| ウワサには聞いていたが、交通違反取り締まりノルマの厳しさは本当だったようだ |
さて、北海道警察の吉本潤警部補が交通違反の取締において、対象の車両が実際には速度違反をしていないのに「速度違反をしたかのようにデータを捏造」していたとして書類送検された、というニュース。
えっ、そんなことできるの?という感じですが、パトカーを走行させた状態でレーザーを電柱等に照射することでデータを偽造し、そのデータをもって「一般車が速度違反をしたかのように見せかけていた」と報じられています。
新型オービスの悪用?
なお、現在はいわゆる「新型オービス」「移動式オービス」と呼ばれるレーザー式オービスが普及しつつあり、これはその名から分かる通り簡単に移動させることができるのが特徴。※正式名称は「可搬式速度違反自動取締装置」
従来のオービスであれば、道路の上や横の方に固定され「電波」を使用して取締りを行っていものの、この移動式オービスは「レーザー」を使用しておりピンポイントで対象を定められること、そしてパトカーに積んで簡単に移動させることができるため、今回の「データ偽造」についてはこの特徴を悪用した、ということになりそう。
そこでなぜこの警部補がデータ偽造を行ったのかということですが、「実績をあげたかった」と語っていると報じられており、つまりノルマを達成したかったがために罪なき人々を罪人にしてしまったということなのかもしれません(捏造データの対象となった人々のすべてが無実はいえないとは思うけれど)。
この警部補は「逮捕」されているので懲戒免職になるんじゃないかと考えていて、年齢は58歳だと報じられており、あと2年過ごせば手厚い退職金がもらえたのに、つまらないことでそれをフイにしてしまうことにもなりそうです(ただ、警察は身内に甘いので、なんらかの音写的措置が取られる可能性も高い)。
データの偽造は最低でも47件
そして報道によると、データ捏造はわかっている範囲で47件。
北海道警察は違反点数の取り消しや反則金の返還を進めているといいますが、これが一般企業であればかなりな大問題になっているはずで、しかも今回は国家権力たる警察が一方的に罪なき人を断罪したということになり、もっと責任が追及されてもいいんじゃないかと思いますが、大人の事情によってなのかほとんど報道されることはなく、北海道警察の記者会見、謝罪コメントも今のところ無いようです。
なお、今回の事件を受け、(国家公安委員会)小此木八郎委員長は「取締り機器の改良」も検討すると述べていますが、この事件の闇は深そうで、かつ「なぜバレたのか」もちょっと気になるところです。
参照:STV News(1), STV News(2) , オービスガイド全国調査員