| 同時にシミュレーター向けとして「レカロ・シム・プロ・スター」も発売 |
レカロは創業以来、カーシートのトップブランドとして君臨し続けている
さて、週末に開催されるル・マン24時間レースの予選では、なんと50年ぶりに復帰するフェラーリがポールポジションを獲得していますが(まさかポール穫るとは思わなかった)、今年のル・マン24時間レースは記念すべき100周年ということもあり、各方面において大きな盛り上がりを見せています。
ル・マン24時間レース関連製品としては、アルピーヌがA110 Rの限定モデルを発表したほか、レカロもル・マン開催100周年を記念して限定モデル「ポディウムGF」をリリースしており、ここでどんなシートなのかを見てみましょう。
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レカロ「ポディウムGF」ル・マン24時間レース100周年記念バージョンはこんなシート
このポディウムGFはカーボンファイバー製のシェルを持っており、そこへ取り付けられるクッションの張り材はブルーレザーとブラックのマイクロファイバー、そしてそれらの表皮にはホワイトステッチ。
シートバックには「24 Le Mans」の刺繍が入り、クッション厚は10ミリ(L)と20ミリ(M)が用意されています。
背もたれには "24H Le Mans "のマークとサーキットのアウトラインが入り、通常のレカロシートとは一線を画していますね。
このポディウムGFは公道走行可能な要件を満たしており、さらにはFIAの承認を受けているため、サーキット走行用の車両に装着することも可能なのだそう。
発売自体は今年の夏に行われ、価格は1脚3,324ユーロ(現在の為替レートにて約50万円)に設定されています。※一番上の画像の「レカロ・シム・プロ・スター」は約15万円
レカロはちょうど創業60周年
レカロのオートモーティブ部門にてプレジデント兼COOを努めるエミール・クレイシック氏によると「(レカロが創業してから)60年もの間、レカロのシートは、世界最高峰のクルマに採用され、街乗りから世界最高レベルのレースに至るまで幅広く活躍してきました。今回、ル・マン24時間レースの開催100周年記念に加わることができ、非常に光栄です」。
なお、レカロ自体は1906年に「馬車製造社ロイター」として創業され、その後「ロイター・シュトゥットガルト車体製造会社」へと社名を変更して自動車の車体製造を開始しています。
(位置関係が近かったということもあり)ポルシェ356の車体を製造していたことでも有名ですが、1963年にシート製造部門を除く車体製造や内装部門をポルシェに売却し、ここからシート専業メーカー「レカロ(Recaro)」としての歴史が始まるわけですが、今年はちょうどレカロにとっての60周年というわけですね。※その後カイパー社に買収され、その際に「Keiper Recaro GmbH & Co」へと変更されている
レカロ製シートは非常に高価ではあるものの、「高級品だから高い」というよりは機能性を追求したらその価格になってしまったというたぐいの製品であり、つまりもともと高級を志したわけではなく、このあたりは同郷のポルシェやライカなどのドイツ製品と同じかもしれません(高級品やラグジュアリー市場を目指したわけではなく、いいものを妥協なく作ったらこの価格になってしまった)。
ただ、いかに高価といえど、その品質や機能は価格に見合う、もしくはそれ以上だと言ってよく、そのために「ブレンボとビルシュタイン」と並んで走り屋にとっての三種の神器として君臨し続け、近年では航空機のシートやスタジアムのメンバーズシート、さらにはeスポーツでも採用が進んでおり、これはその品質が自動車業界を超えて認められていることの証でもありますね。
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