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全世界における電気自動車の販売シェアが29%へと急増。原油高を背景にEV人気が急拡大、世界の「3台に一台が電気自動車」に

香港で見かけたボルボ
Life in the FAST LANE.

| 日本ではそこまで多くの電気自動車の姿を見かけるわけではないが |

逆に電気自動車ばかりの地域や国もあるはずである

米国の政治的な思惑や反EVの動き、そして一部の国や地域でのEV購入意欲減退が報じられる一方、ワールドワイドでの「電気自動車(EV)シフト」は過去最高レベルのスピードで加速していることが明らかに。

2026年7月30日、国際エネルギー機関(IEA)が公表した最新レポートによると、2026年における世界の新車販売に占めるEVの割合は約29%(およそ3台に1台)に達する見込みであることが明らかになり、米国や中国といった大国での自動車需要そのものの足踏みをものともせず、なぜ世界中でEVの普及が進んでいるのか。その裏にあるエネルギー危機や自動車業界の構造変化について考えてみましょう。

【この記事の要約】

  • 2026年世界のEV新車販売シェアが29%に達する見通し:国際エネルギー機関(IEA)の最新分析により、米国や中国での新車需要の落ち込みにもかかわらず、グローバル全体でEVシフトが加速していることが判明。
  • 新興国・欧州・ラテンアメリカが牽引:オーストラリア、ブラジル、インド、韓国、ベトナムなどで2026年3月〜6月のEV販売数が前年同期間の約2倍に急増。
  • 原油価格高騰とエネルギー危機が背景に:中東情勢の緊張化や地政学リスクに伴う世界的な燃料費高騰が、ガソリンに依存しないEVへの関心を強力に後押し。
  • 中国EVメーカーの世界的台頭:中国国内市場の鈍化を強力な輸出(前年同期比120%増)でカバー。バッテリー・ソフトウェア主導の製造コスト優位性が国外の既存自動車メーカーを脅かす。
香港にてBYDのEV

米国での政策的逆風と、それを上回るグローバル市場の爆発的成長

米国では共和党によるEVインセンティブの見直しや環境規制の緩和に伴い、国内のEV需要が一部減速していると報じられ、しかし視野をグローバル全体に広げるとEV市場の勢いはまったく衰えていないというのが現在地。

IEAの分析によると、ラテンアメリカ、欧州、東南アジア、オセアニア地域での需要拡大が世界全体を強力に牽引しており、オーストラリア、ブラジル、インド、韓国、ベトナムといった国々では2026年3月〜6月のEV販売台数が前年同期比で約2倍(200%)に急増したことがわかっています。

中国国内の(全パワートレーン含む)自動車需要自体は減速を見せているものの、新車販売におけるEV比率は2026年には60%を超えると予測されており、依然として世界最大級の巨大EV市場であり続けていることも明らかに(ただ、ここでいうEVとは、PHEVやレンジエクステンダーEVが含まれるものと思われる)。

燃料費高騰と世界的なエネルギー危機がEV需要を再加熱

なぜこれほどまでに世界中でEVへの乗り換えが進んでいるのか?

大きな要因として指摘されているのが世界的なガソリン・燃料価格の高騰(エネルギー危機)で、世界の年間原油消費量の約半分は道路輸送(自動車)が占めていおり、しかし中東情勢の緊張化やホルムズ海峡・バブ・エル・マンデブ海峡といった海上物流ルートの混乱に伴い、原油供給のリスクが世界中で顕在化しているという状況が挙げられます。

さらにはロシアでの燃料不足、オーストラリアでの製油所新設計画、アジアやアフリカ、南米の先進国・新興国における燃料価格の高騰は日常の暮らしを直撃していて、「中東情勢や原油価格に依存しない移動手段」としてのEVの価値が再評価されている、という風潮があるもよう。

中国車(ファーウェイのショールームにて)
Life in the FAST LANE.

2026年グローバルEV市場の主要データ

項目データ・詳細
2026年グローバルEV新車販売予測シェア29%(前年比で約10%ポイントのシェア増加)
成長を牽引する主要国(3〜6月期販売数)オーストラリア、ブラジル、インド、韓国、ベトナム等(前年同期比約200%)
中国市場におけるEV販売予測シェア60%以上(新車登録に占める割合)
2026年上半期の中国EV輸出台数成長率前年同期比 120%以上増加
中国の自動車輸出に占めるEV比率35%(2025年) ➔ 45%(2026年上半期)

中国EVメーカーの台頭と既存大手メーカー(レガシーメーカー)の苦境

今回のIEAレポートで特に強調されているのが、「自動車産業の主役の交代」で、伝統的なガソリン車・内燃機関(ICE)市場では、日米欧の既存自動車メーカー(レガシーメーカー、フォードやフォルクスワーゲン、トヨタなど)が約98%という圧倒的なシェアを保持しています。しかし、EV市場においては様相が一変し、既存メーカーのシェアは全体の55%程度にとどまっているという現状も。

【内燃機関(ガソリン・ディーゼル車)市場シェア】
既存自動車メーカー: 98%
新興・その他メーカー: 2%

【グローバルEV市場シェア】
既存自動車メーカー: 55%
中国・新興EVメーカー等: 45%
中国車
Life in the FAST LANE.

なぜ中国系EVメーカーが圧倒的に優位なのか?

  1. 価値の中心の変化:自動車の付加価値が「エンジンやトランスミッション」といった機械技術から、「バッテリー、制御電子機器、ソフトウェア」へとシフトした。
  2. サプライチェーンの垂直統合:中国メーカーはバッテリーの原材料調達から製造までの一連のサプライチェーンを国内で完結させている。
  3. 圧倒的なコスト優位性:中国メーカーのEV生産コストは、欧米などの先進国市場と比較して約35%低いと分析されています。

中国国内で競争力を磨いたBYDをはじめとする中国EVメーカーは、国内市場の成長鈍化分を「海外輸出(新興国や欧州市場へ前年比120%増で出荷)」によって補うことでグローバル規模での市場シェアを急速に拡大させており、世界中の市場で「安価な中国製EV」が溢れたこともまた、ワールドワイドでEVの販売比率が増えている理由のひとつなのかもしれません。

結論

政治的思惑や一部地域での市場の波に関わらず、2026年の自動車市場は「新車販売のほぼ3台に1台がEV」という新たなフェーズへと確実に突入しています。

エンジン技術で何十年も世界をリードしてきた既存の自動車メーカーにとって、バッテリー技術とソフトウェア、そして圧倒的なコスト効率を武器にする中国系メーカーの攻勢は極めて大きな脅威であり、この競争の格差を埋めるためには各国の政府と自動車業界が連携し、安定的かつ強力なエコシステムの構築や生産効率の抜本的な見直しを進める必要があるものと考えられ、「クルマの価値そのものが根本から変わるいまの時代」において、今後の自動車業界の勢力図がどのように塗り替えられてゆくのかに注目が集まります。

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参照:jalopnik

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