| さすがオレたちのジャガー |
ジャガーのデザイナーは前任のイアン・カラム氏からジュリアン・トムソン氏へとバトンタッチしていますが、その最初の作品がフェイスリフトを受けたばかりのジャガーF-Type。
そして今回、そのジュリアン・トムソン氏がCar Throttleに対し、「ドイツの自動車メーカーの多くは、中国の嗜好にあわせてフロントグリルを巨大化させているが、それはスマートではない」とコメント。
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なにもかも中国が変えてしまった
このコメントを見るに「巨大化するフロントグリル」は中国市場を重視したがためというのが業界の常識だということになりそうですが、メルセデス・ベンツやBMW、アウディの「金太郎飴デザイン」もまた中国市場重視であるがためだと語られており、つまりは「中国マーケットの巨大化が世界中の自動車メーカーのデザインを変えてしまった」ということになりそう。
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さらにジュリアン・トムソン氏は「中国における第一世代、もしくは第2世代の自動車オーナーは”ブランド”に取り憑かれている。そのために多くの自動車メーカーはブランドを強調したいがために行き過ぎた表現を採用していると言わざるを得ない。あまりに主張が過ぎているが、我々はそれに倣うつもりはない」。
実際のところメルセデス・ベンツ、BMW、アウディはどんどんフロントグリルを拡大させていて、とくにBMWはその傾向が顕著。
この理由としては、BMWグループに属するロールスロイスが持つ巨大な「パルテノングリル」が中国で大きな人気を博したことが関係していると思われ、ロールスロイスに続けということになったのかもしれません。
ただ、こういった「中国重視」については商業主義的な理由がつきまとうため、欧米や日本の消費者は「中国市場のために大きくなった」フロントグリル、ひいてはそういったメーカーの姿勢を嫌う可能性も。
よって中国で売れたとしても他地域の販売が下がる可能性があり、そして将来的に中国市場での販売が落ちてきて「欧米市場重視」に再度シフトしたとしても、すでに欧米のユーザーはそういった「日和見的な」ブランドに対して魅力を感じないのかもしれませんね。
つまるところ、「利益のためにデザインを行うと」近い将来にそのツケを払うことになるのかもしれず、よって自動車メーカーは外部にまどわされず「自分たちのブランドの成長のために」デザインを行うべきなのだと思われます。