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ハーバード生による研究では「約9万キロ走らなければ、EVは製造時に排出するCO2をペイできない。それ以上走らない人はガソリン車に乗ったほうがいいでしょう」

2023/09/07

EV

| これまでにも何度となくEVが必ずしも環境に良くないという話は出てきたが |

事情はそれぞれのオーナーやEVによって異なり、十把一絡げに論じることはできないかもしれない

さて、「EVが本当に二酸化炭素排出量を削減するのかどうか」という議論がたびたびなされていますが、今回ハーバード・ガゼットなるメディアに掲載された、ルーカス・ウッドリー氏というハーバード大学卒業生の研究が話題に。

簡単に言えば「BEV (バッテリー電気自動車) のオーナーは、購入したBEVが製造時の環境負荷を吸収し、環境に貢献できるようになるまで、バッテリーを交換せずに平均 55,749マイル(89,720キロ)を走行する必要がある」という内容です。

ほとんどのEVは二酸化炭素排出削減に貢献できない

この研究によると、アメリカ人は平均して年間14,000マイル(22,530km)を走るそうですが、55,749マイルを走行するにはほぼ4年かかるという計算になり、セカンドカーとしてBEVを所有している場合だと「さらに多くの時間」がかかるということに。

なお、この「製造時の二酸化炭素排出量をプラスマイナスゼロに持ってゆくまで」の距離は当然ながらバッテリーサイズによって差異があり、より小さなバッテリーを積む普及価格帯のBEV(日産リーフなど)であれば平均して38,069マイル(61,266km)、しかし大型のBEVVであれば平均して68,160マイル(109,693km)を要するとしています。

EV

実際のところ、大型EVになればなるほど日常的な走行距離は少なくなるものと思われ、より「プラスマイナスゼロ」に持ってゆくことが難しくなるものと思われますが、ハマーEVのように212kWhという巨大なバッテリーを積むBEVだと「よほど走らないと環境に貢献できるレベルに持ってゆくことはできないだろう」とも。

ハマーEVは「環境に優しい」クルマとなるはずだったが・・・。実際はガソリンエンジン搭載セダンよりも多くのCO2を排出し、環境に負荷をかけるという試算結果
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加えてルーカス・ウッドリー氏は「充電のための発電方法」によってもこの「プラマイゼロの距離」が変わってくると述べ、たとえば電力を火力発電によって発生させた場合はこの距離がさらに伸び、風力発電や太陽光発電などのクリーンエナジーを使用した場合には逆に短くなることにも言及済み(これは当然のことでもある)。

BEVの使用状況次第ではガソリン車を運転したほうがいい場合も

ルーカス・ウッドリー氏はこの研究において「製造時の二酸化炭素排出量をプラスマイナスゼロに持ってゆくまでの距離を走る前に」EVを処分してしまうBEVオーナーも多いと指摘しており、当然ながらその場合は「BEVなのに環境に悪影響を及ぼす」ことも。

よって「あなたがかなりの距離を運転する人であれば、おそらく電気自動車の所有に適しているでしょう。逆に、めったに運転しない人で、クルマをガレージに保管することが多い場合は、ガソリン車を所有した方が良いかもしれません」と論文を締めくくっています。

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参照:The Harvard Gazette

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