■そのほか自動車関連/ネタなど

人気バンド、マルーン5のヴォーカルであるアダム・レヴィーンが自身のフェラーリ2台とクラシックマセラティを交換→マセラティが偽物だと発覚し訴訟へと発展

2023/03/04

マセラティ

| クラシックカーの売買には常にリスクが伴っている |

現時点ではまだ訴訟は決着しておらず、ことの真偽はわからない

さて、米人気バンド、マルーン5のフロントマン、アダム・レヴィーンが「フェラーリとマセラティとの交換に際し、条件と異なる車両を掴まされた」として交換を仲介したディーラーを相手取って100万ドル(現在の為替レートにて約1億3650万円)の訴訟を起こしたとの報道。

ことの発端は、アダム・レヴィーンが所有していた「1972年製フェラーリ365GTC/4と1968年製フェラーリ365GTCの2台+10万ドル」と、「1971年式マセラティ・ギブリ4.9リッタースパイダーSS」1台との交換を行うという契約に基づいたトレードだと報じられています。

アダム・レヴィーンはカーマニアとしても知られている

なお、アダム・レヴィーンはカーマニア、特にクラシックカーマニアとしても知られており、過去にはポルシェにゲストとして呼ばれたことも。

そんな彼が上述のとおりのトレードを行ったわけですが、その後、入手した「1971年式マセラティ・ギブリ4.9リッタースパイダーSS」が実際には契約の対象となった車両ではなかったということが発覚し、今回の訴訟へと発展しているわけですね。

当時この1971年式マセラティ・ギブリ4.9リッタースパイダーSSは85万ドルの価値があると評価されており、2020年12月に「フェラーリ2台+10万ドルと、マセラティ1台」との交換がなされています。

交換を仲介したクラシックカー・ディーラーのリック・コールは、この1971年式マセラティ・ギブリ4.9リッタースパイダーSSの車台番号(VIN)をAM115.492.1241だと表記しており、しかしその後、同じVINを持つ1971年式マセラティ・ギブリ4.9リッタースパイダーSSがヨーロッパに存在していることが判明し、こちらのほうが「本物」だとわかることに。

つまりアダム・ラヴィーンは「偽物の」1971年式マセラティ・ギブリ4.9リッタースパイダーSSを渡されたということになりますが、アダム・レヴィーンは少なくとも85万ドルの損害賠償、あるいは95万ドルの取引を取り消して「原状回復」するように求めています。

2

どこかでこのマセラティは車台番号が偽造される

なお、この1971年式マセラティ・ギブリ4.9リッタースパイダーSSが「フェイク」だと判明したのは、アダム・レヴィーンがこの車両を売りに出そうとした際だと報じられており、販売に際して車両をチェックしたところ、車台番号の刻印が「この時代には使用されていない」方法でなされていたことから調査を進めたところ、「本物」が欧州に存在し、そしてアダム・レヴィーンが入手した個体は2015年にオークションにて落札されたのち、「誰かが、どこかで」ニセの車台番号を植え付けたものだということが明るみに出たわけですね。

ただし全てが明確になったわけではなく、現時点ではアダム・レヴィーン側の主張を信じるしか無いわけですが、今回アダム・レヴィーンがこのマセラティを売りに出そうとしたところ、(このマセラティを斡旋した)クラシックカー・ディーラーのリック・コールが何度も「そのクルマを売らないほうがいい」とアダム・レヴィーンに働きかけたとも(アダム・ラヴィーンの)弁護士によって主張されているので、リック・コールはこのマセラティの車台番号がフェイクだと知っていたのかもしれません。

こういった事例を見るとクラシックカーの売買には常にリスクが伴い、よってたとえ割高になるとしても由緒あるオークション経由にて購入するか、それがかなわないのであれば複数の鑑定人にそのクルマの調査を依頼したり、という自己防衛手段を講じるしかなさそうですね。

1

合わせて読みたい、関連投稿

フェラーリF50
アメリカの税関が「車台番号改ざん」の疑いがあるF50を押収。フェラーリの協力のもと調査した結果「2名のオーナー」が重複していることがわかり所有権を裁判で争うことに

| 負けたほうはとんでもない金額を失うことになりそうだ | さて、「所有者と名乗る人物が2名いる」フェラーリF50が話題に。いったんどういうことなのかというと、このフェラーリF50は2019年12月1 ...

続きを見る

ポルシェ911カレラRS2.7を実車確認せずに買ったコレクター。購入後に「コンディションが悪い」として返金を求める訴訟を起こす

| この場合、”どっちもどっち”かも | ドイツの億万長者、アンドレアス・ポール氏がイギリスのカーディーラー「コイズ・オブ・ケンジントン(Coys of Kensinton)」を相手取って訴訟を起こす ...

続きを見る

詐欺事件で注目された「世界に数台しかなく、一般に発売されなかった」ブガッティEB112。ブガッティのサルーンはなにかと悲運がつきまとうようだ
詐欺事件で注目された「世界に数台しかなく、一般に発売されなかった」ブガッティEB112。ブガッティのサルーンはなにかと悲運がつきまとうようだ

| いったいなぜこうなったのかは不明だが、このブガッティEB112はなにかと悲運なのはよくわかった | ブガッティのセダンがたどった運命を見てみよう さて、ドイツのスーパーカーディーラーが「同じ車を2 ...

続きを見る

参照:Los Angeles Times

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

-■そのほか自動車関連/ネタなど
-, , , , , ,