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アップルカー(iCar)はこのまま頓挫?専門家が「アップルは製造業者を買収するなど根本的に考え方を変えなければ電気自動車を発売できないだろう」

2023/10/03

アップルの特許をベースにしたアップルカー(iCar)の予想レンダリングが登場。ピラーレス、コーチドア、回転式シートなど多数が反映される

Image:Vanarama

| アップルはすでに多数の特許を出願し、多くの人材を自動車業界から獲得しているが |

すでに最初に話が出てから10年が経過しており、たしかにこのままでは「望み薄」かもしれない

さて、この1年ほどアップルカーに関する報道を耳にしなかったものの、今回中国経由にて「アップルカー発売の可能性はますまず低くなっている」というコメントがなされることに。※画像はVanaramaによるレンダリング

これは中国にて金融とくに科学技術部門に特化した分析を行うアナリストによる発言ですが、現在「EVに関する情報」は中国がもっとも豊富かつ正確なのかもしれません。

「アップルは自動車メーカーを買収するしかない」

そしてこのアナリストの分析によれば「アップルが事態を打開させるべく、急速に前進しない限り、今後数年間でアップルの電気自動車が発売される可能性はますます低くなっている」。

そこでまずアップルカーの歴史を辿ってみると、2013年頃にまず最初の具体的な話が出ていて、その頃にはBMW i3をベースにしたクルマになると報じられています。

しかしその後にこの話が消えてしまい、「自動運転機能を備えた公共モビリティとして販売される」というウワサが報じられ、そこからしばらく話が消えてしまうことに。

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ただ数年前には台湾のアップル下請け企業から「アップルカー試作のためのパーツ発注依頼を受けた」というところから大きく話が動き出し、ヒョンデとの提携直前という話が出るも結果的には「交渉決裂(株価が大きく上下し、インサイダー取引違反によって多くの逮捕者が出た)」。

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なお、この交渉決裂の理由は「アップルがヒョンデと対等以上の関係を求めたから」だとされ、しかしヒョンデはアップルを支配下に置きたかったといい、この力関係について両者い入れなかったようですね(ヒョンデはもともと非常に提携を嫌い、自らがボスであることを好む)。

その後アップルは日産、ホンダ、トヨタ、VWなどと提携の協議を重ねたものの、いずれも「不発」に終わっており、その理由もやはり「アップルがこれらの会社を単なる下請けとして扱おうとしたから」だとも報じられています(アップルの支配的立場によって業務が左右され、しかし得られるメリットは少ない)。

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アップルはさらに方針を転換

そして1年ほど前に報じられたのが「アップルは完全な自律走行車の開発を断念し、代わりに高度な運転支援システムを搭載した従来型の制御装置を備えたEVを開発するこに専念し、アップルカーの発売時期を2025年から2026年に延期した」。

ただしアップルはこのアップルカーを開発するため、フォードやランボルギーニの上級エンジニアなど多数の人材を自動車業界から引き抜いており、さらには様々な特許も出願済みで、つまりアップルカーのプロジェクトは絵空事ではなくかなり現実に近いということになるものの、いかんせんアップルは自社でクルマを製造する設備を持たず、そのための投資を行うつもりもなく、iPadやiPhone、マックブックのように「外部に生産を委託する」意向を持つと言われます。

アップルの特許をベースにしたアップルカー(iCar)の予想レンダリングが登場。ピラーレス、コーチドア、回転式シートなど多数が反映される
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ただしいま現在、「アップルの言う通りに生産を行う」という会社は存在せず、中国の新興EVメーカーですら自社ブランドをもって展開を行うことを選択しており(このあたりは政府の補助金も県警しているものと思われる)、アップルの言うことを聞いてくれる会社が存在しないという状況です。

そして今回アナリストが発言した内容に繋がってくるわけですが、「どこも言うことを聞かないのであれば、言うことを聞くように”買収”するよりほかはないだろう」ということになるわけですね。

こういった買収はアップルにとって現実的ではないかもしれませんが、現在中国では「自動車メーカーが淘汰されている」状況だというので、アップルに「その気があれば」現在はEV製造業者の買収にはうってつけの時期なのかもしれません。

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そのほか、アップルカーにはこんなウワサも

今回の中国のアナリストによる分析の他、業界関係者によると、アップルの自動車プロジェクトリーダーであるケビン・リンチ氏は当初、同社が2025年にレベル5の自律走行車を発売することを推進していたものの、現在はアップルカー(もしくはiCar)が単に高速道路での自律走行機能を提供するだけのものになる可能性が高いというコメントも。

そしてアップルの自律走行技術パッケージを支えるのはコードネーム「Denali」と呼ばれるオンボード・コンピューター・システムで、このシステムは、アップルの最高級Macチップ4つを合わせた処理性能を持っており、iCarにはカメラ、レーダー、LiDARが搭載され、ホスティングにはアマゾン・ウェブ・サービスを使用した人工知能処理用のクラウドベースのコンポーネントが含まれるという具体的な報道もなされています。

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参照:郭明錤 (Ming-Chi Kuo)

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