
| 現在、自動車デザイナーになろうと思うと「非常に高額なコスト」が必要になるらしい |
フランク・ステファンソンは自動車業界に多くの「資産」を残している
さて、世界で最も影響力があるカーデザイナーの一人、フランク・ステファンソン氏が「自動車殿堂入り」を果たしたのとの報道。
同氏はフォード エスコート RS コスワース、フェラーリF430やFXX / 599、マセラティMC12 / クアトロポルテ、BMW(初代)X5、(初代)BMWミニ、フィアット500、マクラーレンMP4-12C / P1 / 720S / 675LTなどをデザインした経験を持ち、それらがいずれも高く評価されているのは周知の通り。
そしてフランク・ステファンソン氏は現在ユーチューバーとしても活躍しており、歯に衣着せぬ発言にて、デザイナーとしてと同様に高い評価を得ています。
フランク・ステファンソン「世界に影響を与えたい」
今回の殿堂入りに際し、64歳のフランク・ステファンソン氏は「私の目標は、役職を獲得したり、賞を受賞したりすることではなく、世界に影響を与えることでした。今回の受賞はあくまでも潜在的な結果であり、重要なのは良い仕事をするということです」と語っており、これは謙虚なフランク・ステファンソン氏らしいコメントではありますが、もちろん今回の栄誉ある受賞に際しては喜びを隠しきれず、「この自動車殿堂入りを通じ、デザイナー仲間や業界全体から認められたことに本当に感激しています」とも。
フランク・ステファンソン氏はモロッコで遊牧民として生まれ、トルコ、スペイン、そしてカリフォルニアで教育を受け、パサデナのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインで自動車デザインを学んだという異色の経歴の持ち主で、上述の通りホットハッチからSUV、スーパーカーにハイパーカー、そしてレーシングカーまでを手掛けています(とくに、まだ高級SUVという概念が存在しなかった時代にBMW X5を成功させた功績は高く評価されている)。
デザイナーとしてのキャリアは「フォード」から
フランクステファンソン氏はデザイナーとしてのキャリアをフォードのデザインスタジオからスタートさせ、その後BMW に入社して10年をここで過ごすことに。
さらにその後にはフィアット、ランチア、マセラティ、そしてピニンファリーナ、マクラーレンを経験することで上述のような名車を生み出してゆくわけですが、特にマクラーレンでは同種の確立したデザイン言語が後のセナ、さらには現行モデルのアルトゥーラにも引き継がれており、多くのブランドに後に残る「資産」を構築してきたことでも知られています。

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フランク・ステファンソンは自動車デザイナーの育成も支援
私はキャリアを通じて多くの素晴らしい経験をしてきました。新型ミニのデザインからeVTOL航空機の設計まで、そして最近では本当に情熱を注ぐプロジェクトを立ち上げました。オンラインでのスケッチ教育コースは、デザイン愛好家に対し、学習の準備、そしてスキルと知識を提供するものです。 これはデザイナーを志す若者たちの将来にとって不可欠なことだと私は考えています。
なお、同氏がこういったオンライン講座を立ち上げたのは理由があり、というのも現在自動車デザインの世界では、デザインの学位を取得するのにかかる費用が非常に高いためにデザイナーを志す人々にとって(このコストが)大きな障壁として立ちふさがっているから。
よってフランク・ステファンソン氏は、大学教育を受けられない人々を対象とした「Learn To Sketch With Frank」を立ち上げており、さらに今月下旬には数多くのイベントや慈善活動を通じて資金を集め、将来有望なデザイナーを支援する”フランク・ステファンソン財団”を立ち上げる予定であることも広く知られています。
そしてフランク・ステファンソン氏は受賞インタビューにて「私は自分の仕事が大好きで、この業界で長く働けることを本当にうれしく思っています。これまで一緒に働いてきたすべての人に感謝します」と締めくくっており、これもまたクルマのデザインを愛する同氏らしいコメントでもありますね。