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どこまで下がるテスラの株価!株価急落の一因とされる「シェア低下」はさほど問題ではないとボクが考え、最終的に残るのはテスラだと考える理由

2021/03/09

新型テスラ・ロードスター

| これくらいの下げ幅であればまだまだ耐えることができる |

さて、現在株価が絶賛下降中のテスラ。

その要因はいくつかあるとされますが、大きく分けると「シェア縮小」「ビットコインへの投資」「チップ(半導体)不足による生産減少」あたりだと言われています。

ただ、ぼくとしてはそんなに心配しておらず、(株価が安いときに仕込んだということもありますが)じき持ち直すだろう、とも考えているわけですね。

テスラのシェア縮小はそこまで大きな問題ではない

まず、シェア縮小という点ですが、これについては「数字だけに惑わされてはならない」とも考えています。

CNNの報道によると、テスラの米国市場に置けるシェアが(2月において)前年の81%から69%へと減少したと報じており、これが「テスラの販売不振」だと捉えられ、今回テスラ株が売られた模様。

EV市場はガソリン車市場とは異なる

ただ、EV市場はガソリン車のように「成熟マーケット」ではないため、決まった市場規模の中で各社がパイを取り合うのではなく、市場規模そのものが成長段階にあります。

たとえば、世界自動車市場が9000万台の規模だとして、そのうちEVの販売台数はおおよそ170万台くらい。

つまり全体の1.9%くらいしかEVの占有がなく、しかしたびたび報じられているように、今後は非常に速い速度でEVの販売が増加することが予想されます。

もちろん、この市場拡大を狙って既存自動車メーカーや、アップルのような異業種、はたまた新興自動車メーカーなどが続々と参入を果たすことになるので、消費者にとっての選択肢が増加し、必然的に「これまで独占状態だった」テスラのシェアは侵食されてゆくことに。

テスラ・モデル3

中国市場では格安EVが台頭中

実際のところ、中国では上海汽車の発売する小型EV「宏光ミニ」が2021年1月に25,778台を販売し、テスラ・モデル3の13,843台に大きく差をつけ、これを「テスラの危機」とする報道も多く見られたものの、この宏光ミニの価格は現地で50万円以下、一回の充電あたり航続可能距離は約190km、最高速度は100km/hなので、そもそも強豪相手ではないということに。※記事を作成するライターも、そもそも両者が競合しないことを理解しており、しかしアクセス確保のためのクリックベイトとしてテスラの名を出したのだと思われる

そして「シェア」の話に戻ると、たとえばEVの市場規模が170万台だとして、その中でテスラが50万台だとすると、おおよそ29%を占めているということになります。

そして、2021年にEVの世界販売が500万台に増加したとして、テスラのシェアが半分の15%に落ちたとしても75万台を販売していることになり、つまり販売台数ベースでは50%増加。

上述の通り、EV市場は「パイの取り合い」ではなく、市場規模そのものが拡大しており、安価なEVやプレミアムEV、業務用EVなど多様化してゆくことになるので、その状況の中でシェアのみを云々するのはナンセンスである(シェアが下がっても販売台数が増加するケースがある)ということですね。

実際のところ、シェアを大きく落とした2月の米国市場においても、テスラは5.4%販売を増加させている、というレポートも。

ただし今後、テスラを取り巻く環境が厳しくなるのは必至

しかしながら多くの既存・新興自動車メーカーがテスラに照準を合わせていることは間違いなく、アウディe-tron、ポルシェ・タイカン、マスタング・マッハEといったモデルSやモデルXの対抗馬、ヒュンダイ・コナEV、フォルクスワーゲンID.3といったモデルYやモデル3のライバルたちも登場しており、テスラが苦戦を強いられるのは間違いないと思われます。

この環境でテスラが優位を発揮できるかどうかは「持続性」にかかっているとも考えられ、これはテスラよりもほかのメーカーに要求される要素かもしれません。

現在、市場は「EVの選択肢」に対してハングリーなので、新しいEVが登場すればそれに飛びつくかもしれませんが、イノベーターやアーリーアダプターが購入したのちに「マジョリティ」にまでそれが拡大するのかどうかは不明です。

この拡大に際しては様々な要素があり、世界中での販売網や生産体制など多種多様な要素を含みます。

おそらく新興EVメーカーは持続可能性が高くない

この点、既存の自動車メーカーはすでにガソリン車生産や販売・輸送の手法を確立しているのでそれをEV向けにアレンジするだけでOKですが、アップルやリヴィアン、ルーシッドといった「新参者」はこれを行うことが非常に困難。

反面、テスラは先駆者であるために多くの投資を集めることができ、それによってアメリカ以外にも中国、ドイツ、そして次はウワサされるインドにもギガファクトリーを建設し、その体制をどんどん拡大しています。

加えて、将来的に不足するであろうバッテリーについても自前での生産体制を整えており、これらによって生産コストがどんどん下がるのはまず間違いなさそうですが、製造やバッテリーを外部に頼っていると、コストが下がらず(むしろバッテリー価格の上昇に伴ってコストが増加するかも)、生産もままならない状態が続くかもしれません。

つまりテスラは「自分たちでコントロールできる範囲を拡大している」と考えることができ、ここが将来的な強みとなる可能性がありそうですね。

テスラの株価はまだまだ上がる?

加えて、テスラはすでに一定の認知度、そして中古車市場が形成されているものの、新興メーカーについては「そうではなく」、こういった不安定さから数年内には相当数が消滅すると予測。

二番手以降は世界的に展開するための投資を集めることは難しいものと思われ、局地展開に終わる可能性もあり、そうなると知名度も上がらないままに「消え去る」ことになるのかもしれません。

テスラの株価下落につき、投資家が”EV業界がレッドオーシャンになりつつある”と判断しているとすれば、なおさら「テスラ以降」の会社に投資する傾向が縮小されることになり、各社にとって厳しい状況となってしまい、そしてそういった状況は「テスラよりも他の振興EVメーカーを直撃するだろう」と考えていますが、それはEV関連銘柄のIPO後の株価が急落するケースが多いことからも見て取ることが可能です。

よって、「テスラの株価がバブル」というよりは、「EV業界や、第二のテスラに期待する状況そのものがバブル」だとも考えており、振興電気自動車メーカーからは「第二のテスラ」が登場することはなく、テスラのライバルが登場するとすれば、それは知名度や販売網、生産設備に勝る既存自動車メーカーだろうと考えているわけですね。

ただし既存自動車メーカーは非常にドライ

ただ、既存自動車メーカーも現在大きな構造変革に迫られており、多額のコストが発生しているのもまた事実。

よって、現在殆どの自動車メーカーが車種整理に動いており、EVへと資源を集中させることとなっていますが、売れない車種はバンバン削減しているといった状況に。

多くの部門を閉鎖し、解雇まで行わざるを得ない状況において、不採算なクルマを存続させることはビジネス的に許されないというのがその理由で、これは今後EVにも適用されることになるのかもしれません。

実際のところ、BMWは「サステイナブル」を掲げて発進させたiブランドにつき、i8は販売終了、そしてi3も後継ナシといった「サステイナブルではない」結果に。

そしてメルセデス・ベンツもこのままだとEQCを早々にドロップさせざるを得なくなり、「EQA」については大きく計画を変更し、EV専用プラットフォームではなく、既存(先代)GLAを転用して発売しています。

つまりは計画や車種についても「持続可能性が低い」ということになり、この状況では市場も安定せず、消費者も安心してEVを購入することができないかもしれません。

反面、テスラは「4車種」というシンプルな構成を持ち、これらを持続させることでプレゼンスを高めているということになりますが、他社のEVがどんどんコンセプトを変更したり入れ替えられたりする中、安定したラインアップをもつテスラがクローズアップされてもおかしくはなさそうですね。

テスラ・スーパーチャージャー

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この後テスラの株価はどうなる?

そこで気になるテスラの今後の株価ですが、いったん下がった後に「また戻す」と考えています。

その理由としては「ライバルが淘汰され、テスラのみが(新興EVメーカーの中で)生き残り、テスラに再度注目が集まる」と考えていることがまずひとつ。

もうひとつはテスラが「自前でできること」を増やしつつ、送電事業への参入など、既存自動車メーカーの一歩先を行っていること。

ちなみにテスラCEO、イーロン・マスク氏は人類への貢献意欲が強く、とくに「インターネット」「クリーン・エネルギー」「宇宙」が人類に進歩をもたらすと考えていたそうですが、その後に立ち上げた会社「Zip2」「X.com」の売却などで得た資金をもとに「スペースX」を設立。

その後はテスラ・モーターズに出資しCEOに就任、というのが今までの流れとなっていて、「インターネット」「クリーン・エネルギー」「宇宙」を見事に追求しており、一切ブレない思想を持っている、と考えられます。

ここで注目すべきは、同氏の理想の中に「自動車」は入っておらず、自動車は「クリーンエネルギー」を推進するためのひとつの手段にしか過ぎないと考えられることで、テスラの最終目的は「自動車を売って利益を得るというビジネスではない」というビジョンも容易に想像ができ、現時点でもそのための準備を着々と進めているのでしょうね。

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参照:CNN, Business Insider,etc.

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