| ただしそのコストや安全性、実用性を考えると絶対に普及するとは思えない |
さて、素人が考えても(実現はできても)実用化は無理だとわかる「空飛ぶクルマ」。
ただし多くの自動車メーカー、そしてスタートアップはここに活路を見い出しており、多くの投資を行う場合もあるようです。
そして今回はステファン・クライン氏なる人物が自身で「AirCar(エアカー)なる空飛ぶクルマを製作し、実際に「走行」と「飛行」とを実現するという快挙を成し遂げることに。
空飛ぶクルマはこうやって飛ぶ
まず、こちらは「走行形態」のエアカー。
尾翼がビヨーンと後ろに伸びて折り畳まれた主翼が展開開始。
変形完了!
上から見るとこう。
こちらは変形前ですね。
こちらが変形後。
尾翼はこんな感じで後方に伸びます。
こちらは主翼展開中。
かなり複雑な動きを見せており、折り畳み部や可動部の強度確保が難しいとは思うものの、このエアカーではしっかり担保されているようですね。
コクピットはこんな感じ。
滑走開始!
速度を乗せて・・・。
飛んだァァァ!
プロペラはさほど大きくないように見えますが、このプロペラでよくこのサイズの機体というか車体を飛ばせるものだと驚かされます。
「ちょっと飛んだ」というレベルではなく、飛行機呼べるほどの性能を持つようですね。
凄いなこのエアカー・・・。
空飛ぶクルマはおそらく実現できない
なお、現在は米ボーイングや仏エアバスが研究しているものの、今のところは「ちょっと浮いた」という状態。
これは垂直離着陸に限っての話ですが、今回のエアカーのように滑走路を要するのでは実用性に乏しく、ほとんどのメーカーが取り組んでいるのがこの形式です。
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このほかにも多くの会社が空飛ぶクルマへと参入しているものの、その価格や安全性を考えるとまず普及しないだろうと思われるのが空飛ぶクルマ。
一時期ドローンやセグウェイ(懐かしいな・・・)が様々なソリューションだとされ「未来」と見做されたものの、法規制等によって普及しなかったのと同様、空飛ぶクルマも「まず実用化は無理だろうな」と考えています。
参照: KleinVision - YouTube