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故郷を離れて26年、愛する11匹の猫とともに帰郷しようと考えたタイの男性。バイクに猫と必要なものを乗せて旅に出る。道中では様々な人々から支援を受けて無事に到着

2023/03/24

故郷を離れて26年、愛する11匹の猫とともに帰郷しようと考えたタイの男性。バイクに猫と必要なものを乗せて旅に出る。道中では様々な人々から支援を受けて無事に到着

| すべてを失ったとき、サムセンさんを癒やしてくれたのは野良猫たちだけだった |

「たとえ自分の食べ物がなくても、手に入るものをすべて売ることで猫の世話をしてきた」

さて、バイクは、さまざまな人にとって、さまざまな意味を持っています。

ある人にとっては単なる移動手段かもしれませんし、またある人にとっては自由になるためのツールであり、またある人にとってはスピードを追求するための乗り物なのかもしれません。

そして今回FacebookやTikTokなど各種SNSで話題になっているのがタイに住むサムセンさん(本名Choowong Thepkoh)という65歳の男性。

このサムセンさんは出稼ぎ先のバンコクから、遠く離れた故郷のイサーン県ナコンラチャシマ(通称コラート)へと戻るための移動手段としてバイクを選ぶことになったのですが、彼にとってのバイクとは、自身の家、そして愛する11匹の猫に安全な暮らしを提供するためのシェルターであり、それと同時に彼にとっての唯一の拠り所でもあります。

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なぜサムセンさんは猫たちと一緒に移動しているのか

このサムセンさんについてはちょっと長いストーリーがあり、もともとは故郷コラートにて建設業を営んでいたものの、1997年に発生した不動産危機にて会社を失い、友人だと思っていた人々にも裏切られ、家族にも侮辱され、すべてを捨ててバンコクに出てきたのち、家族を含む故郷の誰とも連絡を取らずに今まで生活してきたのだそう。

バンコクではPom Prap Sattru Phai地区のフリーマーケットでお守りや小物を販売したり、廃棄物をリサイクルして業者に販売して生計をたてていたそうですが、そこで野良猫たちと友達になり、保護して面倒を見るようになったのが猫たちと一緒に暮らすことになったきっかけだと報じられています。

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そして故郷を出たときには「二度と戻りたくない」と考えていたサムセンさんですが、2023年はじめになって「故郷へ戻りたい」という思いが強くなり、そこでサムセンさんが手に入れたのがこのバイクとサイドカー。

これらは現地の愛猫家が集うFacebookページ、Kingdom Of Tigersの有志たちが団結して資金を提供して購入がかなったものだといい、サムセンさんはこのバイクとサイドカーを駆ってバンコクから故郷であるコラートへと旅立ちます。

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なお、もう戻りたくないとまで思った故郷に帰ろうと考えた理由の一つは、コラートで開催される大規模マーケットの開催で、これは2019年のコロナウイルスのパンデミック以降催されていなかったものの、2023年には久しぶりに開催されることを耳にしたため。

そして、そのマーケット開催のニュースを聞くとともに、26年前にあとにした故郷への想いが強くなり、「もう帰ってもいい頃なんじゃないか」と考えたのだそう。

ただしサムセンさんは愛する猫たちを手放すことなど微塵も考えず、一緒に連れて帰りたいと願い、そこで上述の「サイドカー購入プロジェクト」が支援策として立ち上がったわけですね。

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今回の移動にて話題となる前からサムセンさんは現地では非常に人気が高い人物であったようで、TikTokには彼に関するタグもあり、ちょっと前の投稿だと手押しのカートに猫たちを寝せて移動している様子も見られ、このカートが今回の「サイドカー」に発展したのかも。

@.nong12 เพิ่งได้เจอลุงครั้งแรก น้องแมวอ้วนทุกตัวเลย #ลุงสามเสน #ลุงสามเสนกับน้องแมว #แมว #tiktokสัตว์เลี้ยง #สัตว์โลกน่ารัก ♬ เสียงต้นฉบับ - nong12

多くの人々がサムセンさんと猫たちを支援

このサムセンさんの旅の様子は様々な人によってシェアされており、多くの人々がサムセンさんや猫たちを支援し、その様子が現地のテレビに取り上げられたこともあるそうですが、サムセンさんはこの番組内で、皆に対する感謝の気持ちを語りつつ、いつも一緒にいる猫たちのために、どんなにつらいことがあっても、猫たちの食べ物と世話を欠かさないと誓っており、過去には、自分の食事が手に入らなかったときであっても、手に入るものは何でも売り、猫たちの世話をしていたとも述べており、それは心に傷を負ったサムセンさんを癒やしてくれた猫たちへの感謝の気持ちのあらわれなのかもしれません。

なお、猫たちの名前は、トン・クワック、トン・エック、トン・ケー、トン・デーン、トン・カム、トン・ヘン、トン・プラダブ、シ・ヌアン、シ・ソム、シ・スアイ、シ・ベイトン。

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旅の途中では様々な出来事があり、支援してくれる人もいれば、中には「猫を買いたい」と持ちかけてくる人もいて、しかしもちろんサムセンさんはそういった申し出を丁重に断り、「猫たちは、私が死ぬまで責任を持って面倒を見たいのです」とも。

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猫たちを連れ、サイドカーでゆっくり公道を走ることについて、その危険性を指摘する声もあるかとは思いますが、猫たちは安全のためにハーネスを取り付けられ、かつサイドカーのつくりも猫たちが居心地がいいように考えられているように見え、なによりも猫たちの(サムセンさんを)信頼しきった表情を見るに、どんな苦難であろうとも、一緒に乗り越えることができるようにも思えますね。

なお、道中では安全確保のために現地レスキュー隊が途中から付き添ってくれたといい、現在無事にコラートに到着した、と報じられています。

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参照:RideApart, Kingdom Of Tigers(Facebook), TikTok

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