| 人々はなぜEVを嫌ったり甘く見たりするのか |
クロアチアの郊外にて、「電気自動車がガソリンスタンドを占拠する」という事件が発生。
電気自動車なのでガソリン給油とは無縁のはずですが、いったいなぜ?という疑問を抱きますよね。
この出来事は、ガソリンエンジン車が「電気自動車用の充電スタンドを占拠して充電できなくする」、アイシング(ICING / ICE-ing)という行為が頻発することに対して抗議を行ったものだそう(抗議の場となったガソリンスタンドはちょっとした迷惑ですが)。
アイシングはこんな行為
まず、アイシングの語源でもあるアイス(ICE)とは”internal combustion engine”の略で、つまるところ内燃機関つまりガソリンもしくはディーゼルエンジン搭載車。
これらのクルマがテスラ専用充電器「スーパーチャージャー」、一般のEV用公共充電施設の前にデデンと駐車し、EVの充電ができなくなる行為が「アイシング」。
日本ではこれを意図的に行う人は少ないと認識していて、しかし「知らずしらず」EV専用充電スペースに駐車するガソリン/ディーゼル車もあるようです。
もしくは、EV専用充電スペースは、混雑したショッピングセンターや、満車状態の駐車場でも空いていることが多いので、「わかっていながら」そこへ駐車する人も多いようですね。※ぼくはEV(BMW i3)に乗っていた頃、それが嫌だった
そしてアメリカのアイシングは主にトラックにて行われる事が多く、なぜか一部アメリカ人はテスラのことを大変憎んでいることが常々報じられ、これまでにも多くの「テスラに対する嫌がらせ」動画が公開されています(見ていて気分が悪くなるほど)。
【動画】なぜ人々はテスラを憎悪するのか?現実世界ではテスラを傷つける人多数、ネット上ではヘイト投稿の対象に。テスラ女子が問題を提起する
こちらはトレーラーを横に並べて充電器をブロック。
欧州でもアイシング。
そして中国でも問題に(よって、テスラ以外だと駐車できないようなロック板が設置)。
ただ、中国の場合は、嫌がらせというよりは、「そこが便利だから」という理由でEV専用スペースに駐車しているのかも。
中国にて、「テスラ専用充電スペース」に他のクルマが駐車できないよう(テスラ車のみ解除できる)電子ブロックが設置される。そろそろ日本でも同様の問題が出てきそう
今回は「逆アイシング」
こんな感じで「アイシング」は世界中で問題化していて、おそらくは充電器前での小競り合いがあったりするのだと思いますが、「充電できない」というのはEVオーナーにとって死活問題。
EV専用スペースに停めているガソリン車オーナーの多くは「悪意があって、意図的に」そうしていると思われるので、「どかせやオラァァァ!」と怒鳴ると喧嘩になるのは必至。
仮にどいてくれたとしても、そこへ駐車した自分のクルマをあとで傷つけられるのはまちがいなく、EVオーナーとしては「アイシングに対抗できない」というのが実情です。
よって今回の抗議と相成り、集まったのはBMW i3、テスラ・モデルS、フォルクスワーゲン e-ゴルフ/e-up!、日産リーフ、ヒュンダイ・コナ・エレクトリック、スマート・フォーツー・エレクトリックドライブなど。
今回の首謀者によると、スローガンは「リベンジ・オブ・ザ・エレクトリックカー!」。
これに賛同した電気自動車が集結したということになりますが、ガソリンスタンドを占拠したのは6分間。
だれかを困らせることが意図ではなく、エレクトリックカーがこういった嫌がらせにあっているということを世に知らしめることが目的であったといいますが、この抗議活動についてはけっこうな拡散がなされており、それなりの効果があったとも言えそうですね。