| 正直、ここまでの完成度とこだわりを持っているとは思わなかった |
さて、ランドローバー・ディフェンダーの内覧会へ。
日本におけるディフェンダーはショートボディ(3ドア)の「90」と5ドアの「110」との2種類ですが、今回の展示車は110(ディフェンダー90は”諸般の事情”にて生産が遅れている)。
ディフェンダー90は4,990,000円〜、ディフェンダー110は5,890,000円〜という価格設定を持っており、用意されるエンジンは300馬力の2リッター直4のみ。
展示車には141万円相当のオプションが追加
展示車は5ドアの「110(ワン・テン)」、グレードはSE。
ボディカラーはオプションのタスマンブルー、そこへやはりオプションのコントラストルーフ、オフロードパック、エクスプローラーパック、サイドステップ(ランニングボード)等が追加されています。
ボディサイズは全長4945ミリ、全幅1995ミリ、全高1970ミリ、そして車体重量は2360kgというヘビー級。
サイズや重量ともに保管できる場所がかなり限られそうですが、内覧会に集まった人々の多くはその場で注文を入れていたのが印象的です。
なお、現在注文を入れても1年くらい待つことになり、3ドアの90(ナインティ)はコロナウイルスの影響にて発売自体が数ヶ月遅れる、とのこと。
第一印象としては「デカい・・・」というものですが、その次に感じたのは「かなりカッコいいんじゃないか」。
これまでも画像や動画にて新型ディフェンダーには親しんでいたものの、そのツルンとしたデザインに起因してややノッペリしたという印象を持っており、しかし実物はかなり立体的。
デザイナーのジェリー・マクガバン氏は「段差のない」デザインを好むため、新型イヴォークやヴェラールを見てもわかるとおり「表面ツルツル」なデザインを採用していて、これの難点は「肉眼で見ると質感の高さや高級感、塊感が感じられるものの、画像で見ると平坦に見えてしまう」というもの。
つまりは(実物はカッコいいのに)写真写りがあまりよろしくない、ということになりますね。
そしてフロントはツルっとしたデザイン。
グリル面積はかなり小さく、「このクルマはハイブリッド?」と思うくらい。
なお、グリル上の「Land Rover」楕円エンブレムは「平面」です。
そしてフロントの丸さに対してリアはストンと切り落とされているのが印象的。
フェンダーの「峰」は初代ディフェンダーからの伝統ですね。
リアはルーフからボトムまで文字通り「直角」。
テールランプは非常に特徴的。
デザイン上は「円」と「四角」とを組み合わせており、比率でいうと四角が多く、たとえばドアノブのキーシリンダーは円ではなく「四角」。
ディフェンダーというと質実剛健なクルマというイメージがあるものの、どんな小さいところにまでも「デザイン」がなされているという印象です。
フロントフェンダー上にはステップが設けられ、実際にこの上に乗ったり、ルーフに乗ることも想定しているようですね。
そのためパネルも補強されており、こういった部分が全体の重量増加に影響しているのだと思われます。
新型ディフェンダーのインテリアはこうなっている
なお、エクステリアよりも大きな衝撃を受けたのがインテリア。
全体的に見てほかのレンジローバー、ランドローバーとも全く異なるデザインを持っていますが、その大きな理由としては「オフロードでの使用がメイン」だからかも。
たとえばグローブを装着して使用することを想定しているのか、各部の作りやスイッチはかなり大きめ。
センターコンソールやダッシュボード表面はスポンジのような特殊な素材で、これはおそらく悪路走行時に身体が当たっても痛くないようにという配慮、そして濡れることを前提としているのだと思われます。
一方でスピーカーグリルやドアインナーハンドルはメタル調が採用されて高級感を演出。
シート表示はレザーとクロス。
なお、摩擦が生じやすい部分には耐久性の高いクロスを使用するなど、用途に応じた素材が使い分けられているようですね。
ドアインナーパネルはうまく鉄板を生かしたデザインで、リベットをデザインとして見せる構造。
これはバックドアも同じです。
後席ルーフにはおなじみの「窓」。
カーゴスペースのフロアもヘビーデューティー仕様。
ダッシュボードの端やそのほかにもグリップ多数。
ちなみにグリップの裏面、つまり指の腹が当たる部分にはラバーが貼られており、濡れた指やグローブで触れても滑らないように配慮されています。
内装のあちこちを実際に触ってみると、「実際に使うことを、本当によく考えているんだな」と感じさせられる仕様を持っており、ここにランドローバーの歴史、そして引き出しの多さ、さらに深さを見た思いです。
ちなみに電源やUSB端子は車内の至るところに。
しかし場所によっては「シャッター」が取り付けられて防水性や防塵性を高めるといった工夫もなされており、とにかく細部にまでこだわり抜かれている、という印象ですね。
実際に新型ディフェンダーを見て触れた印象では、「腕時計に例えるならば機能に特化したハイエンド系G-SHOCK(高級路線ではなくマスター・オブGのような)」というもの。
痒いところに手が届く機能を持ち、デザイン性とタフさを兼ね備え、より高価であったり高級なモデルが横に並ぼうとも怯む必要のない、揺るぎなき自信を携えたクルマだと思います。
ほかの画像はFacobookのアルバム「ランドローバー・ディフェンダー」に保存しています(135枚)。