| もはやこの流れは誰にも止めることはできないだろう |
恐れていたことが現実になった、とはまさにこのこと。
ここ最近、メルセデス・ベンツSクラスなど主にドイツ車のリーク画像を届けてくれていたインスタグラムアカウント、@cochespiasから新型BMW 4シリーズと思われる車両の画像が公開に。
新型BMW 4シリーズはコンセプト4(下の画像)のデザインを色濃く反映したデザインが与えられると言われており、そのキドニーグリルはまさに「巨大」。
しかし今回捉えられたプロトタイプを見るに、新型BMW 4シリーズは、コンセプト4よりもさらに巨大なフロントグリルを持っているようにも見えます。
一瞬フェイクでは?とも思ったものの、フロントグリル下半分横のダクト、その横にある縦方向のプレスラインなどがあまりに「コンセプト4そっくり」。
そして周囲にある車両などから判断しても、これは「本物の可能性が高い」と考えています。
BMWは中国市場を獲得するためになりふりかまわぬ策に?
なお、現在各社がフロントグリルを大きくする理由としては「中国市場対策」。
比較的古い市場である欧州や北米、日本ではエンブレムを見るとそのブランドがわかり、そのデザインからもなんとなく「これはどのブランドのクルマ」ということを多くの人々が判別可能。
ただし「最近になって、はじめてのクルマを購入する人が増えた」中国においては、そのクルマをパっと見てもどこの国のどのブランドのクルマなのかを認識することができず、そこで各社とも「独自のフロントグリルを持つ、そしてフロントグリルの押し出しを強めて他社よりも目立つ」というデザインをこぞって採用。
加えてブランドとしての統一感を出すための戦略が「金太郎飴」であったわけですが、BMWはこれから新たな領域に踏み込むと見られ、それは今回のリーク画像、コンセプト4のような「巨大キドニーグリル」。
なお、コンセプト4では左右が分割されて「キドニー」のように見えるものの、このリーク画像では左右が連結しており、もはや「キドニー」とは呼べないレベルに達しています。
アウディCEO「今後、金太郎飴デザインはやめる」。なお金太郎飴は中国市場のためだったことも判明
なぜ中国ではイカツい顔が好まれる?
そしてなぜ中国人がこういった押し出しの強い顔を好むのかということですが、まず1つ目として「中国人はブランド中毒である」こと。
ブランド品をこよなく愛し、しかも自分が持つバッグや靴、服が「どこのブランドのものであるか」をアピールすることに執着していて、それが近年の「アグリーファッション」「ロゴのデカイいバッグや服」につながっていると言われています。
それはクルマでも同様で、より大きく、より迫力のあるクルマが好まれる傾向にあり、これは「メンツ」を重視する中国人の慣習が影響しているのではと考えられている模様。
実際にロールスロイスのパルテノングリルは中国人に非常にウケが良く、ロールスロイスを傘下に収めるBMWはそれを如実に感じているのだと思われますが、それが「7シリーズやX7、X6、X5のキドニーグリルの巨大化」にも現れているのかもしれません。
そしてBMWはこの方向性からビタイチ退くことは考えておらず、むしろ「グリル巨大化」へと向けて動くことになっているというのが現在の状況でもあります。
BMWのデザイナー「成功しているときこそ変わるのだ。我々は前に進む必要があり、巨大キドニーグリルは変革の象徴である」。BMWは一歩も引く気はないらしい
もちろんこういった流れに反対するメーカーも多く、ジャガーはこういった傾向に意義を唱え、「グリルを巨大化せない宣言」を出したほど。
なお、こちらは新型4シリーズのリア。
フロントグリルのインナー形状、このリアバンパーサイドのエアアウトレットからして「上位(スポーツ)モデル」であることが推測できます。
そしてやはり「コンセプト4」によく似たデザインを持っていて、テールランプなど各エレメントが(キドニーグリルの大きさに合わせてか)ダイナミックなデザインとなっているようですね。
まだまだ全体像がわからないのでナントモではありますが、「BMW」という先入観を捨ててしまえば、意外とカッコイイんじゃないか、とも考えたりします。
VIA: CocheSpias