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アストンマーティン「今後の計画にセダンは一切含まれません。我々の超高級化・超高性能化戦略において、セダンは必要ではないのです」

アストンマーティン「今後の計画にセダンは一切含まれません。我々の超高級化・超高性能化戦略において、セダンは必要ではないのです」

| アストンマーティンはその方向性を大きくシフト、1台あたりの利益を最大化する方向へ |

それでもアストンマーティンが「セダンを廃止する」というのは大きな驚きでもある

さて、アストンマーティンは今月27日にも「今後5年の間に発表する新型車全て」を事業計画とともに公表するとしていますが、それに先立ちチョコチョコとその方向性などが語られている状況です。

つい最近だと「超高級、ハイパフォーマンス、F1」をビジネスのコアにするということ、そして”常に進化しライバルに打ち勝つ”ことを第一義とするF1チームの運営方針を市販車にも取り入れること、今後は販売台数ではなく1台あたりの利益向上を追求することなどが示されており、その方向性が大きく変わることが予想されているわけですね。

アストンマーティン
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アストンマーティン「我々の成功に、セダンは必要ない」

そして今回新たに示されたのが「今後のアストンマーティンにセダンは不要」という大胆な主張。

これはアストンマーティンの製品・市場戦略責任者であるアレックス・ロング氏がカーメディアに対して語ったもので、同氏によれば「私たちは、世界で最も魅力的な超高級ブリティッシュ・パフォーマンス・ブランドを作るという、非常に大胆な目標を持っています。各プログラムに特化して、またブランド全体としても、非常に高い目標を設定しているのです。その中において、セダンは正しいビジネス上の決定として捉えられておらず、アストンマーティンの製品サイクル計画には含まれません。我々は成功のためにセダンを必要としないのです」。

なお、アストンマーティンは過去に4ドアサルーン「ラピード」、そして招待制によって購入者が選別された超高級セダン「ラゴンダ・タラフ」を発売していますが、今回のコメントではそういったモデルが投入されないということになり、つまり今後はポルシェ・パナメーラはもちろん、ベントレーやロールス・ロイスのサルーンに対抗するモデルを投入しないということに。

アストンマーティンDBX

一方、セダンのかわりとして位置づけているのがSUVの「DBX」であり、これによって「セダン需要を拾う」こととなるようですが、この決定を見ても、アストンマーティンは「フルラインアップメーカーを目指さず、限られたモデル構成にて、限られた顧客を相手にビジネスを行う」ことになりそうです。

やはり今後のアストンマーティンは大きく変わりそう

現在アストンマーティンの経営権を握るのはファッションビジネスにて成功した実業家、ローレンス・ストロール氏で、同氏はアストンマーティンの会長へと就任後に様々な改革を行っており、廃止すべきプロジェクトについてはいくつかを(それまでに投じたコストが無駄になったとしても)廃止済み。

その中には(先日発表のあった)ミドシップ版のヴァンキッシュ、そしてピュアエレクトリックセダンの「ラピードE」も含まれており、前者は「ミドシップラインアップについてはすべて超高級・超高性能な限定モデルのみの扱いとするため」だとされています。

一方のラピードEの廃止理由については明らかではなく、しかしながらそれまでの受注状況(あなり芳しくなく、アストンマーティンは”これを買えば限定モデルであるヴァルキリーの当選確率が上がる”など、抱合せ的な販売手法のために用いていたほど)、そして信頼性、加えてコストなどを複合的に判断したのだと思われます。

アストンマーティン

さらにその前には「60年ぶりに、多額のコストをかけて開発した新型V6エンジン」をあっさりとお蔵入りにしているので、ローレンス・ストロール氏は「捨てるものをさっぱりと捨てることができる」タイプの経営者であるというのは間違いなさそう(イーロン・マスクCEOしかり、こういった経営者はえてして優れている)。

さらには「拡大路線」を貫いてきたそれまでの経営者とは180度方向を反転させ、「フェラーリ同様に」収益性と排他性を最大化することに重点を置くという方針を打ち出し、かつ高い残存価値を確保するために、意図的に生産台数を制限することについても言及しています。

まだまだアストンマーティンは改革のさなかであり、それまでの「負の資産」も多く残っているかとは思いますが、今後の長期にわたる成長の第一歩を踏み出したばかりであり、そしてその要となる計画には期待がかかるところでもありますね。

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参照:Carsales

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