックルールズのように「ジウジアーロデザイン」を採用するところも。

しかしながら今回のK50については、デザイン、出力、走行性能、テクノロジーいずれをとっても「見るべき点」はなく、セールスを成功させるのはかなり難しいんじゃないかと考えています。

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