中国で最大のクラシックカーコレクター、ルオさんの半生が動画で紹介に。
クラシックカーとは言ってもロールスロイスやベントレー、フェラーリではなく、彼は「中国車専門」。
これらの所蔵車は自身が運営する博物館に展示され、そしてその博物館は自動車として中国で最初にできたもの、とのことです。
彼は農村の出身で、両親もごく普通の暮らし(つまりお金持ちの出身ではない)。
村に初めてやってきたトラクターを見たときから「エンジン」で動くものにとりつかれ、いつかは自分も運転してみたい、と思うことになります。
当時は大学に行くことは非常にまれで、彼も他の人々と同じく高卒で就職。
最初は政府の要人をのせる車のドライバーのさらに助手からスタート。
なかなか車を運転させてもらえなかったそうですが、真面目に日々与えられる仕事をこなしてゆき、ようやく彼も車を運転させてもらえることに。
その後も真面目に勤め上げ、お金が貯まると自分の車を購入することになりますが、その時の(自分で購入した車のステアリングホイールを自分で握った)感動は忘れることができない、と当時を振り返ります。
その後も車への情熱は高まる一方で、車を集めるため、そしてそれら車を保存するために彼は自分でビジネスを始めることを決意し、それらを拡大。
今ではこんなに大きな博物館を持ち、200台の希少な車を保管するまでに。
人々は彼のことを「病気だ」と評するものの、彼は一向にそれを気にせず、自分のやりたいように生きている、と語っています。
たくさんのお金を持つようになった今でも、ほとんどのお金を車にかけるため、むしろ「どんどん生活水準が下がって行く」ことになりますが、それでも彼は意に介していないようですね。
質素な暮らしを妻と続け、車の管理をするのが彼の日課。
今でも持っている服は数着のみで、いつも人民服のようなものを着ています。
博物館内にも中国の国旗が多くみられ、中国愛も自動車愛同様に相当なもの。
彼のコレクションの中でも最大の価値を持つものは「紅旗ストレッチ・リムジン」。
これは毛沢東を乗せるために作られた車ですが、毛沢東は完成を待たずに死去してしまった、とのこと。
ルオさん曰く「車への情熱が自分を成功させ、富をもたらしてくれた」ということですが、世界でも例を見ないほどの情熱を持つコレクターであり、稀有な例と言えそうですね。
ぼくは常々「情熱と愛情さえあれば、たいていのことは何とかなる」と考えていますが、まさにそれを実践したとも言える話で、偉大な男の物語だと考えています。
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ポルシェが公式にて「中国人ポルシェ・エンスージアスト」シリーズを動画で公開。
一人は起業家Wang Zhaochun氏、もうひとりは中国のクラシックカー協会会長であるHou Xiaoming氏。
とくに後者はクラシックポルシェに対して強いこだわりを持ち、自らレストアを行うなど深い愛情を見せていますね。
https://www.youtube.com/watch?v=xU_A1LdvIiI