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なかなかEVが一般化する日は来ない?米ではあとをたたないEVスペースに駐車するガソリン車に罰金、VWは「一台売って38万の赤字」

2019/05/24

| なぜエレクトリック化は「予想した通りに」進まないのか |

現在、世界中の自動車メーカーが進める「エレクトリック化」。
特に熱心なのはフォルクスワーゲングループですが、BMWやメルセデス・ベンツもそれに続く形です。

一方、消費者ではEVに関心があるという割合は高くなく、メーカー側がEVを発売しても思ったほど売れずに「笛ふけど踊らず」な状態。

EVは必ずしも消費者が求めているわけではない

そして世間ではEVに対する理解も高くはなく、EV専用スペースに駐車するガソリン車があとをたたず(日本でも同じ)、EVの充電スタンドも不足しており、その運用に関する問題も指摘されている状態。

エレクトリック化は自動車メーカーにとって「どんどんきつくなる環境規制」から逃れるための一つの方法であり、またいずれはやってくると信じられている「完全電動化時代」に乗り遅れることはできないというメーカー側の焦りから来るもので、「実際に消費者が求めているものではない」というのがかなり危険なのでは、と思うことも。

つまりはEVが供給過剰になったり、「EVを作っても売れないメーカー」が出て来ることが懸念され、投資したぶんが負の資産として重くのしかかって来る可能性をはらんでいるということですね。
加えてEVはどの自動車メーカーにとっても「ゼロからのスタート」であり、ガソリンエンジンに関してこれまで積み上げてきた技術的資産も「すべて無意味」に。

消費者の理解もEV社会化を妨げている

それはそうとして、「メーカーと消費者」同様に「インフラと消費者」との間にもギャップがあり、大きな問題は上述のように「EV専用スペースに駐車するガソリン車」。

これは「アイシング(ICEing)」と呼ばれる行為で米国では大きな問題となっており(ICEとはインターナル・コンバスチョン・エンジン、つまりガソリン車の意味)、これに対応すべくコロラド州ではEV専用スペースに駐車するガソリン車に対して反則金を課すことを決定した、との報道がなされています。

おそらく今後はこれに倣う州も出て来ると思いますが、全世界的な問題となる日も近いのかもしれません(逆にEVは少数派なので、EVの立場を悪くする可能性もある)。

フォルクスワーゲンは「IDシリーズを一台売るごとに赤字」

そしてEV普及に関する別の、そして大きな問題は「バッテリー価格が下がらない」こと。
各自動車メーカーともバッテリー価格はいずれ下がると踏んでいたものの、自動車メーカーが一斉にエレクトリック化に踏み切ったためにバッテリー需要が急増し、むしろ「需給のバランスが崩れて」バッテリー価格が高騰することに。

よって、フォルクスワーゲンは自社のエレクトリックブランド「I.D.(ハッチバック)」の車を一台売るごとに「38万円の赤字が出る」としています。

しかしながら赤字をカバーするために販売価格を上げると今度は「車が売れなくなり」、よってフォルクスワーゲンは先日発表したように、普及のため「どのメーカーでもI.D.のプラットフォームを使ってくれて構わない(もちろん有料で)」という方向性に切り替えたのでしょうね。※プラットフォーム使用料販売や、普及による量産効果を狙っている

とにかく「思うように進まない」のがエレクトリック化ですが、このまま行くと「エレクトリック化を見送る」メーカーすら出てきそうです。

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