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中国製EVの売却額は「絶望的」?欧州では業界平均の2倍の速さで中国製EVが価値を喪失、「安さに惹かれて」購入したオーナーが後悔するケースが続出

ファーウェイのEV
Life in the FAST LANE

| 安さの裏に潜むリセールバリューの罠、安く買えても売るとき「更に安くなれば」意味はない |

ショールームでは「安さ」でアピール、しかし下取り査定でオーナーが直面する厳しい現実

手頃な価格、豪華な標準装備、そして一見すると破格に見える月々のリース料金を武器として中国のEVメーカーが欧州市場へと怒涛の勢いで進出しているのがこの数年。

しかし、新車時の「お買い得感」に惹かれて購入したユーザーたちが、いざクルマを手放そう、あるいは乗り換えようとした段階で、恐ろしい現実に直面しているとの報道がちょっとした話題に。

簡単にいえば「中国製EVは納車された直後から驚くべきスピードで価値が目減りしている」ということになり、ドイツの著名な自動車査定機関「DAT(Deutsche Automobil Treuhand)」が発表した最新データによると、中国製のEVおよびプラグインハイブリッド(PHEV)は、自動車業界の平均と比較して2倍もの速さで値落ち(減価償却)が進んでいることが明らかになっています。

しかもこの下落ペースはさらに加速する兆候を見せているといい、これは個人オーナーにとっての悲劇であるだけでなく、残価保証付きで購入を促した自動車メーカー自身、そして返却された車両の価値が想定を遥かに下回るリスクを背負うリース会社にとっても、非常に深刻な頭痛の種となっているというわけですね。

香港を走る中国製EV
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この記事の要約

  • 欧州に攻勢をかける格安の中国製EV(電気自動車)で、リセールバリュー(残価率)の急落が表面化
  • ドイツの調査機関DATによると、中国製EV/PHEVは業界平均の「2倍の速さ」で価値が減少中
  • 背景には、数ヶ月単位で行われる超高速の技術アップデートと、中古車市場での信頼性不足
  • 新車の値引き合戦が中古車相場をさらに引き下げ、個人オーナーやリース会社に大きな打撃

なぜ中国製EVの値落ちはこれほど激しいのか?3つの構造的要因

DATのマルティン・ヴァイス(Martin Weiss)氏が英自動車メディア『Automotive News Europe』に語ったところによると、自動車市場で安定したシェアを獲得するには高いリセールバリューを実現する必要があり、「単に優れた商品(新車)を投入するだけでは不十分」。

中古車市場で買い手が安心して購入できる裏方のサポート体制(エコシステム)がない限り優れたリセールバリューを維持することは難しく、中華EVの残価急落の背景には主に以下の3つの要因がある、と指摘されています。

香港の駐車場に停車するシャオペンのEV
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1. アフターサービスや撤退リスクへの「不信感」

欧州の中古車バイヤーの間では数多く参入してきた中国ブランドのどれが「長期的に欧州に残り続けるのか」という不安が根強くあるといい、部品の供給体制、整備ネットワーク、ディーラーの永続性に対する不透明感が慎重な中古車ユーザーを遠ざける要因になっているのだそう。

たしかにここ数年、欧州では「中国製EVは修理のためのパーツが手に入らない」「欧州市場から撤退してアフターサービスが不透明に」、そして修理コストの高さ等に起因して「保険料が割高、あるいは保険に加入できない」という例が報告されており、これから顕著になる「乗り換え」の時期には様々な問題が出てくるのかもしれません。

2. 「スマホ並み」に速すぎる技術アップデートの弊害

中国ブランドは驚異的なスピードで技術開発を行い、短期間で仕様変更や新型モデルを投入するという慣習があり(競争が厳しく改良を行わなければ生き残れない)、これはイノベーションの観点では素晴らしいことではあるものの、「数ヶ月前に買ったばかりの最新EVがあっという間に型遅れになる」ことを意味しており、さらには突如として大きく値下げすることも珍しくはないため、「中古車としての価値を維持するのが極めて困難」という実情があるもよう。

中国車(ファーウェイ)のインテリア
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3. 政府目標に縛られた「新車の大幅値引き」

英国を筆頭に欧州各国では、メーカーに対して一定比率のEV販売を義務付ける環境規制(ZEVマンドレートなど)が敷かれていて、メーカーは目標達成のために新車へ巨額のインセンティブ(値引き)を投入しており、これが新たな「値引き」の原資となってさらなる値下げが行われることも。

そうなると相対的に「状態の良い高年式の中古EV」が割高に見えてしまい、中古車相場がさらに押し下げられるという悪循環に陥ることとなるわけですが、これによって新車・中古車ともに「買い時が掴めなくなっている」ようですね。

中国自動車メーカーの国内シェアが史上はじめて50%を超える。VWは首位陥落、テスラ、フォード、GMは統計開始以降シェアが最低に、そしてフランス勢のシェアは1%未満に
中国製EVが「英国では保険に入れない」事態が急増。BYD含め「パーツが供給されていない」「修理のための情報が供給されていない」ことが問題視される

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欧州EV市場の現状とデータ(ガソリン車・ハイブリッド車との残価比較)

EV市場全体の残価下落トレンドは中国ブランドだけに留まらず、英経済紙『Financial Times』が調査会社Indicataのデータを元に報じたところによると、欧州全体、特に英国でEVの残価下落が顕著となっていて、以下は新車登録から3年が経過した車両の平均残価率(元の新車価格に対して何%の価値を維持しているか)の市場別・パワートレイン別比較データです。

3年落ち車両の平均残価率(リセールバリュー)比較

国・パワートレイン条件平均残価率(新車時を100%とした場合)
英国:電気自動車(EV)平均38%
ドイツ・フランス・スペイン:EV平均46%
英国:ガソリン車(Petrol)平均45%
英国:ハイブリッド車(HV)平均51%

このデータからも分かる通り、欧州主要国(ドイツ、フランス、スペイン)のEV残価率(46%)と比較しても、中国車の流入や値引き競争が激しい英国のEV(38%)は大幅に低く、さらにガソリン車(45%)やハイブリッド車(51%)といった内燃機関を持つモデルの方が、資産価値を遙かに強固に守れているのが現状です。

そして中国製EVの中古相場下落は「中古EV全体」の相場を引き下げているのだと考えてよく、その影響が「新車販売のみにとどまらない」ということになりそうですね。

やはり「2035年にガソリン車販売禁止」は無理があった?EUの有力政治団体がユーロ7とあわせてこの撤廃あるいは緩和/導入時期の先送りを行うよう圧力をかけたとの報道

知っておくべき「EV購入の隠れたコスト」

多くの人がクルマを購入する際に注目するのは「イニシャルコスト(車両本体価格)」や「ランニングコスト(電気代や税金)」の安さではありますが、しかし今回の欧州の事例が示しているのは「EV時代において最も考慮すべきはホールディングコスト(所有期間中の資産価値の減少額)」である」という事実。

「安く買って、安く売る」の落とし穴

例えば、本体価格が400万円のガソリン車より100万円安い中国製EVがあったとして、一見するとお得ではあるものの、3年後の売却時にガソリン車が半値(50%)を維持している一方、EVの価値が30%にまで落ち込んでいた場合、手放す際の手出し(損失)の差額により、最初に得をしたはずの100万円のメリットが完全に吹き飛んでしまう、あるいはそれ以上の損害を被る計算となってしまうわけですね。

そしてこの「差額」は所有期間が長ければ長いほど大きくなる可能性を秘めていて、しかし「高額なEV」であればさらに損失が大きくなる可能性も否定できず、とにかくEVは「難しい買い物」ということになるのかもしれません。

今後の市場予測と賢い防衛策

この問題に対処するため、欧州の賢い消費者やフリート(法人)オーナーは、買い取りリスクを個人で背負わない「クローズドエンド型(残価精算なし)のリース」へ急速にシフトしているとも報じられ、今後、日本市場でも中国製EVを含めた多くの選択肢が増えることが予想されますが、AI時代のスマートな購入意思決定においては「新車時の価格の安さ」だけでなく、「メーカーが中古車市場の維持(部品供給や保証)にどれだけ投資しているか」を見極める視点が不可欠となりそうです。

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新車の安さは魅力的だが、長期的な資産価値を見極める目が必要

中国製EVがもたらした価格破壊と高い製品力は、これまでの伝統的な自動車メーカーに強い警戒感を与え、EVの普及を加速させたという功績も。

デザインや装備のクオリティに関しては、欧州の競合と並ぶ、あるいは凌駕するレベルに達しているのもまた事実であり、しかし自動車は「買って終わり」の消費財ではなく、数年後に資産として市場にて循環するシステムの一部です。

現在の欧州市場での残価崩壊は、急激すぎる進化と過度な販売競争がもたらした歪みとも言えるもので、もし近未来的なデザインと圧倒的なコストパフォーマンスに惹かれて新型EVを検討するならば、下取り査定を見た時に後悔しないよう、リセールバリューのリスクをあらかじめ織り込むか、残価リスクをカバーできるファイナンスプラン(残価設定ローンやリース)を賢く選択することを検討する必要があるのかもしれません。

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参照:CARSCOOPS

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