米環境調査団体「EVはハイブリッドの5倍、PHEVの2倍以上、ガソリン車の6倍以上もクリーン」。HVやPHEVよりもEVが環境に対する最適解だと結論づける

｜　ただし調査団体によってまったく反対の調査結果や結論が出ることも　｜

「見る角度」や「導き出したい結論」によってその内容は全く異なる

さて、EVのCO2排出量については様々な統計がありますが、今回はインターナショナル・カウンシル・オブ・クリーン・トランスポーテーション（国際クリーン交通評議会＝ICCT）がパワートレーン別の「ライフサイクル汚染度」を公開してちょっとした話題に。

これによるとハイブリッド車の汚染度はBEVの最大4.9倍、PHEVの汚染度はBEVの約2.2倍（セダン）から2.5倍（SUV）、内燃機関を搭載するSUVではなんと「6.7倍」。

バッテリー式EV（BEV）は「環境によくない」という説もあるが

なお、バッテリー式EV（BEV）については様々な説があって、EVに使用するバッテリー原料の採取プロセスが環境に大きく負荷をかけたり、廃棄の際に排出するCO2がこれまた環境に負荷をかけるといった話もあり、排出ガスが「ゼロ」ではあるものの、充電のための電力を生成するのに火力発電など「CO2を発生させる」方法を使用したのでは本末転倒である、という見方も。

参考までに、今回発表された統計での「BEV」の概念にはバッテリーと車両の製造、原料と燃料の生産、車両の使用、および耐用年数終了時の廃棄からの排出が含まれるとのことで、さらには「クリーンな方法で生成された電力のみで」充電を行ったという想定なのだそう。※使用期間や走行距離に関する想定はわからない

実際のところ、「100％クリーンな」方法で得られた電力のみを使用することは難しいため、今回の統計はやや無理があるようにも思えますが、ICCTは「電力が再生可能な方法で生成されていない場合であっても」BEVはガソリン車に比較して”66～74パーセント”クリーンであるといい、仮に再生可能な電力を使用した場合は”85パーセント”もクリーンだと結論付けています。

ちなみにですが、2030年にはBEVの生産効率やエネルギー効率が向上すると予想され、よってICCTは「2030年には、内燃機関を搭載するSUVのライフサイクル排出量は、再生可能エネルギーで駆動する同等のBEVの（6.7倍から）7.5倍になると推定しています。

なおICCTは「PHEVとHEVは、BEVに比べて温室効果ガス排出量を削減する可能性がかなり限られている」ことについても触れており、つまりPHEVとHEVは「環境改善には大きく貢献しない」ということに。

しかしこれは別の団体が調査した結果による「いかなるEVもプリウスの効率性には勝てない」というものとは異なっており、様々な角度から見た様々な統計があるため、ひとつの結果のみを見て物事を判断することはできなさそうですね。

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